未来企業 レジリエンスの経営とリーダーシップ(リンダ・グラットン著)の書評とインドネシアのジャパンイベント

未来企業 レジリエンスの経営とリーダーシップリンダ・グラットン
私が今年読んだ中でベストのビジネス書かもしれません。
読み進めるうちに、自分に良い質問を投げかけることができ
自然に自らのスキルを高めようという意志が働く良書です。

インターネットとモバイルの発展で私たちの働き方が大きく変わりました。
グロバール化の進展とITによって、ますます今後世界は小さくなりますし
時間軸もますます短いスパンで多くのタスクをこなさなければなりません。

知的な一部の先進層には大きなチャンスが生まれて
世界中から優秀な人間がNY(金融)やシリコンバレー(IT)
ミラノ(ファッション)などの一部の都市に集積、ネットワークを形成し
イノベーションを今後も起こしていくことでしょう。
ITが進化してもバーチャルだけに集うのではなく
リアルな都市に人が集まり、イノベーションを起こしていくのなら
知識や体験を磨いてそのコミュニティに参加しなければ
成功はおぼつかなくなるかもしれません。

安価な通信手段は驚くほどのスピードで普及している。2010年の時点で50億人が携帯電話を所有し、2020年にはその数が60億人を超えると同時に、50億人が約500億台の端末を使ってインターネットに接続し、安価で情報やサービスを利用するようになると予測されている。このどこからでもつながれる状況が人間や企業に好ましい影響を与えるであろうことは想像に難くない。世界中の有能な人材が急拡大しているグローバルな人材市場にアクセスし、イノベーションを起こして容易に広めることができるのだ。 (リンダ・グラットン)

しかし、一方、ホワイトカラーのミドルレベルの労働者は、コンピュータに仕事を奪われ
ブルーカラーの仕事は発展途上国からの移民に取って代わられることが考えられます。
先進国で働く私たち、特に失業率の高い若年層の働き方は、今後大きく変わりそうです。

当然、競争は激しくなり、人々の不満は高まります。
リンダ・グラットンは働く環境が激変し
未来の私たちは相当なストレスを感じながら生きることになると考えています。

しかし、こうしたトレンドだからこそ
新しい知恵やアイデアから生まれるのかもしれません。
全ての成長は痛みを糧にしたイノベーションから始まると思えば
チャレンジしようと前向きに生きていけますし
ワークシフトで提示されたコミュニティーを強くしようとも思います。
人とのつながりで多くの課題が解決されるのかもしえません。

企業で働く人々の世界は変化を遂げた。これからも大きく変化し続けるだろう。退職できる時期は少しずつ遅くなり、結果として、多くの人にとって仕事は短距離走ではなくマラソンになる。そのため、自分自身のレジリエンスを高めて精神的活力を保つことが重要だ。 

そんな変化の中で企業も人も変化に適応していかなければなりません。
グラットンはそのためにストレスに打ち克つレジリエンスを身につけ
自分を守りながら成長していかなければならないのです。
人的資産の三角形と言われる「精神的活力」「社会的つながり」「知性と知恵」
持つ人がこれからの社会では活躍できます。
そして、そのためには以下の3つの内なるレジリエンスがキーになるのです。
変化に適応するためにはこの3つのレジリエンスを鍛えなければならないのです。
そして、こういう社員がいる企業が強い企業となり生き残っていくわけですから
経営者やリーダーは以下のレジリエンスを意識すべきなのです。

■知的なレジリエンス 
これからは徹底的に知識を得ていくべきで、多くの人との繋がりから学ぶべきなのです。
企業の中にある素晴らしいアイデアや知見を増幅するための繋がりを築くべきなのです。

■感情的なレジリエンス
仕事中に自由時間を作るなどフレキシブルな働き方がストレスを防ぎ
感情的なレジリエンスを強化します。

■社会的なレジリエンス 
バーチャルでもリアルでもコミュニケーションを円滑にできるスキルがなければ
グローバルで働く環境では生き残れないのです。
お互いが思いやりを持つことで信頼関係を築けます。
真の意味でのコミュニケーション能力が求められるのです。

また、企業は地域社会との関わりや
グローバルな問題に取り組んでいかなければなりません。
本書には多くの企業のケーススタディーが掲載されていて
今後のビジネスや生き方のヒントが数多く紹介されています。
インフォシスのインフィ・バブルなど若い力のコミュニティを
活用する企業の力は素晴らしいですね。

私は「協調」や「コミュニティ」についてはリンダ・グラットンの前作の
ワークシフトから考え続けていたのですが
ソーシャルおじさんズ以外にアジアへのシフトを意識したコミュニティを
これからは作っていこうと考えています。

さあ、東南アジアビジネスをはじめよう!を昨年出版してから
ますます東南アジアへの思いが強くなっています。
東南アジアと日本の交流を図ることで、多くのイノベーションが生まれると
最近では確信して、ビジネスを行っています。

シンガポールに本拠地を移したアジアクリックの高橋学さんとの
ソーシャルメディアでの協業だけでなく
これからは現地へどんどん出かけていこうと思っています。

まず手始めに来月11月にインドネシアで開催される
ジャパンインドネシアフェスティバルに参加してきます。
ネセサーの山本大地さんとツアーを企画し、現地でブースを出展し
私たちの仲間と情報発信してこようと思います。

インドネシアは今後の成長が最も期待される東南アジアの大国です。
インドネシアの中間・富裕層人口は
2020 年には現在の 2 倍の1億4100 万人になると言われ
なんと日本の人口を上回る中間・富裕層国家が6年後に東南アジアに誕生するのです。
そのインドネシアで行われる日本とインドネシアの10万人規模のイベントに
ブースを出展し、現地で交流を図ります。

インドネシアの日本語熱も熱く、学習者人口は中国に次ぐ2位になっています。
今回のイベントでは多くのインドネシアの学生と日本語での交流を図りますから
言語の壁に悩むこともありません。
日本好きの学生をファンにさせることもここからなら可能です。

当然、ビジネスや進出支援、人材交流を考えた一歩ですから
現地でのブースでは参加者のビジネスのお手伝いもします。
私たちのブースでサンプリングやテストマーケティングも可能です。

今回ツアーでご一緒する方々を起点にして
東南アジアのコミュニティここ日本でを作りたいと思います。
今回のツアーはあと1、2名の方の参加が可能です。
詳細はネセサーの山本大地さんのブログをご覧ください。

私たちは今後は東南アジアで未来の企業のあり方を考えていきます!

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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