シンボリック・ストーリーを作れ!物語戦略(岩井 琢磨・牧口 松二著)の書評

シンボリック・ストーリーとは、 1、企業の強みを象徴している。 2、企業の戦略方針に合致している。 3、思わず人に話したくなる。 (岩井 琢磨・牧口 松二)

スクリーンショット 2016-05-10 22.18.27
ルイ・ヴィトン、ボルボ、近畿大学、タニタ、Appleの共通点は何でしょうか?
その答えを知りたければ、今すぐ物語戦略をお読みください。
これらの企業はシンボリック・ストーリーを活用し、顧客や社員を味方にしているのです。

物語は、競争戦略やビジネスモデルと結びつくことで
多くの顧客を取り込むシンボリック・ストーリーになります。
顧客の選択に決定的なインパクトをもたらす物語を作れれば
競合企業への優位性を発揮できるのです。

では、なぜいまシンボリック・ストーリーを使った戦い方が重要になっているのでしょうか。その背景には、競争環境の変化があります。その変化とは、「個人のメディア化」と「ビジネスモデルの同質化」の2つです。 しかしメディア化した個人には、「限られたスペースや回数」という概念はありません。おもしろい物語であれば拡散され、蓄積され、何度でも再生されます。「物語力」を持つ企業が存在感を際だたせることができるようになったと言えます。

ソーシャルメディア時代には、企業の物語はコンテンツとして価値を持ちます。
企業のストーリーは記事になったり、ブログで書かれたり
ソーシャルメディアでシェアされていき、人々の目に触れていきます。
ソーシャルメディアは他のマスメディアと異なり
スペースや回数に制限がありません。
何度でもネタとなり、拡散されていくのです。
企業のストーリーが面白ければ、コストをかけずに顧客をファンにできるのです。
物語力を持つ企業は、ソーシャルメディア時代には
簡単に自社の価値を伝えることができます。

本書には物語を作成するためのフレームワークが示されています。
近畿大学の学生獲得のために、近大マグロのストーリーが
なぜ有効だったのかを学ぶことで、ストーリー作りのノウハウを得られます。
タニタ食堂やルイ・ヴィトンの事例もわかりやすく
楽しみながらストーリー戦略について学べます。

物語は他社から買収することも、盗むこともできません。ビジネスモデルの同質化というリスクに対抗する経営資源として、シンボリック ・ストーリーの重要性が増しているのです。成熟化と情報化が進展した市場では、特にチャレンジャー企業にとって、物語という経営資源を活用する必然性が高まっているといえるでしょう。

企業のオリジナルストーリーは商品と違って簡単に真似されません。
成熟化した社会では、物語が企業の資産になるのです。
人に語りたくなるようなエピソードが存在していたら、それを有効活用しましょう。
企業の戦略やドメインとうまく結びつけられれば
顧客やファンがそのストーリーを勝手に人に伝えてくれるようになるのです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

私の好きな本や自分の著書をピックアップしています。
ぜひ、書籍の表紙をクリックしてご一読ください。

    

    

<

photo credit: Apr 17 2016_DSC0229 via photopin (license)

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
徳本昌大 Amazonページ >
 

徳本昌大をフォローする
習慣化書評生産性向上ソーシャルメディアアイデアマーケティングライフハック
スポンサーリンク
徳本昌大をフォローする
Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました