コントラストのワナに注意しよう!自分よりよい男と合コンに参加しない方が良い理由。


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Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法
著者:ロルフ・ドベリ
出版社:サンマーク出版

本書の要約

比較対象がある時に、人は冷静な判断ができなくなります。この「コントラストのワナ」によって、人は間違った選択をしがちです。ローンで家を買う時に高い車や家具を買ってしまったり、ディスカウントスーパーで極端に値段の下がった商品を買ってしまうのも、このコントラストのワナのせいなのです。

コントラストのワナとは?

あるものを見たときに、その横にそれより醜いもの、安いもの、小さいものといったように、比較するものがあると、比較するものがないときよりも、さらに美しく、高く、大きく感じてしまう。そのため、純粋な価値を判断するのが難しくなる。「コントラストのワナ」は、さまざまな場面に登場する落とし穴である。(ロルフ・ドベリ)

大きな買い物、例えば、家を買う時など、それに付随するコストが安く見えてしまいます。住宅ローンを組む時に、多くの人は車を購入しますが、これは純粋は判断ができなくなっているからです。4000万円の住宅ローンの前では、500万円の車や100万円の家具のローンが小さく見えてしまうのです。車や家具を買う時よりも、家を買う時には金銭感覚がおかしくなり、高いモノを買ってしまいます。このように比較対象がある時に、冷静な判断ができなくなることを「コントラストのワナ」と呼びます。

実験によると、食料品を1000円節約するためなら10分間歩くのをいとわない人が多いことがわかっています。ところが、目の前にある9万9900円のスーツと同じものを別の店で 1000円安く売っていたとしても、それを買うのに10分間歩こうとはしないそうです。10分間は10分間ですし、1000円は1000円なのに、理屈に合わない不合理な行動を私たちは取ってしまうのです。

ディスカウントストアでも、「コントラストのワナ」に人は騙されます。「1万円から7000円に値引きされた商品」は、「常に7000円で売られている商品」よりも、買うと得をするように感じられます。もともとの値段がいくらであったかは、おそらく問題ではないのです。比較する価格があることで、私たちの購買行動は変わります。チラシや特売の金銭表示によって、私たちはついつい買い物をしてしまうのです。モノを買う際には本当に自分が必要なのか?その価格は適正なのか?を冷静に判断しましょう。

合コンには自分より容姿の良い男性とは行かない方がよい理由

小さな差や穏やかな変化には、なかなか気づけない鳥が銃声に反応するように、わたしたちは「コントラスト」につい反応してしまう。対比するものを見せられただけで、舞いあがり、ジタバタする。けれども、大きな差にはすぐに反応するが、小さな差や緩やかな変化にはなかなか気づかない。

私たちはインフレによって自分の貯金の価値が少しずつ低くなっていても、数字が緩やかなために反応が薄くなります。変化が急激ではないために、貨幣価値が絶えず下がり続けていても、そのことに気づかないのです。しかし、急に法律が変わり、同じ金額を税金で取られれば、怒りがこみ上げてくるはずです。

女性も男性もこのコントラストのワナに引っかかります。合コンに行く時に、自分より容姿の良い男性を連れて行くことは得策ではありません。合コンで女性を引き寄せたいなら、自分よりも容姿の悪い友人と出かけるようにすべきです。自分の隣に引き立て役を連れて行った方が、合コンの成功確率が高まります。

このように比較対象があることで、私たちは判断を間違えてしまいます。本書には影響力の武器の 「影響力の武器」の一節が紹介されています。シドとハリーの兄弟は洋服店を営んでいます。シドは鏡の前に立っている客が試着したスーツを気に入ったと気づくと、耳が遠いふりをします。客が値段を聞くと、シドはハリーに向かって大声で値段を聞きます。すると、ハリーは42ドルと回答します。シドは値段が聞こえないふりをして再度確認すると、ハリーは再び42ドルと答えます。

シドは聞こえなかったふりをして、客に値段を22ドルだと伝えます。すると、客は素早く22ドルを支払い、シドが間違いに気づく前に店を出て行きます。こうしてシドとハリーはもともと22ドルのスーツを定価で売ることに成功したのです。あまりいい事例ではありませんが、人はコントラストのワナにこうして陥ってしまうのです。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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