ロバート・I・サットンのチーム内の低劣人間をデリートせよ——クソ野郎撲滅法の書評

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チーム内の低劣人間をデリートせよ——クソ野郎撲滅法
著者:ロバート・I・サットン
出版社:パンローリング株式会社

本書の要約

パワハラやセクハラをするクソ野郎がいるだけで、組織のパフォーマンスが下がることがわかっています。こうした低劣な人間から被害を受けたくなければ、いくらよい条件の職場であってもそこから逃げ、彼らと働くことをやめるべきです。君子危うきに近よらずが、正しい選択であることを忘れないようにしましょう。

クソ野郎を撲滅しなければならない理由。

すべての組織に「クソ野郎撲滅法」が必要なわけは、嫌なやつというのは被害者だけでなく、周囲の人々、組織のパフォーマンス、そして加害者自身にも甚大な被害を及ぼすからだ。もちろん、直接の被害者の苦しみが最も顕著だ。(ロバート・I・サットン)

スタンフォード大学のロバート・I・サットン教授は、「消えてほしい」くらい厄介で面倒なやつ(クソ野郎)が世界中のどの組織にもいると指摘します。彼らはチームワークを破壊し、組織をダメにする原因になっています。著者はチーム内の低劣人間をデリートせよ——クソ野郎撲滅法 の中で、12のよくある卑劣行為をリストにしています。このようなクソ野郎の言葉や行動が、標的となった相手の気持ちを攻撃し、委縮させてしまうのです。

1、個人攻撃
2、”私的な空間”への侵入
3、不快な身体的接触
4、言葉による、あるいは見振りでの脅しや恫喝
5、辛辣な冗談や、からかいに見せかけたあざけり
6、やる気を萎えさせる好戦的なメール
7、被害者の信用失墜を意図した行為
8、人前で屈辱を与える、または相手の名誉を損なう仕打ち
9、無礼な割り込み
10、二面性のある攻撃
11、不快な表情
12、相手が存在しないかのような扱い

クソ野郎の不快な振る舞いによって、チームに悪影響を与えることがわかっています。最近の調査によると、ネガティブなやり取りはポジティブなやり取りの5倍も気分に影響を及ぼすことがわかっています。アンドリュー・マイナー、テレサ・グローム、チャールズ・ヒューリンは、41名の従業員に手のひらサイズのコンピューターを持たせ、一日4回、職場で適当な時間を選んで簡単な質問事項を送信し、各自に答えてもらいました。

期間は2~3週間。装置からの合図で画面に短い質問が表示されたら、各従業員は20分以内に質問に答えます。直前に上司や同僚と交流したか? それはポジティブな交流だったかネガティブな交流だったか?そして現在の感情に関するチェック項目から、「ブルー」「満足」「ハッピー」のいずれかを選びます。

調査の結果、ネガティブな交流よりもポジティブな交流をしている従業員のほうが多いことが分かりました。たとえば、同僚との交流では約30パーセントの人がポジティブだと答え、ネガティブだとしたのは約10パーセントでした。ところが、ネガティブな交流はポジティブな交流の5倍も気分に影響を及ぼしていたのです。

つまり、嫌なやつというのは、普通の人よりもはるかに悪影響を周りに与えていたのです。この結果から、侮辱的行為がいかに破壊的なのかがわかります。ひとりのクソ野郎の嫌な行動が周りをダメにしてしまうのです。メンバーが気力や幸せを取り戻すためには、数多くのポジティブな交流を経なければならないことがわかったのです。特に組織のトップは自分の行動に気をつけた方がよさそうです。

組織のトップが卑劣漢だという噂が流れると、その評判のせいで優秀な従業員が去ったり、投資家に動揺を与えたりしかねません。また、このクソ野郎という病は伝染し、誰もかがかかる可能性があるので、注意を払う必要があります。

ピーター・ドラッカーはよい組織では「私」という主語ではなく、「私たち」が使われると言います。クソ野郎がいる職場で働きたくなければ、言葉使いに注意を払うとよいでしょう。競争意識ではなく、チームで働くという考え方が浸透している職場には、クソ野郎がいづらくなります。

クソ野郎撲滅法を実行するための10のステップ

クソ野郎がいなくなることで、職場の空気が劇的に変わります。嫌な上司がいなくなることで、チームワークがよくなり、業績が上がることがわかっています。本書のサウスウエスト航空やグーグルのケーススタディを読むと、嫌な人間を排除し、職場の雰囲気をポジティブに変えることの重要性に気づけます。

著者は「クソ野郎を撲滅するための10のステップ」を紹介しています。
1、ルールを口に出し、書き出し、行動する。
職場のルールを守り、それに従って行動し、クソ野郎の動きを制御しましょう。メンバーでクソ野郎を監視することで、彼らの居場所がなくなります。 

2、クソ野郎はクソ野郎を雇う。
誰かを雇うときは、社内の卑劣漢にかかわらせてはいけません。どうしても無理なときは、なるべく多くの良識者を同席させ、「自分のような卑劣漢」を雇いたがるやからの決断を封じるようにしましょう。

3、クソ野郎はただちに排除する。
組織は真のクソ野郎をなかなか追い出しませんが、いったん追い出してみると「なぜもっと早くやらなかったのだろう?」と思うのが常だと著者は指摘します。  

4、真のクソ野郎は無能な社員として扱え。
たとえ何かに秀でていたとしても、他人を害するようなやからは無能扱いされてしかるべきです。  

5、権力はクソ野郎を増殖させる。
たとえ優しくて繊細そうな人物であっても、権力を与えるときには注意を払いましょう。ほんのささいな力を持っただけでも、とんでもないやからに変わることがあります。  

6、権力とパフォーマンスの矛盾を受け入れること。
組織に序列があることを受け入れ、そのうえで従業員同士の不必要な格差を減らすように努めるべきです。そうすればクソ野郎が減り、パフォーマンスも向上するという調査結果が出ています。業績をあげたければ、リーダーはクソ野郎を排除すべきです。

7、方針やシステムだけでなく〝いま〟を管理すること。
クソ野郎を効果的に管理するには、小さなことを変えていくのが大切です。自分の行動を顧みて、他人の反応を観察し、いま自分の目の前にいる人とのあいだで何が起きているのかを見極めるようにしましょう。  

8、建設的な衝突の模範を示し、教えること。
いつ争い、いつやめるべきかを社員が理解できる環境をつくり、より多くの情報を集め、他人の話に耳を傾け、(たとえ賛成が得られていなくても)とにかく実行するように教育します。

9、クソ野郎をひとり採用すること。
なぜなら、そういうがソ野郎郎が場を乱すと、ほかの人間はルールや規範をきちんと守ろうとするからです。ひとりか2人の卑劣漢がいたほうが、クソ野郎撲滅法が徹底できます。こうした”反面教師”は、悪いおこないとは何かをリマインドさせてくれるのです。

10、 大きな方針と小さな思いやりをリンクさせる。
クソ野郎を効果的に管理する組織がおこなう大きな方針と、従業員同士が接する際の小さな行為(思いやり)をリンクさせ、組織内で好循環させることが大切になります。

レオナルド・ダ・ヴィンチは「最後に抵抗するよりも、最初に抵抗する方が容易である」と述べていますが、クソ野郎と付き合わないためにこの「ダ・ヴィンチの法則」に従うべきです。私たちは悪質な人間や場所に近寄らないことで、嫌な思いをせずにすみます。

そのためにはどれほど魅力的な仕事であろうと、クソ野郎と働く誘惑にあらがわなければならない。うっかり足を踏み入れてしまったときには、できるかぎり速やかに脱出すること。

サラリーマンをやめてから、私は好きな仕事を好きな人とやることを自分のルールにしています。この法則に従うようになってから、嫌な目に合わずにすんでいます。ダ・ヴィンチの法則を自分の人生に取り込むことで、幸せな時間を増やせます。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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