世界最高の雑談力―「人生最強の武器」を手に入れる! 「伝説の家庭教師」がこっそり教える一生、会話に困らない超簡単50のルール
岡本純子
東洋経済新報社
本書の要約
世界のスーパーエリートは、話し相手を「いい気分にさせること」を優先し、コミュニケーションを行なっています。「質問→聞く→質問→聞く→時々自分の話をする」というサイクルを回し、相手に話してもら会う時間を増やしましょう。雑談によって「感情の共有」をすることで、相手との距離を一気に縮められます。
「『ど』×『5W1H』」×『3お』」の方程式を活用しよう!
「あなたが好き」という気持ちは、「あなたといるときの私が好き」という意味だということです。その人といると、いい気分になれる。勇気や元気が出る、特別な気分になれる。その人が自分に与えてくれる力こそが、好意の源なのです。(岡本純子)
昨日のブログで五百田達成氏の超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築けるを取り上げましたが、今日も雑談の書籍を紹介したいと思います。
本書の著者の岡本純子氏は「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジストですが、彼女が今まで日米のスーパーエリートから学んだスキルが惜しげもなく、私たちに伝えてくれています。
超一流のグローバルエグゼクティブのの雑談・会話スタイルにはいくつかの共通点があります。彼らは「その人と話しているときの私が好き=いい気持ちになれる」という気持ちで人に接します。彼らは話し相手を「いい気分にさせること」を優先し、コミュニケーションを行なっています。
コミュニケーションにおいて大事なのは、「何を言うか」より「(相手を)どんな気分にさせるのか」。
私らちは「話すこと」ではなく、相手の話を上手に引き出すことをもっと意識すべきです。雑談する際には、相手を主人公にして、目の前の人に話してもらう環境を整えるようにします。
ハーバード大学の神経学者が被験者の脳をMRlで調べたところ、自分のことを話すとき、食事やセックス、お金やドラッグなどと同様に、「快楽ホルモン」ドーパミンを分泌するシステムが活発化することがわかりました。
相手の話を傾聴することで、人間関係がよりよくできるのですから、まずは相手に話してもらうようにするのです。そのために、まずは上手に質問をし、相手に話をしてもらいながら、自分の話を織り交ぜるようにします。
最初に「質問」を投げて、話を聞くことで、相手に「いい気分」になってもらえます。著者は質問の型である
「『ど』×『5W1H』」×『3お』」の方程式を活用することで、会話が弾むようになると言います。
①どんな〇〇が、お好きですか?
②どんな〇〇が、おすすめですか?
③〇〇について、どう思いますか?
④どうしたらいいと思いますか?
⑤調子はどうですか?
⑥どこの出身ですか?
「質問→聞く→質問→聞く→時々自分の話をする」というサイクルを回す!
気持ちの自己開示、つまり、気持ちや感情を共鳴し合うことによって、人間関係はいっきに深まるからです。この質問で相手の秘めた感情を引き出すことができれば、距離はぐんと縮まります。
ハーバード・ビジネス・スクールの研究によると、質問の種類は次の「4つのモード」に分けられるそうです。
①「調子はどうですか?」「元気ですか?」などの「導入質問」
②言われたことと同じ内容をオウム返しで聞く「聞き返し質問」
③相手の答えをさらに深掘りする「フォローアップ質問」
④話題を変える「ギアチェンジ質問」
「質問→聞く→質問→聞く→時々自分の話をする」というサイクルを回し、相手に話してもら会う時間を増やしましょう。自分が話す量を、話したい量の8割ぐらいに押しとどめる「話八分目」を目指すと、結果的に、話す量が「相手6:自分4」ぐらいになります。雑談によって「感情の共有」をすることで、相手との距離を一気に縮められます。
大事なことは人を見ることだ。あなたのためにドアを開けてくれる人、あなたにコーヒーを注いでくれる人……。その存在を認め、敬意を表すことだ。(ビル・クリントン)
興味のベクトルの方向性を「自分」から「相手」へと転換し、会話の際には相手にフォーカスを向けるようにします。
「承認(みとめる)」「共感(きょうかん)」「賞賛(ほめる)」「感謝(かんしゃ)」の「ミカンほかんの方程式」を相手との会話で活用するようにしましょう。感謝や褒め言葉を組み合わせることで、よい感情が相手に伝わるようになります。
相手の話す時間を増やし、感情をこめて、感謝の言葉を伝えたり、誉めることで、相手から好かれるようになります。「質問→聞く→質問→聞く→時々自分の話をする」というサイクルを上手に回し、相手に会話に主人公になってもらうのです。
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