ヘンリー・ミンツバーグのこれからのマネジャーが大切にすべきこと 42のストーリーで学ぶ思考と行動の書評


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これからのマネジャーが大切にすべきこと 42のストーリーで学ぶ思考と行動
著者:ヘンリー・ミンツバーグ
出版社:ダイヤモンド社

本書の要約

今回のコロナ禍の中で、コミュニケーションの機会が減っています。自宅に閉じこもり、一人で思考するだけでは視点が狭くなり、面白いアイデアが生まれずらくなります。Zoom会議で雑談を軽視するとチャンスを失います。積極的にオンライン会議でも雑談を行い、新たなビジネスのヒントを見つけるようにしましょう。

ネットワークとコミュニティの違いとは?

「ネットワーク」と「コミュニティ」の違いを知りたければ、フェイスブックの「友達」に家の壁のペンキ塗りをお願いしてみればよい。ネットワークは人と人の単なるつながりにすぎないが、コミュニティは人と人が助け合う場だ。(ヘンリー・ミンツバーグ)

経営学者でカナダ・マギル大学経営大学院のヘンリー・ミンツバーグ教授は、ネットワークとコミュニティの違いを助け合いにあると言います。ネットワークはただの交流の場でしかなく、何かアクションを起こしたければ、助け合いが日常的に行われるコミュニティに所属すべきです。

ソーシャルメディアが登場して以来、私たちは誰とでもつながれるようになりました。人的ネットワーク拡大し、いつでもどこでもコミュニケーションをはかれるようになり、便利を手に入れました。しかし、私たちはその代償として、チャットやメールに時間を使うようになり、生身の人間同士のコミュニケーションを減らしています。

iPhoneやソーシャルメディアに時間を奪われた結果、私たちは内省することを忘れています。自分との対話の時間を減らすことで、ゆとりを失い、アイデアを生み出せなくなっています。人とのリアルなコミュニケーションが減ることで、イノベーションも起こりずらくなっています。

今回のコロナ禍によって、リアルでの人との出会いが少なくなることで、コミュニケーションの質も低下しています。Zoomでのコミュニケーションが増える中で、雑談の機会が減っています。Zoom会議では、効率が優先され、「無駄話」が許されない雰囲気があります。

ビジネスは雑談から始まると言われていますが、オンライン会議が増え、雑談をする機会が少なくなる中で、他者からのフィードバックを得たり、新たなビジネスを見つけるチャンスを私たちは失っているのです。

雑談をオンライン会議にも取り入れよう!

昨日、犬塚荘志氏の紹介で著者の守屋実氏とZoom会議を行いました。守屋氏の新刊の起業は意志が10割を献本いただいたのですが、その本について3人で語り合いました。本の感想をお伝えするだけでなく、様々なテーマで雑談するうちに、新たな気づきを得られました。お互いのネットワークの重なりも多く、今後ご一緒することを約束し、Zoomを終了しました。(起業は意志が10割の書評はこちら

雑談によって脳が刺激され、アイデアが生まれることが多いのですが、Zoom会議で効率を優先し、雑談を軽視するとチャンスを失います。一人で思考するだけでは、視点が狭くなり、面白いアイデアが生まれずらくなります。

信頼している犬塚氏の紹介で、今回守屋氏と初めて話しましたが、お互いの共通点が多かったため、起業やビジネスについて、有意義な情報交換ができました。ソーシャルメディアのチャットでやりとりするよりも、このように気軽にZoomで雑談する方が、よい結果を得られます。

ジャーナリストのトーマス・フリードマンは、2011年の「アラブの春」のときに、エジプトの首都カイロで起きた民主化デモについてエジプト人の友人が語った言葉を紹介しています。

フェイスブックは、確かに人々が連絡を取り合う助けにはなったけれど、力を合わせる助けにはならなかった。さらに、ひどい場合は、ソーシャルメディアに没頭するあまり、行動しなくなってしまうことさえあった。

コロナ禍の中、コミュニケーションの質が低下していますが、Zoomを上手に活用することで、新たなアクションを起こせます。ソーシャルメディアやチャットには限界があると考え、時にはZoomで「雑談会議」を行いましょう。雑談によって、自分の価値を他者に提供できるチャンスを見出せます。

緊急事態宣言が続き、リアルで新たな出会いを生み出せない中、チャットやメッセンジャーとZoomを上手に活用することで、結果を出せるようになります。

オンライン会議が主流になる中で、ビジネスパーソンは様々なコミュニティに所属しておいた方がよさそうです。会社という閉じた世界を飛び出し、お互いの価値を交換できる場を持つようにしましょう。自分の信頼できる仲間が紹介してくれた人とオンラインで「雑談会議」を行うことで、新たなコミュニティが築けます。オンラインでも弱い紐帯の強みを活用できるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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