ぼーっとしているはずのときに、脳が最も働いているということです。「無心」になることで本来の能力が発揮され、脳の働きを高めることができるわけです。(堀田秀吾)
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堀田秀吾氏は科学的に元気になる方法集めましたの書評ブログを続けます。
本書に精神科医・医学博士の西多昌規先生の脳の状態の話が紹介されていました。
私たちの脳は、仕事で忙しくしているよりも
ぼーっとしているときの方が活性化するという特徴があります。
意識的に活動しているときよりも、何もしていないときのほうが
脳はエネルギーを使っていて、その差はなんと15倍〜20倍にもなるそうです。
無心になれる時間を作り出すことが。クリエイティビティを発揮するためには必要です。
ワシントン大学のM. E. レイクル教授の研究結果を読むと
ぼーっとする時間の重要性がさらにわかります。
レイクル教授のチームは行動しているときと
ぼーっとしているときの脳の働きを比較しましたが
後者のほうが記憶に関する部位や価値判断に関する部位が活発に働いていたそうです。
実際、私も散歩や入浴中に、突然面白いアイデアが頭に浮かんできます。
脳は真剣に考えているときよりも、リラックスしている方が
クリエイティビティを発揮してくれますが
記憶に関する部位が活発になることで
知識や体験が繋がり、新しいアイデアが浮かぶのです。
インプットしたら、ぼんやりする時間を持つというジェームス・W・ヤングの考え方が
レイクル教授の研究によって、正しいことがわかりました。
科学的に元気になる方法集めました [ 堀田秀吾 ] |
本書によると脳の血流がこれには大きく関係しているそうです。
脳の血流の総量は何かをしているときも、何もしていないときも変わりません。
何かをしているときは、その行動をするための脳の部位に血流が多く流れますが
一部に血流が集中するために、その他の部分の動きは鈍くなります。
一方、ぼーっとしている場合は、脳の様々な部位にもエネルギーが
この安静状態の最中に脳の部位が元気になり、重要な働きをしてくれます。
最近、マインドフルネスがビジネスマンに流行っていますが
脳を活性化させるという意味でも、瞑想はとても効果があります。
著者の堀田秀吾氏は普段の何気ないことに集中することで無心になれると書いています。
なんとお茶を淹れることで、心のゆとりを取り戻せるのです。
物理的な忙しさは、仕事などを実際に終わらせるしかありませんが、精神的な忙しさなら、いったんリセットすることができます。その方法が、お茶 (コーヒーも含めて 「お茶」と呼ばせてください )をゆっくり淹れることです。これでなぜ自律神経を整えることができるのかというと、「デフォールト・モード・ネットワーク」といって、何もしていないときには脳が整理されて、リセットされるからです。
「お茶をゆっくりと滝れる」という行動が、ぼーっとした状態を作り出してくれます。
お茶は、香りも楽しめますし、健康効果やリラックス効果もあります。
お茶をゆっくり淹れるとは、今ここに集中することなのです。
ゆっくりお茶を淹れることは一見ムダな時間かもしれませんが
このムダな時間がなければ、脳を活性化できません。
あえてムダな時間を作ることが、私たちの生産性を高めてくれるのです。
先日、茶道家のみずかみまゆこさんとお話ししましたが
茶道にも当然ながら瞑想効果があります。
千利休は400年以上前に脳の仕組みを理解し
茶道の中にデフォルト・モード・ネットワークを見出していたのかもしれません。
今度、みずかみさんの茶室で茶道と瞑想について学んでこようと思います。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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