ガブリエル・エッティンゲンの成功するにはポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則の書評

夢見る人はなかなか行動する人にならない。(ガブリエル・エッティンゲン)


ronimoooooooo Whispers via photopin (license) 

どうすれば夢が叶うのか?

「引き寄せの法則」、夢をノートに書いておけば、寝ているうちにそれが叶うという成功法則が流布しています。しかし、世の中はそんなに甘くありません。一部の本当に運のよい人(夢を叶える人)がいるのは事実ですが、この法則が全ての人に当てはまるわけではありません。願うだけで叶うという楽観主義カルトのメンバーになることで、多くの人が失敗を犯しています。ガブリエル・エッティンゲン成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則の中で、行動の重要性を次のように指摘します。

私の研究では、将来についてただ夢見るだけでは、その夢や願いがかないにくくなることが確認されている(障害についてただくよくよ悩むのと同じだ)。現実を認識しないで夢を見てもうまくいかない理由はいくつもある。夢を見るという心地よい行為によって、人は頭のなかで願いをかなえてしまい、現実世界で困難を切り抜けるために必要なエネルギーを吸いとられてしまうようだ。

夢見ることで、目標達成に失敗する事例が本書にはいくつも紹介されています。引き寄せの法則を信じると失敗する確率を高めてしまうのです。ダイエットに成功した自分の姿をうっとり夢見た人たちの多くは、行動する気力が足りないために減量に失敗します。就職活動でも結果は同じでした。ポジティブな空想をひんぱんにしていた学生ほど、思ったとりに就職できなかったのです。彼らは企業に応募書類をあまり送らず、企業からの誘いを自ら減らしていたのです。その結果、所得を下げてしまい、悲惨な人生を送ることになったのです。彼らは成功を夢見ることで痛手を被りました。個人的な目標を達成したければ、別のアプローチが要るのです。行動せずただ 「きっとうまくいく!」と夢見るだけという態度ではダメなことが多くの事例から学べます。

理想の将来をリアルに思い描くことは、モチベーションを維持して目標を達成するための戦略にはなりえない。個人には効き目がないし、大企業や社会全体にもうまくいかないようだ。過去の経験とかけ離れたポジティブな空想や願い、そして夢は、充実した人生に向けて行動するモチベーションには変換されなかった。正反対のものへと変わったのだ。

では、どうすれば、目標は達成できるのでしょうか?

W00Pの法則を実践しよう!

将来を思い描くもっといい方法がある。私が行なってきたモチベーションについての科学的研究から生まれた、もっと複雑なアプローチだ。「メンタル・コントラスティング」と呼ばれるこの手法では、夢を見るだけでなく、さらに夢の実現をさまたげる壁や邪魔ものを思い描くように指導する。夢と現実を直接くらべたら、向上心を一押しつぶすのではないか、結局やる気をなくし、無気力になり、行き詰まることになるのではないか、と不安を感じるかもしれない。しかしそうはならない。メンタル・コントラスティングを行なうと、行動を起こすエネルギーを得られる。しかも、障害が生じたらどう対処するかをはっきりさせると、さらにエネルギーがわいてくる。

空想することはとても重要なことです。しかし、それだけでは目標を達成できません。願うことは自分の欲求を満足させる助けにはなりますが、プランニングやアクションがなければ、夢を実現できません。ガブリエル・エッティンゲンは夢を叶えるための法則を見つけました。目標達成のためには、願いという楽観的な行為だけでなく、願い (Wish)、結果 (Outcome)、障害 (obstacle)、計画 (Plan)という4つのステップを取り入れる必要があります。エッティンゲンはWish、Outcome、obstacle、Planの4つの言葉の頭文字を組み合わせて、それをWOOPの法則と名付けました。

メンタル ・コントラスティングにもとづいて提案する4ステップ、WOOP ─ 願い (Wish )、結果 (Outcome)、障害 (obstacle)、計画 (Plan ) ─は、覚えやすく、短期的・長期的な目標や願いに応用しやすい。そのうえ、エネルギーを高め、方向性を確かにするのに役立つことが、科学的に示されている。

夢を叶えるためには、相当量のエネルギーと努力が必要になることは間違いありません 。ポジティブな結果を夢見るだけでは、夢を実現できません。ポジティブな空想は、人が難しい課題に取り組む際は邪魔をし、楽なことをするように促してしまうのです。

夢見るだけでなく、現実的なストーリーを描くのです。もしも障害が見つかったなら、それを乗り越えるための作戦を考えます。計画を練っているうちに過去の知識や体験があなたの行動をサポートしてくれます。このWOOPを繰り返すことで、自分のゴールに到達できるようになります。まずは、自分の願いや夢をイメージしましょう。次に、願いに関して自分が望む成果を具体的に思い描きます。未来のワクワクの自分を想像することで、モチベーションが高まります。それから現実をしっかりと直視し、目標達成への具体的な障害について考えてみるのです。ハードルを書き出すうちに解決策が見つかることが多々あります。 最後に障害に対処する計画を考え、そのプランに沿って行動を開始するのです。一度失敗したからといって諦める必要はありません。障害を一つ一つクリアすることで、自信が生まれ、チャレンジすることが自分の中で当たり前になり、目標を達成できるようになるのです。

まとめ

ただ願うだけでは、目標はなかなか達成できません。引き寄せの法則は一部の運の良い人だけに通用する方法で、普通の人には別のアプローチが必要です。もし、あなたが成功したいなら、ガブリエル・エッティンゲンのWOOPの法則を活用すべきです。ワクワクな結果をイメージしながら、ストーリーを組み立て、障害物を除くプランができたら、成功したも同然です。あとはその計画に基づいて、アクションを起こせばよいのです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

     

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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