ロバート・グリーンの「マスタリー」が面白すぎる!

人間だれしも、自分の手で運命を握っている。作品の制作に取りかかるべく素材を手にしている彫刻家のように。だが、すべてのことが、そうした芸術活動と同じである。我々は、それをする能力だけを持って生まれてくる。素材を望みのものに作りあげる技術は、自ら修得し、念入りに磨くしかない。(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)

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人生でなすべきことを見つけた人々には、共通点があります。
いつでもアイデアを生み出す能力があり、比類なき集中力をもっています。
この奥義を極めること(究極の境地)=マスタリーを身につけることで
私たちは人生をより良いものに変えられるのです。

本書マスタリー: 仕事と人生を成功に導く不思議な力には、天才の共通点が書かれています。
彼らはいつでも必要なときに頭を働かせ、直感によって物事を解決しています。
人間の脳に潜んでいる直感力を活性化して、自在に操ることで
とてつもない成果を生み出しているのです。
そして、ロバート・グリーンはこの能力は天才だけのものでなく
誰でも身につけられると書いています。
私たちは本書を読むことで、600万年に及ぶ脳の進化の恩恵を得られます。
潜在能力の引き出し方さえ覚えれば、天才の壁を乗り越えられるのです。

新しいことにチャレンジした時に、私たちは困難に戸惑いますが
学ぶことをやめずに工夫すれば、やがては解決策が見つかります。

期待に胸をはずませて新しいことにチャレンジしたのはいいが、すぐに、学ぶべきことはたくさんあるとわかる。退屈や焦り、恐怖心、困惑といった感情が待ちかまえている。それに屈して状況に耐えられなくなると、学ぶことをやめてしまう。プロセスは立ち往生する。いっぽう、それらの感情をうまく手なずけ、流れを見守ることができれば、事態は大きく変わりはじめる。周囲を注意深く観察して人々の振る舞いにならっていると、ルールがわかってきて、ものごとがどういうふうに調整され動いているのか明確になってくる。そのまま努力を続ければ、なめらかに動けるようになる。基礎的な技術を身につければ、もつとやりがいのある難問に挑戦できるようになる。

自分の感情を上手く手なずけ、習慣化することで
私たちはなめらかに動けるようになります。
狩猟民族であった私たちの祖先は時間をかけて、狩りの技術を進化させていったのです。
この脳の特性を利用すれば、私たちは天才になれるのです。
何度も何度も学んだことを反復し、時間をかけて考えることが
脳を進化させ、マスタリーを生み出す原動力になります。

問題を解決する力がつき、粘り強くやれば弱点を克服できるとわかって、少しずつ自信がついてくる。ある時点で、私たちは初心者から専門家に変わる。自分のアイデアをためし、貴重なフィードバックを手にする。どんどん増えていく知識を、独創的に応用する。他人のやり方を真似るだけでなく、自分の流儀と個性を織りこむ。このプロセスに忠実に従ってある程度の年月を過ごすと、次の飛躍が訪れるーマスタリーへ。もはや鍵盤は、私たちの外側にあるものではない。それは、自分の内側にはいりこんで神経組織の一部となり、指となっている。仕事においては、職場の力学や、ビジネスの現状を直感的に理解できるようになっている。この感覚を社交面に応用すれば、まわりの人の人柄を奥まで見通し、反応を予測できる。きわめて建設的な決断を迅速にくだすことができる。さまざまな発想が浮かんでくる。ルールを余すところなく理解しているので、それを破るのも手直しも自在にできる。 

ロバート・グリーンは時間を割いて努力することが、マスタリーの基本条件だと言うのです。
私たち人間には、社会性と時間を有効に使うという武器があります。
メンターや師匠を観察し、それを時間をかけてモデリングすることを続ければよいのです。
練習し、技術を使って物をつくる、あるいは自分で学ぶことで
複雑な事態を処理できる達人になれるのです。

この究極の力を獲得するプロセスは三段階から成る。第一段階は修業期”。第二は”創造的活動期”。第三は”マスタリー”。第一段階では、専門分野の外に自分を置いたまま、基本要素とルールを可能なかぎり学ぶ。その分野の一部しかまだ見えていないので、出せる力は限られている。第二段階では、参中になってさまざまな活動をしながら、組織の内部や各部門の関連性に目を向け、研究対象について包括的に理解を深めていく。これによって、また別の能力が生まれるー関与する要素を使って実験したり、自由な発想で動かしたりする能力である。第三段階になると、知識と経験と認識の奥行きが深まっているため、一点の曇りもなく明瞭に全体像が見えている。

このステップを踏み出すこと、ビジョンを持って忍耐強く行動することで
私たちはマスタリーの道を歩めるのです。

本書のダーウインの例を読めば、生まれつきの才能ではなく
その後の努力と忍耐によって夢が叶うことがわかります。
才能や年齢を理由に人生を諦めるのは、とてももったいないことだということが理解できます。

私たちの文化において、知力や考える力は立身出世や業績に一致するとみなされがちである。しかし、ある分野をきわめる人々と、単に仕事をするだけの人々とを分けるのは、多くの点で感情の質のちがいなのだ。筋道を立てて考え判断する能力よりも、願望や忍耐、粘り強さや自信などの感情のほうが、人生の成功という点でずっと重要である。意欲と活力があれば、だいたいどんなことでも克服できる。退屈と不安を感じれば、私たちの精神は動きをとめ、どんどん受け身になってしまう。

過去の偉人たちが夢想することしかできなかった情報と知識を
私たち現代人は簡単に手に入れられます。
自分の好きなことに注力して、受け身な生き方をやめるべきなのです。
自分の欲求(社会への貢献)と思いいれさえ失わなければ
私たちは自分の人生をワクワクなものに変えられます。
日々の行動が夢の実現のための脳の質と状態を作り出すのです。
ロバート・グリーンの膨大な研究=天才は積み重ねの努力の結果だという事実を読めば
やる気をチャージできると同時に諦めない心を養えます。
また、本書に引用されている多くの天才たちの名言からもパワーをもらえます。

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ぜひ、書籍の表紙をクリックしてご一読ください。

     
     

photo credit: Brain side view via photopin (license)

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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