井上一鷹氏の深い集中を取り戻せ――集中の超プロがたどり着いた、ハックより瞑想より大事なことの書評


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深い集中を取り戻せ――集中の超プロがたどり着いた、ハックより瞑想より大事なこと
著者:井上一鷹
出版社:ダイヤモンド社

本書の要約

高い自由度を自ら作り、夢中で働く人が生まれにくい文化のもと働いている日本人からは、イノベーションは生まれづらくなっています。これが日本の成長を妨げていたのです。夢中になる人が増えれば、アントレプレナーだけでなく、イントレプレナーも増やせます。様々な起業家が生まれることで、日本はもっと面白くなります。

集中と夢中の違いを理解しよう!

集中は、他者との比較から逃れ、自分が幸せになるために必要不可欠な能力のべーススキルです。ただ、ここで問題なのが、冒頭に書いたように、時間を忘れるような幸せな時間を過ごすための「集中する力」が落ちているという事実なのです。(井上一鷹)

スマホの普及によって、私たちは1つのことに集中できなくなってきています。集中力を失う中で、私たちはどうすれば、結果を出せるようになるのでしょうか?

昨年のコロナパンデミック以降、私たちは自由に働ける環境を得ました。今後は「自由と引き換えに、誰も正しさを決めてくれない時代」が来ることは間違いありません。 自由度と選択肢の多様化が起こる中で、同時に私たちは集中力を奪われる環境で生きていかなければなりません。「集中が脅かされ続けている」という状況は、さらに逃れようのないスピードで広がっていくはずです。

著者の井上一鷹氏は、メガネのJINSで集中力を測るメガネの開発を推進してきました。多様なメンバーとビジネスを行う中で、仕事に結果を出すためには、集中力だけでなく、夢中になることが重要だと気づきます。著者は集中と夢中を以下のように定義します。
・集中:受動的スタンス 所属組織や周りの人間からの要請に応える「外発的動機」を基にした行為
・夢中:能動的スタンス 周りからの要請ではなく、自分の「内発的動機」に根差した行為

アーティストやスポーツ選手は、深い集中、つまり夢中で物事に取り組んでいます。ミハイ・チクセントミハイは、フロー体験が持つことで、「意義」や「快楽」がなくても、幸福感を得ることができると述べています。彼らは目の前に夢中になることで、幸せに働き、お金を稼いでいるのです。

一般的なビジネスマンが、起業家やアーティストのように「深い集中」状態で働くためには、「集中しなければ」などという受動的スタンスであるようでは難しく、能動的に「夢中」になることが重要です。

著者はコンサルタントとして企業の外側で働い後に、JINSで働きながら、日本企業から新しいサービスや商品は生まれにくいことに気づきます。日本人の多くのビジネスパーソンに足りないことは、夢中になることだったのです。

高い自由度を自ら作り、夢中で働く人が生まれにくい文化のもと働いている日本人からは、イノベーションは生まれづらくなっています。これが日本の成長を妨げていたのです。夢中になる人が増えれば、アントレプレナーだけでなく、イントレプレナーも増やせます。様々な起業家が生まれることで、日本はもっと面白くなるはずだと著者は指摘します。

何も言われなくとも自ら動ける「深い集中」を取り戻すこと、能動的に自分で夢中に向かうスタンスによって、仕事が楽しくなり、人生を面白くできます。

やり抜く組織を作るために必要なこと

最初の種となるアイデア(構想)で勝負するのではなく、コアとなるアイデアを「実現したい」という理由なきやりたい気持ちを持った人が、そのコアを実現していく過程(実行)で、実現までの日々の気づきやプラスのアイデアを生み出し続けること。それにのみ価値があると思ったほうがよいでしょう。それを満たす人は、「夢中で働くこと」を勝ち取ることができます。

結果を出すためには、夢中で働く時間を増やすことが鍵になりそうです。チームがアイデアを形にし、プロダクトやサービスをリリースするためには、やり抜く力が欠かせません。

「やらされ仕事」や雑務を減らし、楽しい仕事を増やすことがリーダーの務めです。メンバーがやる気を失うと苦しい場面ですぐにあきらめてしまいます。大企業がスタートアップ企業に負けるのはここに理由があります。

ベンチャー・スタートアップ企業では、メンバーが創業者のビジョンに共感しているため、個々のメンバーが夢中になって自ら動きます。「人・もの・カネ」の資産が豊富な大企業は、この姿勢を見習うべきです、夢中になれる楽しい仕事を増やし、「人・もの・カネ」の力を活用すれば、大企業からでもイノベーションを起こせるようになります。

大企業にありがちな合議制では改革は生まれません。個々のメンバーが当事者意識を持つこと、「やらされ仕事」をしていないチームを組成することがとても大事になります。

 “アドレナリン系で動けるのは4ヶ月間、ドーパミン系で動けるのは4年間である。” これはつまり、強制的に無理やりやっても4ヶ月しか続かないけれど、自発的にやりたいことは4年間続けられるということを言っています。

「やらされ仕事」に集中できるのは4ヶ月間だけだというのですから、能動的に自ら楽しいと思える仕事を増やさなければ、長期戦を戦えません。メンバー一人一人が楽しく働くことができれば、脳内物質のドーパミンが出て、組織にやり抜く力が生まれます。

リーダーの立場であれば、「楽しい」と感じられる軸を提示したり、共感してくれる人だけでチームを作るべきです。明るいビジョンを見せて、メンバーやパートナー、顧客の共感を得ることで、様々な課題を突破できるようになります。イノベーションを起こしたければ、リーダーはビジョンを示し、仕事に夢中になれる組織を作ることがか重要です。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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