教養としての歴史小説(今村翔吾)の書評

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教養としての歴史小説
今村翔吾
ダイヤモンド社

本書の要約

教養は、知識を単に蓄えることではなく、それを実際の生活や社会で応用する能力を指します。 そして、その教養を磨く上で最も重要なのが「歴史」だと著者は述べています。歴史により過去の出来事や人々の行動や決断を学ぶことで、現代の社会やビジネスの課題に対する洞察を得ることができます。

なぜ、歴史小説を読むのか?

今は社会の変化が激しく、一度身につけた知識やスキルが簡単に陳腐化する時代であり、価値観が多様化している時代でもあります。 そこで生きていくためには、知識を「創造」に結びつける力や、幅広い物事に適応する「感性」、人間的な「魅力」といったものを高めておく必要があります。 そうした時代に求められる能力が、「教養」という言葉に象徴されているのです。 私は、教養を高める最も有力な手段は、歴史に学ぶことだと思っています。(今村翔吾)

このブログではビジネス書の書評を日々、書いていますが、実は私は歴史小説やハードボイルドも大好きで、小説にも多くの時間を割いています。宮城谷昌光や和田竜、山岡壮八などの作品を何度も繰り返し、読み返しています。そんな私が最近注目しているのが、直木賞作家の今村翔吾氏です。

今村氏の作品は、独特な世界観と深い人間ドラマが魅力です。彼の小説は緻密な描写と情緒的な表現で読者を惹きつけます。特に彼の作品には、時代背景や社会情勢を巧みに取り入れたストーリー展開があり、ビジネスにも応用できます。

その今村氏が教養と歴史小説に関するビジネス書を書いていますので、今日はこちらを取り上げます。現代社会は日々変化し、古い知識やスキルが陳腐化していく今の時代、多様な価値観の中での適応能力が求められます。新しいテクノロジーを理解するだけでなく、それを活用し、多文化や多様な意見に対して柔軟に対応できる感性と、人間としての魅力が不可欠です。これらの要素は「教養」として捉えられます。

教養は、知識を単に蓄えることではなく、それを実際の生活や社会で応用する能力を指します。 そして、その教養を磨く上で最も重要なのが「歴史」だと著者は述べています。

歴史を学ぶことで、過去の出来事や過ち、文化の進化、人間の心理を通じて現代の課題や未来の方向性についての洞察を得ることができます。特に、AIや新技術が急速に進化する中で、過去の技術や社会の変革を学ぶことは、未来の予測や戦略の策定に非常に役立ちます。

歴史小説を通じて得られる知識や視点は、ビジネスの世界でも非常に価値があるのです。歴史の教訓やストーリーは、ビジネスの現場での意思決定や戦略策定に役立てることができるため、経営者やビジネスパーソンが歴史に学び、その知識を活かすことが、現代のビジネス環境での成功の鍵となるでしょう。

歴史により過去の出来事や人々の行動や決断を学ぶことで、現代の社会やビジネスの課題に対する洞察を得ることができます。例えば、過去の戦争や経済危機の教訓を学ぶことで、同じような状況が再び起こらないようにすることができます。

また、歴史の中には成功したビジネスやリーダーシップの事例もあり、それらを学ぶことで自身のビジネスに活かすことができます。 さらに、歴史を学ぶことは、文化や人間の多様性を理解するためにも重要です。歴史を通じて異なる時代や地域の文化や考え方を知ることで、多様な価値観に対して柔軟に対応することができます。これは、グローバルなビジネス環境で成功するためにも欠かせない能力です。

教養を得るための歴史小説の読み方

たくさんの本を読んで得た知識が、ある地点を境に爆発して教養へと変わるときがやってきます。

読書は、私たちの知的な成長の一助となる行為です。ページをめくるごとに、新しい知識や視点が手に入ります。それだけでなく、継続的な読書は私たちの心や魂にも変化をもたらします。 教養を深めることで、私たちの視野は広がり、世界への理解が増します。

私は読書を習慣にすることで、ストレスの軽減や集中力の向上という恩恵を得ています。ブログを知識を共有することで、人的ネットワークを構築できました。

さらに、読書を通じて得た知識は、私たちの日常生活にも直接的な影響を与えます。例えば、様々な背景や文化を持つ人々とのコミュニケーションの際、教養を持つことで共感を示したり、理解し合うことが容易になります。 また、教養を持つことは、私たちの人生の質を向上させる可能性があります。

生きる上での挑戦や困難に直面した際、多角的な視点や思考の柔軟性が求められることは少なくありません。このような時、教養は私たちにとって大きな武器となり得ます。

本を読む行為は、知識の入手手段としての価値があります。だが、純粋にページをめくるだけでは、その知識は私たちの中で生き生きとしない。真の教養を得るには、読書だけでは不十分です。教養とは、読んだ知識を理解し、それを実生活に活かし、さらに深める能力を意味します。 教養を身につけるためには、以下のステップが不可欠です。

・反省と考察
歴史小説から得た知識を単に鵜呑みにせず、自分なりに消化し、反省や考察を重ねること。こうすることで、単なる情報ではなく、真に理解した知識として定着します。

・実践
読んだことを実際の生活や仕事で活用すること。理論だけではなく、実践を通じて知識を身につけることが教養を深めるカギとなります。

・共有と議論
知識を他者と共有し、ディスカッションを重ねることで、新しい視点や理解を得ることができます。このプロセスを通じて、知識はさらに豊かになり、教養が高まります。

歴史小説はタイパが悪いと考える若者がいると思いますが、これは誤解です。長い歴史小説ををあえて読むことが、競合優位性につながるのです。特に長編の歴史小説を読みことで、登場人物の思考法、失敗体験、文化、宗教、地域性など多くの学びを得られます。歴史に時間を使うことで、自分の可能性を広げられます。

私は歴史の知識は”人生のカンニングペーパー”だと捉えています。局面こそ違えど、人はいつの時代も似たような選択に迫られることがあります。

読書は、私たちが様々な時代や文化、社会を旅することができる魔法のようなものです。私たちは、多くの人々が歴史の中で経験してきた悩みや喜び、失敗や成功、戦いや選択を知ることができます。この情報は、私たちが日常生活で直面する問題や選択に対して、別の視点や手段を提供してくれます。 歴史学はまさに、過去の事例や事実を研究する学問です。

歴史を学ぶことで、過去の成功例や失敗例を知ることができ、それを現代の状況や問題に適用することができます。この過去の事例は、現代の問題解決のヒントとして役立つことが多いです。 また、歴史を学ぶことで、異なる文化や価値観、思考の背景を理解することができます。

これにより、人々の選択や行動の背後にある意味や理由を深く理解することができるようになります。 一つの事実や出来事は、それだけで終わりではありません。それは、他の多くの事実や出来事と関連しています。歴史を学ぶことで、これらのつながりを見つけ、それらの関連性を理解することができます。

読書や歴史を学ぶことにより、私たちは自分の知識や視野を広げ、過去の経験や知識を現代に活かすことができます。歴史に興味を持つことで、私たちは過去と現在、そして未来とのつながりを深く理解することができるのです。


 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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