VOCの重要性。真実の瞬間を重視しよう!

1986年、1000万人の旅客がそれぞれほぼ5人のスカンジナビア航空の従業員に接した。一回の応接時間が平均15秒だった。従って、一回15秒で、一年間で5000万回、顧客の脳裏にスカンジナビア航空の印象が刻みつけられたことになる。その5000万回の”真実の瞬間”が、結局スカンジナビア航空の成功を左右する。その瞬間こそ私たちが「スカンジナビア航空が最良の選択だった」と顧客に納得させなければならないときなのだ。(ヤン・カールソン)


photo credit: Nabil Molinari Photography “Vilborg Viking” SAS Scandinavian Airline System LN-RRP Boeing 737-683 cn/28311-382 @ EHAM / AMS 05-06-2016 via photopin (license)

真実の瞬間を重視しよう!

佐藤尚之氏のファンベース──支持され、愛され、長く売れ続けるためにの中に真実の瞬間ヤン・カールソンの言葉が紹介されています。顧客が自社のサービスを認識したり、体験するたびにブランドに影響を与えます。顧客のブランド体験をよくし、ファンになってもらうためには、その真実の瞬間を大切にしなくてはいけません。ヤンは顧客と出会う最初の15秒に注力し、顧客をファンにすることで破綻寸前だったスカンジナビア航空を復活させたのです。いくらリーダーがよい経営を心がけけても、社員一人一人が顧客との接点を大切にしなければ、お客様から応援してもらえません。ファンベースの時代には顧客体験を重視することがポイントになります。他に代えがたい体験を与えた企業が顧客から評価されるようになります。

「真実の瞬間」とは、顧客が企業の価値を判断する瞬間のことだ。つまり、企業とファンとのあらゆる接点を、「真実の瞬間」と意識して、少しずつ改善していくこと。そして、他に代えがたい体験にすること。(佐藤尚之)

店舗や販売スタッフの一つ一つの体験だけでなく、ソーシャルメディア、コールセンター、イベントなどのコンタクトポイントをファン目線で改善することが大切だと佐藤尚之氏は指摘します。

あらゆる接点を顧客目線で改善しよう!

あらゆる接点でファンは見ている。つまり手抜きも不誠実もすべて見られている。唯一の対抗策はすべての施策・接点・活動において、誠実であることだ。(佐藤尚之)

店舗、コールセンター、 SNSなどすべてのコンタクトポイントをお客様は評価しています。顧客との接点すべてを改善するためには相当量のエネルギーが必要になります。姿勢を一貫するためにはミッション経営を取り入れ、お客様を喜ばすことを社員に共有する必要があります。お客様の声(VOC)を社員に伝え、メンバーの誠実な対応を褒めることで組織が変わります。お客様の賞賛の声を伝えて、社員を褒める文化が組織を強くしていきます。

本書ではカルビーのクレーム対応が紹介されていますが、顧客に愛されるカルビーのコールセンターの対応はとても勉強になります。コールセンター担当者の気づきをVOC担当者が社内にデイリーに配信することで、問題点をすぐに共有できる体制をとっています。90歳のフルグラファンのクレーム電話を受けた担当者の気づきから、お客様を訪問する施策が短期間で作られていきます。実際に90歳のお客様を訪問し、そのストーリーを共有したことで、社員の多くが自社を良い会社だと評価するようになり、ますますお客様を大切にするようになったのです。

コールセンターの社員の対応やVOCを共有し、社内改善を行っていることがカルビーの強みだとパッションジャパンの三枝理枝子氏は記事の中で評価しています。この記事から私は社員をほめることの重要性を学べました。(以下日経BizGateから引用)

お客様の声を聞き、改善するということから、お客様が自らあげない声をさりげなく聴き出し、その声を商品開発や改善に活かす。提案営業から情報提供営業といった動きに変わってきています。単にアンケートやクレームからの声だけを潰していき、再発させないようにするのでは、そもそもアンケートやクレームでコメントを発する母数が少なく、大多数のお客様が感じている「なんとなく」の感覚を把握することができません。その「なんとなく」を把握し、問題は仕組みにあるとして、仕組みの改善を行う。賞賛や喜びの声は本人に直接フィードバックし喜び合う、といった形に変えることが大切です。(中略)喜びの声を積極的に拾い、従業員にフィードバックのシャワーを浴びせる。問題は、組織の仕組みの問題・トップの問題として、しっかりと再発防止に努める。(三枝理枝子)

真実の瞬間を大事にする文化がファンを生み出し、組織を強くします。VOCによって、お客様の声を共有することで、改善や提案が生まれ、企業の真実の瞬間をよりよくできるのです。

まとめ

店舗やイベント、ソーシャルメディアなど顧客との接点全てが、顧客から評価されています。この真実の瞬間を改善すると顧客がファンに応援してくれるようになります。ミッションを社員に伝え、お客様に貢献する経営を行うことで、ファンを増やせます。VOC社員全員に共有することで、改善や新たな提案が生まれ、組織を強くできることがわかっています。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!
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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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