書店には、成功した人物が書いた、多くの読者を対象にしたやや自慢話風の 「天国のような話」が今日も並んでいる。しかし、本当に天国に行く方法を知りたいのであれば、地獄を見た人達の明日の生活をかけた、いわば、血と汗で書かれた書籍を読むべきなのではないだろうか。(瀧本哲史)
読書は格闘技(瀧本哲史著)が、とても面白いです!
本を読むなら成功本を読まずに、失敗本を読めという瀧本氏の指摘には納得です。
成功者は、自分の人生を美しく装飾しているかもしれませんし
そのメソッドに本当に再現性があるのかもわかりません。
成功には偶然の要素もあり、その要因は本人にもわからないことが多いのに対して、失敗は再現性がある。当人が高い授業料を払って学んだもので、そこから得るものは多い。もちろん、自分で高い授業料を払って学ぶのも一つの手ではあるが、時間もお金も有限なのだから、授業料は他人持ちにして、他人が失敗から得たものを学ぶ方が、コストが少なくて良いと思う。
成功には偶然の要素があると理解して、成功本を読むようにしましょう。
あまり成功者の言うことを信じても、再現できなければ意味がありません。
時代やタイミングなど成功を左右する要素を見極めながら
著者の思考法や行動力をモデリングしていくと良いかもしれません。
要は、自分に役立つことは何なのかを明確にして読書をしなければ
ただの自己満足にしかならないのです。
自分を成長させるために、著者との積極的な対話を心がけましょう。
書かれていることを検証しながら、何が自分のためになるかを吟味するのです。
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逆に、失敗は再現性があります。
著者が高い授業料を払って、体験から学んだものですから
そこから多くのものを得られます。
君主論や韓非子などは
失敗者がのし上がるために書いた提言書ですからリアリティがあります。
本書をキッカケにして、一度読んでおくとよいでしょう。(私も再読します。)
天国へ行くのに最も有効な方法は 、地獄へ行く道を熟知することである。(マキャヴェッリ)
君主論の時代背景やマキャヴェッリが置かれていた状況を認識して
君主論を読み返すのもよいかもしれません。
ただ単に君主論を読むより、はるかに効果を期待できます。
自分を強くするために、失敗者の体験を徹底活用することも
読書の醍醐味のひとつなのです。
君主にとっての敵は、内と外の双方にある。これらの敵から身を守るのは、準備怠りない防衛力と友好関係である。
失敗者の視点で、マキャヴェッリのこの有名な言葉を読み返すと
彼の言葉の凄みをより実感できます。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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