ポール・タフの成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのかの書評

ストレスに満ちた環境で育った子供の多くが、集中することやじっと座っていること、失望から立ち直ること、指示に従うことなどに困難を覚える。そしてそれが学校の成績に直接影響する。抑えることのできない衝動に圧倒されたり、ネガティブな感情に悩まされたりしていれば、アルファベットを覚えるのもむずかしい。実際、幼稚園の教諭を対象とした調査の結果によれば、いちばん問題になるのは文字や数字を知らない子供たちではなく、癇癪を抑えられない子供たち、挑発を冷静に受け流せない子供たちである。(ポール・タフ)


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ストレスが子供の成功に影響を及ぼす!

世の中には、成功を手にする人とそうでいない人がいます。その差は何にあるのでしょうか?多くの人は幼少期に知的能力を高めることが重要だと考えていますが、それは本当に正しいのでしょうか?ジャーナリストのポール・タフは神経科学、経済学、心理学などの多くの専門家に会い、その答えを探し、成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのかにまとめました。

本書の冒頭にはシカゴ大学の経済学者であるジェームズ・ヘックマンの『人生を決定づけるのは「潜在能力」」だだという考え方が紹介されています。潜在能力は、IQ(知能指数)で測れるわけではなく、(経済力など)資源の制約、情報量と社会的な期待、両親の情報と期待、そして本人の選好、という4つの要因から影響を受けているというのがノーベル経済学賞を受賞したヘックマンの答えです。早くから子供が学ぶこと(知能至上主義)が当たり前だと考えられている中で、ヘックマンは「非認知スキル」が重要だと指摘し、グリット(grit、やり抜く力)を身につけるべきだ述べています。

富裕層の子供が成功する確率が高いのは、幼い頃から学ぶだけでなく、ストレスが少ない環境で育っていることが影響しています。暴力が当たり前の中で育った子供は多くのストレスを受け、自分をコントロールできなくなります。

幼少期のストレスが一生つづくダメージを引き起こす可能性があるとわかっていますが、それを解決する方法も明らかになっています。親はハグしたり、子供との会話の時間を伸ばすことで、子供たちの持つレジリエンス(回復力、抵抗力などを含む弾性)を大きく伸ばすことができます。それが幼いころの過酷な環境の悪影響から身を守ることにつながるのです。一方裕福な家庭の子供にも問題があると著書は指摘します。

 

子供に親は何をすればよいのか?

勤勉性にも何かネガティブな側面があったらいいんですが?現時点では、生涯にわたって望ましい成果をあげるいちばんの要素だと思われます。まさにゆりかごから墓場まで、ものごとをうまく運ぶためのね(ブレント・ロバーツ)

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の教授のブレント・ロバーツは勤勉性が重要であると言います。勤勉性の高い人々は高校や大学での成績もよく、犯罪にかかわる率が低く、結婚生活も長く続きます。良い習慣を身につけることで、喫煙率や飲酒率が低く、健康で長生きをします。勤勉性ややり抜く力を親や学校が教えることが重要なのです。これらを身につけることが、社会で生きていくために必要なスキルなのです。

アメリカの裕福な学校の子供たちは、恵まれているがゆえの問題を抱えます。親がなんでも解決してしまうために、失敗する機会を奪われいるのです。

若者の気質を育てる最良の方法は、深刻に、ほんとうに失敗する可能性のある物事をやらせてみることです。ビジネスの分野であれ、スポーツや芸術の分野であれ、リスクの高い場所で努力をすれば、リスクの低い場所にいるよりも大きな挫折を経験する可能性が高くなります。そういった環境で努力を続けることで、独創的な本物の成功を達成する可能性も高くなるのです。

「やり抜く力や自制心は、失敗をとおして手に入れるしかない。しかしアメリ力国内の高度にアカデミックな環境では、たいてい誰もなんの失敗もしない。(ドミニク・ランドルフ)

私たちは子供たちに失敗を学ばせる必要があるのです。チェスのコーチ、エリザベス・スピーゲルは失敗を見つめる方法、自分がしくじった理由と真正面から向きあう方法を教えることで、子供たちを成長させています。

子供たちが逆境から過度に守られているせいで、失敗を克服したり、失敗から学んだりする能力を伸ばせずにいます。豊かな親は子供たちに失敗させることを学ばなければなりません。

まとめ

子供を成功させたければ、幼少期に子供とのふれあいを増やすことが重要です。ストレスを感じる子供は、親のハグや会話を求めています。ティーンエイジャーは失敗を乗り越える力を養うべきです。grit(やり抜く力)を鍛えるために、失敗する機会を親は奪ってはいけないのです。

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