オレンジ色のカエルになって、ポジティブマインドを伝染させよう!

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潜在能力を最高に引き出す法: ビッグ・ポテンシャル 人を成功させ、自分の利益も最大にする5つの種
著者:ショーン・エイカー
出版社:徳間書店

本書の要約

どんな立場の人でもリーダーシップを発揮でき、チームに変化をもたらすことは可能です。一人のポジティブな人間がいれば、その波及効果・伝染力によって、周りの人たちをポジティブに変えることができるのです。あなたがオレンジ色のカエルになることで、組織を強くできます。

オレンジ色のカエルがポジティブな気持ちを伝染できた理由

たった一人のポジティブな人間がいれば、ポジティブな波及効果によって、最終的に周りの人たちをポジティブに変えることができる。(ショーン・エイカー)

幸福学を研究するショーン・エイカーは、『幸福優位7つの法則』を子供向けに書き換えました。それが『オレンジ色のカエル』と言う寓話です。主人公のカエルは、ポジティブになると他の子たちと違ってしまうのではないかと心配しますが、最後には楽観的であることがどれほど有利なことかに気がつくという話です。

主人公はスパークという名のカエルで、アオガエルが多くすむ島に暮らしています。スパーク一にはオレンジ色の斑点があるために、みんなからのけ者にされてしまいます。彼は色が変わっているだけでなく、悲観主義のカエルたちの中で唯一楽観的なカエルだったのです。

スパークがポジティビティを他のカエルたちに広めようとすればするほど、オレンジ色の部分が大きくなり、彼は島の中でますます孤立していきます。しかしストーリーが進展するにつれ、スパークは自分がオレンジ色であることが、生態系の中でサギなどの天敵から身を守るために有利であるだけでなく、それが感染力を持っていることに気づきます。

そして徐々に周りのカエルたちもオレンジ色にする方法を見つけていきます。この寓話の意図はもちろん、たった1人ポジティブな人間がいれば、ポジティビティの波及効果によって、最終的に周りの人たちをポジティブに変えることができると示すと言うことです。ポジティブは伝染し、周りの人を幸せにできるのです。

オレンジ色のカエルが最底辺校をトップ校に変えた理由

パワーが広がるためには、それが認識され、求められ、強化される必要がある。

ジョエル・ペダーセンはアイオワ州のカーディナル・コミュニティと言う評判の学校区を改善することがミッションでした。カーディナル・コミュニティにオレンジのカエルの力を活用して、学校職員のマインドを変えようとしたのです。アオガエルの学校職員たちに、彼らは全員がリーダーであり、伸び悩む生徒たちのポテンシャルを花開かせる力があるという信念を持たせることから始めました。

そこで、ジョエルは「オレンジ色のカエル」ワークショップを導入し、カーディナルの関係者全員を集めてこの寓話の意味を伝えました。そしてここから素晴らしい波及効果が起きたのです。スクールバスの運転手、教師たち、カフェテリアのスタッフまで、誰もがこの本を読んだだけでなく、学校はショーンが制作した「オレンジ色のカエル」のマンガ版を取り寄せて、生徒たちがクラスで一緒に読めるようにしました。

生徒たちはやがて、元気づけが必要な生徒のために何か思いやりを実践するという「小さな親切運動クラブ」を作るなど、明らかに変わり始めました。学校スタッフも生徒たちも、感謝の気持ちを表すこと、対立を仲裁すること、ジャーナルをつけることなどを実践しはじめたのです。

「オレンジ色のカエル」は、職員、用務員、カフェテリアスタッフ、教師など、教育の専門家であろうと高校を出ただけの人であろうと関係なく、すべての人々に、真の変化をもたらすきっかけとなりました。それまでまったくやる気のなかった教師たちが、学校を、最高の脅威レベルを示す赤印から、明るく輝くオレンジ色に変えようと奮闘するようになったのです。

カーディナル学校区ではデータを用いて、それぞれの立場からリーダーシップを発揮したことによる影響を数値化して人々に示しました。たとえば、カーディナル高校のACT(進学適性試験)の平均点は、2012年からわずか5年で、17点から21点に上昇しました!2016年には、92%という卒業率を達成したのです。かつて「敗者製造工場」などとさげすまれていた貧しい地域の高校が、この寓話をチームで実践すること、でわずか数年で生まれ変わったのです。

ジョエルたちがこの変革を成し遂げたおかげで、カーディナル高校の入学者は、過去数十年間で初めて上昇に転じました。富裕層が集まる学校区にわが子を通わせることが可能な親たちさえ、わざわざこの最貧地区の学校に子どもを入学させたほどです。

郡の行政府は、この学校区のポジティブな変化をさらに推進するために、530万ドルの資金を投じることを決定しました。カーディナルの成功にならい、現在アイオワ、アリゾナ、ウィスコンシン、ミシガン、ケンタッキー、イリノイの各州でも、同様の改革が進められていいます。

教育長のアンディ・デュロスは、学校区全体が同じポジティブな周波数で動くようになれば、生徒たちのポテンシャルをさらに引き出せるに違いないと確信しました。そこで彼は4月に、リンカーン・プレイリー・スクールのアマンダ・ストックル校長と共に、スタッフ、教職員、生徒全員に、「オレンジ色のカエル」の取り組みを提案したのです。

それからわずか3週間後、91%の生徒が、学校が前より楽しくなったと答えました。70%が学校外の生活も楽しくなったと答え、85%が幸せになるためにもっと学ぼうと思うと答えたのです。またスタッフや教職員の96.3%が、自分が前よりもポジティブになったと感じていました。

カーディナルのジョエルや、彼の後に続いた教育者たちは、さまざまな困難を乗り越えて自分たちの学校を変革することができたのです。彼らは自分たちに変化をもたらす力があると気づいただけでなく、その力を広げて周りにいる人すべてを真の変革者にする方法を知っていたのです。一人のポジティブな人がリーダーシップを発揮し、それを波及することで、チームを強くできるのです。

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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