過度の悲観論を疑った方がよい理由


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自分の頭で考える日本の論点
著者:出口治明
出版社:幻冬舎

本書の要約

歴史的に見れば、悲観論は楽観論に破れていると言います。人間は現状の延長線上で物事を考えてしまうため、テクノロジーの進化に思考が追いつきません。技術進歩を想定できないために、悲観論に走りがちです。人間は決して賢くない動物ですが、それほど愚かではないと考え、悲観論を疑うようにしましょう。

悲観論が楽観論に破れる理由

近視眼的な考えは、ともすれば悲観論に陥りがちです。しかし歴史的に見れば、悲観論は全敗しています。マルサスの人口論(時代が進むにつれて過剰な人口が必然的に発生するため、 人類は否応なしに貧困に見舞われる、というもの。1798年発表)も、結局は外れました。(出口治明 )

出口治明氏の自分の頭で考える日本の論点書評を続けます。人間は現状の延長線上で物事を考えてしまうため、テクノロジーの進化に思考が追いつきません。技術進歩を想定できないために、悲観論に走りがちです。かつて石油が枯渇すると予測されていましたが、新油田が見つかったり、自然エネルギーの開発が加速することで、いまだに石油は無くなっていません。

1940年代に最初のコンピュータが登場して以来、その技術は進化し、量子コンピュータやスーパーコンピュータが短時間に新たな事実を発見し続けています。人類は、想像できないような異次元のステージに到達することで、様々な解決策を見つけますから、あまり悲観論に落ちいいらない方がよいと出口氏は指摘します。

人間は決して賢くない動物ですが、それほど愚かではありません。第二次世界大戦後、核兵器の開発競争が起こりましたが、大国はなんとかこの使用を控えてきました。人類はこれまでも数々の危機を何とか克服してきました。過度の悲観論だと思ったら、それを疑い、自分の頭で考えるようにしましょう。

その際、「タテ・ヨコ・算数」の3つを使って考えるとよいと出口氏は言います。

物事を考えるとき、僕がいつも大切にしているのは、「タテ・ヨコ・算数」の3つです。タテ、すなわち昔の歴史を知り、ヨコ、すなわち世界がどうなっているかを知り、それを算数すなわち数字・ファクト(事実)・ロジック(論理)で裏づけていく。そうすることで、メディアやSNSを追いかけているだけではわからないことが見えてきます。日頃からそのような訓練を積み重ねることが、想定外のことが起きたときに生き残る力につながります。

歴史上、悲観論が全敗していることを見れば、人類の英知に賭けてみたくなります。著者はこの考えのもと、地球温暖化問題について考察します。

日本は環境問題に本気で取り組めるか?

日本はまだまだ気候危機に対する感度が鈍く、その取り組みはヨーロッパに比べて遅れています。ヨーロッパでは炭素税を導入する国が増えていますが、日本ではまだ実現していません。

ヨーロッパでは、飛行機に乗る際に自分が排出するCO₂に相当する金額を寄付するカーボンオフセットの航空券がよく売れています。日本の航空会社でも導入していますが、これがなかなか浸透しません。日本ではなかなかエコロジーな商品が売れません。国民の環境意識が低いのはメディアの報道の少なさにあると著者は指摘します。

気候危機のような世界レベルの問題について、メディアも日本の経営者もまだまだ意識が低く、目先のことしか考えていないと著者は指摘します。アメリカではカリフォルニア州が2035年までに新車のガソリン車販売禁止を指示し、電気自動車の割合を増やそうとしています。中国政府も電気自動車の普及を急速にはかっています。

変わろうとしない人もいます。しかし、もし変わらなかった時にひどいことになる。(イーロン・マスク)

イーロン・マスクは地球の環境悪化を憂い、電気自動車(EV)の開発にのめり込みます。当初は無謀なチャレンジと言われていたテスラですが、昨年2019年度には49万9550台のEVを販売し、業界を牽引しています。テスラの株価は昨年8倍近くに跳ね上がり、時価総額は約65兆円と日本の自動車メーカーの総額を上回っています。

アメリカでは民主党のバイデン氏が大統領に就任し、環境重視政策が次々に打ち出されています。バイデン氏はパリ協定に1月にも復帰することを表明し、環境・インフラに4年間で2兆ドル(約206兆円)を投じると発表しています。全米にEVの充電設備を50万カ所設ける方針で、ガソリン車からEVへの移行が進行しそうです。

アメリカが本気でEVにシフトする中、日本のメーカーも今までの姿勢では戦えないはずです。昨年、菅首相も臨時国会での所信表明演説で「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という方針を表明しました。「国連気候行動サミット」の方針を受け入れたことで、環境問題への取り組みも変わっていくはずです。

悲観論をいくら唱えても、現実は変わりません。何も行動を起こさないことで、環境破壊が進んでしまいます。環境問題にネガティブな考えを持つ人がいる一方で、イーロン・マスクのようにポジティブに解決策を生み出す人もいます。環境問題もテクノロジーの力で解決できると考え、それを実現しようとしている人たちを応援しようと思います。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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