今さら聞けない 副業の超基本:知識ゼロ 経験ゼロから始める (大村信夫,樫村周磨)の書評

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今さら聞けない 副業の超基本:知識ゼロ 経験ゼロから始める
大村信夫,樫村周磨
朝日新聞出版

今さら聞けない 副業の超基本:知識ゼロ 経験ゼロから始める (大村信夫,樫村周磨)の要約

副業は、単なる収入の補完にとどまらず、本業では発揮しきれない個性や価値観を表現できる「自己実現とキャリア形成の実験場」です。リスキリングによる学び直しや、戦略的な時間の使い方によって、副業は本業にも好影響を与える学びと出会いの機会をもたらします。本書は、知識ゼロ・経験ゼロからでも安心して始められるよう、副業の始め方から継続のコツ、実務上の注意点までを網羅しています。

キャピタル×リソース×スキル×マインドで副業を最適化する!

自分の”持ち物の棚卸し”からはじめる。(大村信夫,樫村周磨)

今から14年前、私が48歳だった頃、一冊のビジネス書を出版する機会をいただいたことをきっかけに、私の副業人生が幕を開けました。当時、副業という概念は今ほど社会に浸透しておらず、企業の多くは「副業禁止」を就業規則に掲げているような時代背景でした。

社外で活動することにはリスクがつきまとい、ましてや発信するなど、ためらいを感じる人も少なくありませんでした。 それでも私は、自分の中に湧き上がる「伝えたい」「発信したい」という衝動を抑えることができませんでした。

本を書き、雑誌に寄稿し、講演の機会をいただくなど、できることから始める。実績や人脈がほぼゼロの状態からのスタートでしたが、むしろそれが原動力になりました。自分の言葉で、自分の視点で社会とつながる——その積み重ねが、のちのキャリアを大きく変えることになるとは、当時の私はまだ想像もしていませんでした。

アウトプットを重ねていく中で、私はある重要な事実に気づきました。アウトプットは、最大のインプットであるということです。何かを学んだら、それを人に話してみる。記事として発信してみる。言語化のプロセスを通じて、情報は知識へと変わり、曖昧だった理解が自分の言葉になって定着していくのです。

そのプロセスを繰り返すうちに、SNSやブログを通じて私の存在を見つけてくれる人が増えていきました。メディアの編集者やイベントの主催者が声をかけてくれるようになり、小さな発信がやがて仕事の機会へとつながっていきました。副業とは、準備が整った人だけに許されるものではなく、「まず始めてみる」という姿勢がすべての起点になるのだと、私はこの過程で学んだのです。

数年後、企業の社外取締役やアドバイザーとしての役割を担うようになり、現在では大学の特任教授として教育の現場にも関わらせていただいています。振り返ればすべてが、副業を通じて得た経験と信頼の積み重ねでした。

副業とは、単なる収入の補完ではなく、自分という存在の可能性を広げていくキャリアデザインの実験場であり、人生を再構築するための「越境」の入口だったのです。

副業を実践する“片付けパパ”こと大村信夫氏と、採用のプロ・樫村周磨氏による今さら聞けない 副業の超基本:知識ゼロ 経験ゼロから始めるは、副業の始め方はもちろん、継続するための考え方、実務上の注意点までを網羅した実践的な一冊です。

副業は、単なる「お金を稼ぐ手段」ではありません。 それは、本業では発揮しきれない個性や価値観を表現する場であり、自分らしい生き方を試行錯誤するための実験のフィールドでもあります。 本書は、副業に興味はあるものの不安や迷いを抱える方に寄り添い、知識ゼロ・経験ゼロからでも無理なくスタートできるよう構成されています。

また、副業は「今を補う収入源」にとどまらず、将来に備えて選択肢を広げておくという意味でも、リスクの少ないキャリア投資だと言えます。 とはいえ、ただ始めるだけでは成果につながりません。副業を実りあるものにしていくためには、自分の中にあるリソースを正しく見極め、それをどのように活かし、社会と接続していくかという戦略的な視点が求められます。

その際、有効な考え方の一つが、キャピタル(知見・実績)×リソース(資源)×スキル(能力)×マインド(意欲)という掛け算のフレームです。

キャピタルとは、これまでに培ってきた専門性や実績の蓄積です。社外から評価される要素であり、信頼の根拠にもなります。リソースは、時間、人脈、環境、情報など、自分が現在活用可能な資産のことです。

そしてスキルは、実務的な能力や技術、資格などになります。最後に挙げるマインドとは、「やってみたい」「挑戦したい」という内側から湧き上がる意欲や動機を指します。これこそが、自発的に行動し、継続するための原動力になります。

キャピタル、リソース、スキル、そしてこのマインドが組み合わさったとき、副業は単なる副収入の手段ではなく、自分の価値を社会に示すための実践的なプロジェクトへと進化します。副業は、与えられた枠を超えて、自分自身を再定義するためのプロセスなのです。

副業が人生をアップデートする!

今持っている知識の多くは遠くないうちに通用しなくなるリスクをはらんでおり、それに備えるためのリスキリングは少なからず必要なものと言えます。

副業を持続可能なものにしていくためには、やはり「リスキリング=学び直し」の姿勢が欠かせません。新しい領域に挑戦する以上、一定の情報やスキルのアップデートは不可避です。テクノロジーやビジネス環境が絶えず変化する中で、学び続けること自体が価値になりつつあります。

ただし、知識をインプットするだけで満足してしまうと、それは自己完結に終わってしまいます。大切なのは、その学びを実際に使う前提で取り組むことです。ここで意識したいのが、「アクティブラーニング」の考え方です。これは、学んだ内容を実践で活用することで理解を深め、定着させていく学習アプローチです。

たとえば、学んだ内容を誰かに説明してみる。あるいはSNSやブログなどで発信してみる。実際の副業の中で試してみる。そうしたアウトプットを通じて、知識はただの情報ではなく、自分の言葉と経験が融合した「実践知」へと変化します。曖昧だった概念が自分の中にしっかりと根づき、それが次の行動を生み出す起点になります。

副業の成果は、学びの量ではなく、「使った学びの質」によって決まると言っても過言ではありません。使う前提で学ぶこと。アウトプットを繰り返すこと。これこそが、継続的に成長するための最短ルートなのです。

一方で、「時間がない」という声も非常によく耳にします。確かに、本業や家庭、プライベートで手一杯という方も多いでしょう。ただし、時間は与えられるものではなく、見直し、設計し直すことで自らつくり出すことができます。

たとえば、朝の高い集中力を要する時間帯には企画や思考を伴うタスクを、夜はルーティンワークや軽い作業に充てることで、時間あたりの生産性は大きく変わってきます。

また、移動時間には音声コンテンツで情報をインプットしたり、SNSやスマートフォンの使用を意識的に制限したりすることで、一日に30分以上の“余白”を生み出すことも十分に可能です。 さらに、業務の中でも見直せるポイントは数多く存在します。

定型業務の自動化、会議時間の短縮、デジタルツールの整理など、小さな改善の積み重ねが副業時間の確保につながっていきます。副業は時間があるからできるのではなく、時間の使い方を変えるからこそ可能になるのです。

また、副業を通じて得られる学びや人とのつながりは、決して副業の世界にとどまるものではありません。自己投資によって培われたネットワーク、知識、経験は、本業においても確実にプラスに作用します。

むしろ、異なる領域での経験が本業に新しい視点をもたらし、思わぬ成果につながることも多々あります。副業と本業は対立するものではなく、相互に影響し合い、高め合う関係であるということを、ぜひ理解しておいていただきたいと思います。

本書では、副業の導入から実践、継続、そして発展までを段階的に解説しています。税金、契約、情報セキュリティ、賠償リスクといった実務面の注意点も含め、誰もが気になっているけれどなかなか相談できないテーマにも触れています。

さらに、200人への副業体験アンケートをもとにしたリアルな声や、副業制度を前向きに導入している企業への取材内容など、現場に基づいた情報も盛り込んでいます。

副業は、自分の可能性を広げていく挑戦であり、未来の自分を設計するためのプロジェクトです。「自分にはスキルがないから」「経験がないから」と足踏みしている方にこそ、まずは自分自身を正しく理解することから始めていただきたいと思います。

何ができるかではなく、何を活かせるか。何が足りないかではなく、何を組み合わせられるか。その問いの中に、自分だけの副業のヒントが眠っています。

本書は大村信夫氏からご恵贈いただきました。

最強Appleフレームワーク


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

Ewilジャパン取締役COO
Quants株式会社社外取締役
株式会社INFRECT取締役
Mamasan&Company 株式会社社外取締役
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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