恒常的な不安感は慢性的なストレスにつながり、私たちの寿命にまで影響を与える。(ロルフ・ドベリ)
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不安な気持ちがあなたの心身に悪影響を及ぼす!
私たち人間は、心配事に心を奪われ、ストレスを抱えがちです。心配事によって、生産性が落ちることもわかっています。カナダの研究チームの次の実験結果を知ると、不安な気持ちが心身に悪影響を及ぼすことを理解できます。研究チームは小さな森全体をネットで覆い、スズメの天敵を締め出し、安心できる環境をつくりました。そして、その森の中に目立たないようスピーカーを数台設置し、森のある部分では「天敵の鳴き声」を、また別の部分では「穏やかな自然音」を流しました。すると、「不快な」鳴き声を聞いたスズメは、自然音を聞いたスズメより、産んだ卵の数がなんと40パーセントも少なかったのです。そればかりか、産んだ卵自体も小ぶりで、孵化した数も少なく、そのうえ鳴き声におびえた親鳥が十分な餌を運んでこなかったせいで、孵化したひなの多くは餓死しました。生き残ったひなも脆弱であることがわかりました。
スズメに当てはまることは、人間にも当てはまります。私たちは敵に対して不安を覚えるだけでなく、ありとあらゆることについてくよくよ思い悩むという特性があります。その結果、慢性的な不安を抱え、間違った判断をしたり、病気になってしまうのです。客観的に見れば、不安を覚える必要性など何もない時でも、人はあれこれ思い悩み、自分の時間を無駄にしてしまいます。
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不安に対する3つの対処法
ロルフ・ドベリはThink clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法の中で、不安に対する3つの対処法を紹介しています。
1、「私の心配ごとメモ」を活用する
2、「保険」をかける
3、「仕事」に精神を集中させる
「私の心配ごとメモ」を書くことで、心配事を減らせます。このメモを書く時間を「1日10分」確保し、気にかかっていることすべてをそこに書き出します。嫌なことを書き出すことで、脳がすっきりし、気持ちが落ち着きます。
心配ごとはきちんと記録されていて、ただほったらかしにされているわけではないと、あなたの脳が認識するからだ。それを日々の習慣にして、毎日新しいページを使うようにする。そうすると、あなたはいつも自分が同じ心配ごとに悩まされているとわかってくるはずだ。
週末になったらその週に書いたことすべてに目を通し、考えられる限り最悪の結果を想像し、それについて集中して考えるようにします。これを繰り返すうちに、たいていの心配ごとは消えてなくなります。様々な可能性を考え、対策を練り、アクションを起こすうちに、心配事は消えてなくなります。
心配ごとをなくすためのもっともスマートな方法のひとつが保険をかけることです。病気や事故の心配を減らすために保険を活用しましょう。保険の真価は、損害が発生したときの金銭的な補償にあるのではなく、保険の有効期間は心配ごとを減らせるという点にあるとロルフ・ドベリは述べています。
「仕事」に精神を集中させることでも、不安を減らせます。
仕事は、心配ごとから気をそらす最良のセラピーになる。仕事への精神集中や仕事で得られる満足感は、瞑想よりずっと不安の抑制に効果的だ。仕事ほど気をそらせられるものはほかにはなかなか見当たらない。
多くの心配事は仕事から生じます。先送りしているタスクを書き出し、それを細く切り刻みましょう。メモに重要なタスクを書き、それをスケジュールにおとします。小さなことを手がけるだけで、気持ちが落ち着きます。行動を始めるうちに、解決のヒントが見つかり、不安な気持ちを解消できます。悩みを書きだし、タスクを整理し、それに集中することで、たいがいの問題は解決できるのです。
まとめ
①「私の心配ごとメモ」を活用する ②「保険」をかける ③「仕事」に精神を集中させる これらの3つの対処法をとれば、あなたの人生の悩みを減らせます。心配事から解放されることで、無駄な時間を過ごさなくなり、自分のパフォーマンスを高められます。
ロルフ・ドベリのThink clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法の書評
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