時間最短化、成果最大化の法則――1日1話インストールする"できる人"の思考アルゴリズム(木下勝寿)の書評

brown analog clock
時間最短化、成果最大化の法則――1日1話インストールする"できる人"の思考アルゴリズム
木下勝寿
ダイヤモンド社

本書の要約

私たちはスキルアップを目指しますが、スキルはどれだけ磨いても、新人とベテランでも差は3倍程度にしか過ぎません。一方、「思考アルゴリズム(考え方のクセ)」は「1:50」と、その差は50倍にもなると著者は指摘します。これを掛け合わせると150倍の差が生まれます。

結果を出すために、思考アルゴリズムを変えよう!

成果を上げ続ける人は、スキル3×「思考アルゴリズム」50=成果150。 つまり、150倍の差をもって現実世界に立ち現れるのだ。(木下勝寿)

たった一人で資本金1万円で創業し、わずか15年で「北の達人コーポレーション」北の達人東証プライムに上場させのが木下勝寿氏です。著者は自分が生み出した最短時間で最大の成果を出す方法を45の法則にまとめてくれました。

私たちはスキルアップを目指しますが、スキルはどれだけ磨いても、新人とベテランでも差は3倍程度にしか過ぎません。一方、「思考アルゴリズム(考え方のクセ)」は「1:50」と、その差は50倍にもなると著者は指摘します。これを掛け合わせると150倍の差が生まれます。

この「思考アルゴリズム」は「考え方」なので、すぐに変えることが可能ですし、1回インストールすれば、すぐに、何度でも使えるようになります。

仕事が遅い人は、「後でじっくり考える」ことを前提に打合せをしています。 一方、仕事が速い人は「ピッと思いついたらパッとやる」(ピッパの法則)を実践しています。打合せが終わった直後にすぐに実務に着手する前提で、仕事が速い人は打合せをしているのです。彼らは打合せ直後に着手するのでアイドルタイムがなく、記憶が鮮明なので仕事の精度も高くなります。

仕事が遅い人は、じっくり考え、後でやるというスタイルの仕事のやり方を変え、アウトプットをイメージしながら、すぐに着手するようにしましょう。ミーティング後のタスクを明確にし、何をすべきかを決めるまでミーティングをやめないようにしましょう。絶えず成果を意識し、相手との擦り合わせを行うようにするのです。

著者は有名な緊急度と重要度のマトリックスを実践した上で以下のルールを設定し、パフォーマンスを高めています。
・10分以内に完了→今すぐやる
・30分以内に完了→今日中にやる
・1時間以内に完了→明日中までにやる
・1日以内に完了→2週間以内にやる。
・やる日を決めるすぐにやる価値のないもの→「やらない」と決める

私も自分がやらないと決めたことには時間を使わないようにしています。仕事の質を高め、早く終わらせるために、不得手な分野は優秀な人と協業するようにしています。

10回の法則を信じて、行動しよう!

期限に遅れないためには、次の3つのことを意識し、早めに着手しましょう。
1、スタート自体を早める・・・…「いつ、何をしなければならないか」がわかっているものは、常に想定外の事態が起こるという前提で余裕を持った日程でスタートする。

2、順番を入れ替える……何かのスタートを早めるには、何かのスタートを遅らせる必要がある。「タスクがきた順」ではなく「締切順」にスタート時期を入れ替える。

3.、分割して進行する・・・…1、2でも間に合わないときはタスクを分割。同時並行で進め、後で統合するよう業務フローを見直す。

大きなタスクの場合には、タスクを細切れにし、いつまでに終わらせるかを考えるようにします。企画書を作成する場合も、まずはフレームを作成し、足りない情報を集めることから始めます。この準備をしておくと仕事が早く終わるだけでなく、インプットとアウトプットの質が高まります。

私たちは結果を出すためにもっとアクションを起こすべきです。著者は「10回に1回の法則」を信じ、思考と行動を変えるべきだと言います。

世の中は「10回本気でやれば、誰でも1回成功するようにできている」という法則だ。 私はこれまで「10回本気でチャレンジ」して成功していない人を見たことがない。 それまで、うまくいくかどうかは能力に関係していると思っていた。ところが、能力が高かろうが低かろうが、すべての人が「本気で10回やれば9回失敗、1回成功」という比率になっていることがわかった。さらに研究すると、人の3倍成功している人は、人より成功確率が3倍高いわけではなく、実行回数が3倍というだけなのだとわかった。

多くの人は途中で諦めてしまいますが、成功している経営者は大量行動によって、成功確率を高めているのです。

また、プロ経営者は何があってもお客様目線を持ち続けていると著者は指摘します。彼らはお客様目線で見ているだけでなく、お客様目線で見たときに「よくない」点があれば、その場で指摘し、完壁になるまで 「こうすべきだ」と言い続けます。

仕事において大切なのは、「どれだけ一生懸命やったか」ではなく、「どれだけお客様の役に立ったか」なのです。顧客体験を高めることを日々実践することが成功の秘訣です。

『成長とは「理想の自分」と「今の自分」とのギャップを埋めることで、つけ足しではなく変化が必要だ』という著者の言葉が響きました。 今の自分を維持したままでは絶対変われないと考え、過去の実績を捨てることやアンラーニングが必要になります。

「今の自分」から「理想の自分」になるために、「何が成長を邪魔しているのか」と検証し、変化のための投資を忘れないようにしましょう。


Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました