プロンプト不要!GPTsで「あなたを知っているAI」を作る方法|『GPTsライフハック』(横須賀輝尚)の書評

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書籍:「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック
著者:横須賀輝尚著 / 灰藤健吾 監修
出版社:技術評論社
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30秒でわかる本書のポイント

【結論】: GPTsとは、あなた専属の「MyAI(相棒AI)」を作る技術です。類まれな天才を無料で雇えるこの時代、長文プロンプトを必死に学ぶ必要はありません。あなたの情報をAIに徹底的に覚えさせることで、「あなたを知っている」唯一無二のAIが誕生します。
【原因】: ChatGPTに挫折してきた人の多くは、プロンプト設計という「入口の壁」に阻まれてきたからだと著者は指摘します。「使えない」と感じる人のほとんどは、正しい使い方をまだ知らないだけで、道具そのものに問題があるわけではありません。
【対策】: 自分の価値観・実績・業務情報をGPTsに徹底的に学習させて「MyAI」を作り込む。そのMyAIを営業・情報発信・経営判断・キャリア・日常生活のあらゆる場面に活用することで、ムダ仕事はゼロになり、悩む時間も消えていきます。

本書の要約

生成AIが使えない理由は、能力の問題ではありません。正しい使い方を知らないだけです。横須賀輝尚氏は本書で、ChatGPTの上位機能「GPTs」を活用して自分専用のAIアシスタント「MyAI」を構築する方法を、エンジニアでも理系出身でもない経営コンサルタントの目線から徹底解説します。プロンプト設計は一切不要。あなた自身の情報をAIに覚えさせさえすれば、営業資料の代筆、経営判断のチェック、キャリア相談、さらには日々のモヤモヤの吐き出し先まで、あらゆることが「秒」で解決されます。生成AI時代の新常識がここにあります。

こんな人におすすめ

・ChatGPTを使ってみたが「一般論ばかりで使えない」と感じてやめてしまった方
・資料作成・メール返信・企画立案など、日々の業務に追われて本来の仕事ができていないビジネスパーソン
・「生成AIは自分には関係ない」と思いつつ、どこかで危機感を抱いている経営者・士業・フリーランス
・プロンプト設計の勉強をする時間がなく、もっと手軽にAIを活用したい方
・自分のキャリアや日々の判断に、気軽に相談できる「壁打ち相手」が欲しい方

読者が得られるメリット

・時間の革命:外注すれば月10万円かかる経営分析や、数時間かかる営業資料の作成が「秒」で完了するようになります
・自分だけのAIが手に入る:誰にでも同じ回答を返す汎用AIではなく、「あなたを知っている」パーソナルな相棒AIが誕生します
・プロンプト学習から解放される:複雑なプロンプト設計をマスターしなくても、すぐに成果が出る仕組みが手に入ります
・判断の質が上がる:経営判断の見落としチェック、キャリアプランの壁打ち、日々のモヤモヤ整理をAIが担ってくれます
・発信力が上がる:ブログ・SNS・提案書など、「あなたが書いたような文章」をAIが代筆してくれます

生産性を向上させるMyAIを使い倒せ!

「MyAI」とは、「あなた特化、あなた専用、あなたのためだけのChatGPT」をあなた自身で作り上げるための、方法の名前です。たとえば、なんだかよくわからないけれど、仕事のモチベが上がらないとき。MyAIに「私のモチベーションの上げ方を教えてください」と聞けば、あなたに最適な方法を教えてくれます。(横須賀輝尚著)

日々、生成AIはアップデートされ続けています。便利になっているはずなのに、「どう使えばいいのか」がかえって見えにくくなった——そう感じているビジネスパーソンは少なくないはずです。特に多いのが、「プロンプトをどう書けばいいのか」という悩みです。

実際のところ、多くの人は生成AIを「高性能な検索エンジン」として使っています。質問を打ち込み、返ってきた答えを参照する。もちろんそれでも一定の価値はあります。ですが、その使い方のままでは、生成AIはいつまでも一般的な便利ツールのままで、これでは宝の持ち腐れです。実は、仕事で効いてくるのは、一般的な回答ではなく、自分の状況に刺さる具体的な解決策を得ることです。

私はGENSPARK、Claude、Gemini、ChatGPTの良いところを組み合わせながら、生産性を上げてきました。また、本書「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハックのテーマであるGPTsも、文章執筆や校正、コンサルティングにおける壁打ちなど、さまざまな用途で活用しています。

本書が掲げる「ムダ仕事」と「悩む時間」を限りなくゼロに近づける、というテーマは、ビジネスパーソンの生産性向上に直結します。結果として、業務の意思決定や実行スピードにも影響します。

本書の良い点は、生成AIの一般論ではなく、現場の課題解決に立脚しているとことです。著者である士業向け経営コンサルタントの横須賀輝尚氏は、技術者向けに最適化された解説ではなく、ユーザー側の視点から「どうすれば業務で再現性のある成果につながるか」を軸に話を進めます。

プロンプトの技巧を競うのではなく、誰でも運用できる形に落とし込む。その姿勢が、本書全体の読みやすさと実用性につながっています。

GPTsとは、ChatGPTに搭載された「自分専用AIを作成する機能」です。通常のChatGPTが汎用的に応答するのに対して、GPTsで作るMyAIは、利用者の情報を前提に応答できるようになります。つまり、同じ質問でも「誰にでも当てはまる答え」ではなく、「その人の状況に合わせた答え」を返しやすくなります。

重要なのは、AIの性能差というよりも、AIが「誰のための情報」をどれだけ持っているかです。汎用AIの弱点は、「一般論になりやすい」点にあります。あなたの仕事の前提、制約条件、社内事情、過去の成功や失敗を知らない以上、答えが平均化されるのは自然です。そのため、どれだけプロンプトを工夫しても、結論が抽象的な正論に寄りやすくなります。この段階で多くの人は、「結局は自分で考えた方が早い」と判断し、利用頻度が下がっていきます。

自分の情報をGPTsに入れておくと、もう細かいプロンプトを入れることなく、自分のことを相談できるようになるのです。

著者が繰り返し強調するのは、「大事なのはプロンプトではなく、あなたの情報を入れること」という一点です。言い換えるなら、AIが状況に即した判断を返せるように、前提情報を先に渡すべきだということです。MyAIについて、著者は次のように定義します。「あなた特化、あなた専用、あなたのためだけのChatGPT」を、あなた自身で作り上げるための方法の名前です。

ここで言っているのは、特別な裏技ではありません。あなたの職業、強み、実績、価値観、過去の具体例など、意思決定に影響する情報をMyAIに蓄積する。すると、同じ質問でも返答の具体性が上がり、検討の精度も上がります。毎回の説明コストが下がり、やり取りの往復も減ります。結果として、業務の中で使える状態に近づきます。

たとえば、仕事のモチベーションが下がったとき、普通のChatGPTに聞けば一般的なアドバイスが返ってきます。それ自体は間違いではありませんが、個別事情を踏まえないため、実行に移しにくいことがあります。MyAIであれば、職種や得意不得意、過去にうまくいった対処法などを前提に、実行可能性の高い提案になりやすくなります。

また、転職直後のように職場の前提がまだ掴めない時期は、一般論よりも「自分が起こしやすいミス」の把握が重要です。MyAIに「自分が仕事でしやすいミスは何か」と聞けば、過去の失敗傾向や思考の癖を踏まえた注意点を整理できます。これは気持ちの問題というより、業務上のリスクを減らすための手段として有効です。

潜在的にというワードが決定を意志決定を左右する?

『MyAIのジャンル』×『理想のキャラ』。これがChatGPT、MyAIをより楽しく活用するための方程式なのです。

さらに本書は、MyAIを「自分仕様」にするだけで終わらせません。使い方の幅を広げる発想として、「キャラ」の設計を持ち込みます。

ここで言う「ジャンル」とは、事業計画の策定、重要な経営判断の検討、営業・マーケティングの設計、対外資料や社内文書の作成、情報発信、採用など、経営活動における用途の切り分けを指します。

一方の「理想のキャラ」は、欲しいアウトプットの条件、すなわち「どの観点で」「どの粒度で」「どの厳しさで」検討させるかという応答スタイルの設計です。

同じテーマでも、たとえば「前提の妥当性を点検する」「反証可能性を探す」「結論だけを要約する」「論点を構造化して不足情報を指摘する」といった役割を与えるだけで、得られる示唆の種類が変わります。

とりわけ意思決定に近い領域では、「見落としの抑制」に価値があります。人は認知できている論点しか検討できません。

「自分の気づいていないことを聞く」ということができるのも、ChatGPTのうまい使い方なのです。潜在的な課題というのは、自分では気づきにくいものです。ですから、「潜在的」という言葉を使いながら、「潜在的なリスクは?」「潜在的に労務上起こるトラブルは?」などとChatGPTに聞いていくと、あなた自身が気づかなかったことにまで、気づくことができるわけです。

本書が強調するのは、「自分では把握できていない論点」を表に出し、検討プロセスに組み込むことです。不確実性が高まる中で、ビジネス上のリスクは、見えている課題よりも、そもそも論点化されていない領域から発生しやすくなっています。論点として定義できなければ、評価も対策も設計できないからです。

その入口として横須賀氏は、「潜在的に」という語を意図的に質問に入れることを提案します。たとえば「潜在的なリスクは何ですか」「潜在的に労務上起こるトラブルは何ですか」と問う。目的は正解を当てることではなく、検討対象を広げ、抜け漏れをなくすことにあります。

経営判断、採用、新規事業、契約といった、見落としが損失に直結しやすい場面ほど効果が出ます。 人は、知っている範囲でしか質問できません。問いの型を少し変えるだけで、思考の幅が広がります。

さらにMyAIは利用者の前提情報を持っているため、提示される論点が一般論に寄りにくく、検討の優先順位や不足している判断材料も整理しやすくなります。

要するに本書の主張はシンプルです。プロンプトの工夫に注力する前に、まず自分の情報を整理して入力すること。次に、用途(ジャンル)と応答スタイル(キャラ)を設計することです。

これにより、必要な情報を短時間で整理しやすくなり、対話を重ねる中で論点の抜け漏れを減らし、意思決定の精度を高められます。生成AIを検索エンジン代わりに使う段階に留めず、業務で徹底活用するためのプロセスが具体的に示されています。

コンサルタント徳本昌大のView

仕事柄AIを使うことも多く、今までの多くの関連書を読んできましたが、プロンプトエンジニアリングを解説する書籍を読んでも、なかなかそのアドバイス通りにAIを使い倒せていませんでした。

しかし本書は違います。「プロンプト設計は一切必要ありません」という表紙の言葉は、まさにその疑念への直接的な回答でした。

横須賀氏はエンジニアでも理系出身でもありません。士業向けの経営コンサルタントとして20年以上、ユーザー側の視点からビジネスを研究し続けてきた実践者です。だからこそ本書の解説は「現場で使える」リアルさに満ちていて、読み進めながら「自分でもできる」という確信が積み上がっていきます。

「私のモチベーションの上げ方を教えてください」「私が仕事でしやすいミスはどんなミスですか?」——この2つの問いかけが、MyAIという概念の本質をすべて語っています。相手を知っているから、的確に答えられる。 これはAIの話でありながら、人間関係の本質でもあるのです。

あなたの情報をAIに徹底的に覚えさせる。たったそれだけで、ムダ仕事も悩む時間もゼロになる。この一点を腑に落とすために書かれたのが本書です。生成AI時代の「習慣」として、まずMyAIを作ることから始める——本書を読み終えた後、私は早速自分だけのMyAI作りに取り掛かりました。あなたにも、ぜひ同じ体験をしてほしいと思います。

本書は、読み終えた後に「ふむふむ」と頷いて本棚に戻す種類の本ではありません。読み終えた直後に、パソコンを開いてMyAIを作りたくなる——そういう一冊です。

🖋 書評:徳本昌大(書評ブロガー・ビジネスプロデューサー)

最強Appleフレームワーク

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

Ewilジャパン取締役COO
Quants株式会社社外取締役
Mamasan&Company 株式会社社外取締役
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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