THE FORMAT(石倉秀明)の書評

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THE FORMAT
石倉秀明
サンマーク出版

本書の要約

書く力を身につけることで、自分を希少な存在に変えられます。「書く・読む」のコミュニケーションスキルを高めることで、働く場所を選ばずに、どこにいても働けるようになります。働き方が変わる中で、自分のキャリアアップをはかるためには、テキストコミニケーションのスキルが欠かせなくなっています。

書く力を養うための9つのフォーマット

これまでの働く上での「コミュニケーションの方法」は「話す、聞く」が主流でした。それが、これからは「書く、読む」に変化していきます。(石倉秀明)

時代が変化し、書く読むのテキストコミュニケーションを使う場が増えており、ビジネスパーソンはこのスキルをアップする必要があります。

リモートワークなどワークスタイルの変化により、私たちのコミュニケーションは「話す、聞く」から「書く、読む」のテキスト(チャット)ベースに変わり始めています。営業パーソンが場の空気を活用し商品やサービスを売り込むことむ難しくなっていますし、上司と部下のコミュニケーションも今後、対話型からチャットにシフトしていくはずです。

実際、SlackやNotion、Google Docsに文章をストックすることで、ノウハウが溜まりますし、場所や時間を気にせずにコミュニケーションができるようになります。暗黙知を形式知に変えることが、テキストコミュニケーションによって実現できます。また、書くことを習慣化することで、考える時間を増やせるメリットも得られます。

今後、「書く力」がビジネスパーソンの市場価値が左右します。書く力があるかどうかで、生産性も、意思決定の質も、優秀な人をチームに加える力も変わってしまいます。私たちは今こそ書く力を養う必要があるのです。

著者はそのための9つのフォーマットを明らかにしてくれました。
・フォーマット1【困った時はこれ!】 確実に伝わる万能フォーマット
・フォーマット2【人を動かす】 指示のフォーマット
・フォーマット3【込み入った説明が簡単にできる】 説明のフォーマット
・フォーマット4【選択肢の中から、方針を決定したい】 相談のフォーマット
・フォーマット5【定例会議報告】 作るだけで、TODOリストにもなるフォーマット
・フォーマット6【業績報告】 変えられない数字を「良く見せる」フォーマット
・フォーマット7【会議のアジェンダ】 配るだけで、アイデアが出るフォーマット
・フォーマット8【承認】 忙しい上司に簡潔に話せるフォーマット
・フォーマット9【企業理念】 伝えるだけでなく、行動させるフォーマット  

この9つのフォーマットがあれば、仕事で文章を書くときの、ほとんどのシチュエーションを網羅できます。 何かを書くことになったら、9つのフォーマットの「どれ」を使うかさえ決めれば、あとはそれを埋めていくだけで、よい文章が書けるようになります。

書く力を身につけることで、自分を希少な存在に変えられる!

「書く」ことの、もうーつの大きなメリット。それは、書けば書くほど、周りから信頼されるということです。

アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱した「単純接触効果(ザイアンスの法則)」を書くことを習慣化することで得られます。相手に対する好感度は接触回数に比例して高まりますのですから、話すだけでなく、書く・読むのコミュニケーションをビジネスに取り入れましょう。

私たちはSNS、チャットやメールでのやりとりでも、同じように「単純接触回数」を増やせます。チャットやSNSのコミュニュケーションを活用することで、信頼関係を築けるのですから、積極的に活用すべきです。私もSlackやメッセンジャーでのコミュニケーション頻度を高めることで、この効果を実感しています。

毎朝、私はこの書評ブログを書いていますが、朝の1時間を書くこと、考えることに使うことで、さまざまな情報が脳の中でつながり、アイデアが次々に浮かぶようになりました。浮かんだアイデアや元ネタのブログ記事をクライアントやパートナーにメッセンジャーで共有することで、お互いのパフォーマンスを高めています。コミュニケーションの量をチャットやSNSで増やすことで、お互いへの信頼が深まります。

「書く、読む」では、伝える能力や整理する能力も大切ですが、最終目的は「きちんと伝え、わかってもらうこと」です。さらに、テキストをやりとりするうち、その内容だけでなく、発信者であるお互いを理解し、好印象を抱き、信頼していくことも、大きな目的です。

チャットでのコミュニケーションは1回で終わらせる必要はありません。いろいろな情報を詰め込んでわかりづらくするようりも、何度もやりとりした方がよい結果を得られます。連絡ではなく。対話形式のテキストコミュニケーションを心がけるのです。

地図を書くように文章を書くと読みやすくやすなります。以下の点に留意しながら文章を書くようにしましょう。
●今いるところ→現状報告
●行き先→目的
●かかる時間→締め切り
●目印→論点、気をつけること
●予想される注意点→メリット、デメリット

著者は「確実に伝わる万能フォーマット」を明らかにし、これをさまざまなシーンで応用することで、相手とのコミュニケーションを改善できると述べています。
1、この文章を、何のために書くのか?
2、この文章を誰が読むのか?
3、今日、相談したいこと
4、現状はこうなっています
5、問題はこれです
6、こういう対策をしようと思っています
7、判断してほしいこと
8、いつまでに返事が欲しいか

チャットでのコミュニケーションは出来るだけ抽象的な話ではなく、具体的に行うようにしましょう。 事実と印象と意見を分けたり、数字を入れて説得力を上げると、上司や同僚からの信頼も増します。社内やクライアントとのコミュニケーションをよくすることで、仕事で結果を出せるようになります。

リモートワークによって、「書く、読む」が仕事のコミュニケーションの中心になっていくことで、丁寧に伝えること、考えをすべて発すること、相手の言葉をしっかり受け止めることをサボれなくなりました。その変化に対応するため、1人1人が働く環境や意識を変える必要があります。

書く力を身につけることで、自分を希少な存在に変えられます。「書く・読む」のコミュニケーションスキルを高めることで、働く場所を選ばずに、どこにいても働けるようになります。働き方が変わる中で、自分のキャリアアップをはかるためには、テキストコミニケーションのスキルが欠かせなくなっています。本書のフォーマットを参考にしながら、「書く・読む」のスキルを習得しましょう。


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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