人工知能で、世の中はハッピーになるのか??

産業革命と情報革命を経て、人間は労働と思考を機械に委ね、楽をした分だけ退化した。元々備わっていた身体能力も思考能力も劣化し、健康問題を抱えながらも、長生きだけはするようになった。いかに労働集約型から労働節約型の社会を実現するかという目標の最終ゴールが人工知能である。だが、雑事や面倒な仕事から開放されてみんなハッピーになれるというユートピア論的な未来予測というのは、たいてい外れる。人は働いている時は、遊んで暮らすことへの憧れを募らせるが、リタイアした人はすぐ気づく。やるべき仕事がないということが、いかに人生の希望や輝きを大わせるかを。(島田雅彦)

スクリーンショット 2016-06-19 13.30.54
人工知能が話題になっていますが、私たちは人工知能によって幸せになれるでしょうか?
本日(6月19日付)の日本経済新聞の文化欄に
島田雅彦氏の「人工知能雑感」というエッセーが掲載されていて、とても面白く読めました。
人工知能が進化していけば、やがては人の仕事は無くなりそうです。
香港では人工知能が会社経営を始めていますし
日本の日立製作所も企業の経営判断をサポートするAIを開発しています。
経営上のテーマや課題を打ち込むと、そのテーマに関する1000万件もの情報を
ネットからかき集めて分析し、わずか80秒程度でどうすればよいかを導き出してくれるのです。
これで失敗を減らせらはずですが、経営という楽しみが人工知能に奪われてしまうのです。
経営すらAIでできるようになるのですから、他は推して知るべしで
私たちの仕事は今後どんどん変化していきそうです。

人工知能は人間を超えるか [ 松尾豊 ]
価格:1512円(税込、送料無料)

この島田氏のエッセーを読んだ後で、松尾豊氏の著書を再読してみました。
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
書評を以下に書いていきたいと思います。

年収3万ポンド(約550万円)未満の人は、年収10万ポンド(1800万円)以上の人と比べて、機械に仕事を奪われる確率が5倍以上高いという。 さらに、オックスフォード大学の研究報告では、今後10~20年ほどで、IT化の影響によって米国の702の職業のうち、約半分が失われる可能性があると述べている。米国の総雇用のなんと47%が、職を失うリスクの高いカテゴリに該当する。(松尾豊)

実際、人間だけが持っていた創造性も、AIに奪われているのです。
AI小説などが進化し、人間しかできないと思われていた領域を次々に脅かしています。
労働力の置き換えも、今まではブルカラーの仕事が中心でしたが
AIの発達でホワイトカラー、士業のビジネスも無くなる可能性が高まるのですから
私たちも安閑としてはいられません。

人口知能が進化することで、人間がそもそも学ぶ必要があるのかが問われ始めています。

特徴表現の獲得能力が、言語概念の理解やロボットなどの技術と組み合わせられることで、可能性としては、すべてのホワイトカラーの労働を代替しうる技術となる。

インターネットで人間の生活は便利になりましたが
21世紀のAIとロボットのテクノロジーの組み合わせによって
人間の仕事が奪われるという恐ろしいことが起こる可能性も否定できません。

ただ、松尾氏はAIが人を支配することまでは、現実的でないと書いています。

私の意見では、人工知能が人類を征服したり、人工知能をつくり出したりという可能性は、現時点ではない。夢物語である。

人間=知能+生命であるから、人工知能は人間にはなれないのです。
人工知能は生命を持たないため、意思を持ったり
自らを維持・複製したりしないので、人間を支配することはないというのが松尾氏の主張です。

自らを維持し、複製できるような生命ができて初めて、自らを保存したいという欲求、自らの複製を増やしたいという欲求が出てくる。それが 「征服したい」というような意思につながる。生命の話を抜きにして、人工知能が勝手に意思を持ち始めるかもと危惧するのは滑稽である。

知能をつくることができたとしても、生命をつくれないAIには限界があります。
本当に人間が支配される可能性は低そうですが
AIによって私たちの働き方が変わることだけは間違いありません。
インターネットやテクノロジー産業などはAIによる激変が予測されていますから
興味のある方は、人工知能は人間を超えるかをご一読ください。
島田雅彦氏と松尾豊氏の書籍で、私の悩みが深くなりました。(笑)

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
私の好きな本や自分の著書をピックアップしています。
ぜひ、書籍の表紙をクリックしてご一読ください。

    
     

photo credit: 2013_11_060021d – (t1) via photopin (license)

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
徳本昌大 Amazonページ >
 

徳本昌大をフォローする
書評生産性向上アイデアクリエイティビティマーケティングライフハック起業
スポンサーリンク
徳本昌大をフォローする
Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました