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シリコンバレー式超ライフハック
著者:デイヴ・アスプリー
出版社:ダイヤモンド社
本書の要約
五感とともに働くニューロンの4分の3は視覚と結びついていることがわかっています。新しい情報を吸収する方法として、視覚化記憶術が最も効果的だと言えます。記憶を定着させたければ、その内容を詳細までイメージし、立体的に構築するようにしましょう。
記憶を定着させたければ、イメージの力を活用しよう!
脳は言葉の世界ではなく、感覚、音、イメージの世界で進化した。何かを読んだり聞いたりするとき、イメージを構築し、脳の奥深くにある視覚を司るハードウェアを活用できるように練習しよう。言葉でものごとを記憶しようとすると、脳の動きが鈍り、もっと良い使い方ができるエネルギーを浪費してしまう。(デイヴ・アスプリー)
デイヴ・アスプリーのシリコンバレー式超ライフハックの書評を続けます。本書には様々なハイ・パフォーマーが登場します。その中の一人、マティァス・リビングはスウェーデンにおける脳トレーニングの第一人者で、1度に1000個の数字を記憶できると言います。マティァスは元々記憶力が良かったわけでありませんでしたが、記憶力は改善できると知り、脳を鍛え、短期間で結果をだしたのです。
マティァスはどうやって記憶力を鍛えたのでしょうか?
基本は、言葉よりイメージで考える方法を脳に教えることだ。そのためには視覚化のスキルを向上させるトレーニングが必須になる。イメージを視覚化すると、情報は脳の記憶装置のところまで近道をする。短期記憶をすっ飛ばして長期記憶の保管場所に直行してくれるので、定着しやすくなる。
私たちは視覚を使って、イメージすることで、記憶を定着できるようになります。
五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のうち、視覚が脳にとって最も重要なのは、最も密接に生存に結びついているからです。五感とともに働くニューロンの4分の3は視覚と結びついていることがわかっています。新しい情報を吸収する方法としては視覚化が最も効果的だと言えます。
音で情報を吸収しようとして何度も声に出すとき、脳は一度にごく少量のデータしか受け入れない。イメージで学ぶときには、もっと多くの情報をもっと速く吸収する。
人は聴覚を活用して、記憶をしようとしますが、イメージの力を活用した方が効果があります。たとえば、新聞を読むとき、音読すると同時に、記事の内容を映画のように視覚化してみるのです。登場人物をイメージし、記事に書かれていることを脳の中で、ストーリにしていくことで、記事の内容を記憶できます。
その際、無意識ではなく意識的にイメージを思い浮かべるほうが、細部まで詳細に記憶できます。この視覚化トレーニングを何度も繰り返すうちに、イメージが自動的に浮かぶようになります。この「視覚化記憶術」を新しい習慣にすることで、様々な情報を脳に定着できるようになります。
「視覚化記憶術」を身につけよう!
私も初対面の人と話すときに、出身地や仕事の内容、好きな本、趣味などを質問します。脳の中でその人のストーリーを視覚化することで、脳に印象が刻まれ、記憶に残せます。ただ名刺交換するよリも、その人の話を聞き、それを視覚化する方が遥かに効果的です。
この視覚化記憶術は簡単なものから始めるとよいとのこと。目を閉じて、身近な物を視覚化してみましょう。たとえば、対象に犬を選んだら、最初に頭に浮かんだ具体的な犬種をイメージします。視覚化するときは、最初に頭に浮かんだものからスタートし、そこからイメージをどんどん拡大していきます。拡大を続けながら、細部まで詳しくイメージすることで、脳の中で情報がつながります。
また、視覚化は三次元の立体にすることが重要です。立体化することで、平面的なイメージより長く脳に残ります。マティアスによれば、視覚化記憶術を習慣化することで、数字や難解な数式まで記憶できるようになると言うのです。
言葉には限界がある。どんなにたくさんあるとしても有限だ。しかし、イメージは無限なのだ。
イメージと同様に、脳のハードウェア、ソフトウェア、配線をアップグレードすれば、自分の脳の可能性を広げられます。 ポッドキャストやオーディオブック、ラジオを聴くときには、目を閉じて、視覚化トレーニングを行いましょう。目を閉じると、脳にアルファ波が出ることがわかっています。ただ聞き流すだけでなく、聴覚、アルファ波、イメージの力を活用することで、脳の力を引き出せ、創造性がより鍛えられます。
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