リーダーシップはリレーションシップから!

three men sitting on chair beside tables
リーダーシップ・マスター――世界最高峰のコーチ陣による31の教え

マーシャル・ゴールドスミス, ジェームズ・M・クーゼス, バリー・Z・ポズナー
英治出版

本書の要約

リーダーシップにはリレーションシップが欠かせません。部下との良好なリレーションシップを築きたければ、明確な高い基準を設け、その基準は必ず達成されるという強い信念を示すべきです。リーダーが自ら有言実行に努めたときに、初めて組織の部下たちは成長し、業績も上がるようになります。

リーダーシップはリレーションシップ

リーダーシップはリレーションシップだ。それは一対多数のときもあれば、一対一のときもある。相手がひとりだろうと千人だろうと、リードしたいと望む人間と従うことを選んだ人間とのかかわり合いであることに変わりはない。リーダーシップの成功、ビジネスや人生での成功は、過去も未来も現在も、私たちがいかに取り組み、いかに協力するかにかかっている。リーダーには、リレーションシップを構築し維持する力が不可欠なのだ。(ジェームズ・M・クーゼス, バリー・Z・ポズナー)

サンタクララ大学リービー経営大学院のリーダーシップ論の教授のジェームズ・M・クーゼス, バリー・Z・ポズナーの2人はリーダーシップはリレーションシップだと述べています。

クーゼスとポズナーはインターネットを駆使するスキルとソーシャルスキルのどちらが5年後のビジネスに成功をもたらすかを調査した結果、72%の人がソーシャルスキルだと回答しました。重要なのはWebではなく、人とのつながりだと多くの人たちが考えていたのです。

最近のリーダーは部下との1on1を行う機会が増えていると思いますが、その際、リーダーシップを発揮するためには、リーレーションシップを持続させる必要があります。最高のリーダーは偉そうに命令をするリーダーではなく、思いやりのあるリーダーだったのです。

彼らは良好なコーチング的リレーションシップを確立し、維持するために欠かせない3つの要因を明らかにしました。
①明確な基準を設ける
②ベストを期待する
③模範を示す

①明確な基準を設ける

部下たちのハートに希望を与えるのにまず必要なのは、明確な基準を設けることだ。基準によって目標と価値観が明らかにできる。なぜなら、どちらも私たちの期待に関係しているからだ。価値観はどんなに苦しいときも支えてくれる永続的な指針となり、目標は進捗の目安を教えてくれる短期的な野心となる。人間は、信用していないものにハートを向けることはできない。個人的に合わないものにエネルギーや情熱を注ぐこともできない。きつすぎるズボンをむりやり履くことと同じだ。履き心地は悪いし、見た目もひどい。恥ずかしいし、歩きづらい。

励ましはハートから生まれます。ハートにはハートで語るようにすべきです。模範的なリーダーは穏やかで要求が高く、思いやりがあって注意深いという特徴があります。

個人的な価値観と組織の価値観の重なり合いをよく調べた結果、個人が自分の価値観を明確に意識すればするほど、組織に対する関心が高まります。価値観の共有によって効果は生まれるが、個人と組織を結びつけるものは個人の価値観なのです。目標の設定は相手の力量を認めることであり、部下のセルフイメージを上げる一因にもなります。

明確な基準と、その基準の達成度に関するポジティブなフィードバックを提供された部下たちは、それに励まされてさらなる努力を重ね、驚くべき業績をあげることになると著者たちは述べています。

リーダーは自ら模範を示そう!

②ベストを期待する

他人に信頼されると自分自身を信頼する傾向が強くなるようだ。期待は高くても低くても部下の業績に影響を及ぼすが、相手の行動と感情にプラスの影響をもたらすのは高い期待をかけたときだけだ。そしてなにより、高い期待をかけたときだけ業績は向上する。

成功するリーダーは、自分自身にも部下にも高い期待を持っています。自分や部下の能力を心から信頼し、ベストを期待することで、人は自ら動き、結果を出せるようになります。

③模範を示す
ジェームズ・M・クーゼス, バリー・Z・ポズナーとクリスティ・トンジとの共同調査の結果、コーチングの成果をあげる最も大きな要因は、「リレーションシップに力を注ぐこと」であると明らかになりました。信頼はリーダーシップの土台だと考え、部下との関係を見直しましょう。

信頼できるリーダーかどうかを見極めるために、部下はその言葉に耳を傾け、次に行動を観察すると言います。彼らはリーダーの言動と行動が一致していたら、「信頼できるリーダー」という判定を下します。部下の信頼をいつまでも維持するには、Do What You Say You Will Do(有言実行)を忘れてはならないのです。

調査によるとリーダーを個人的に信頼できれば、業績と組織への貢献度にかなり大きな影響が出るとわかりました。リーダーへの信頼は、グループの忠誠心、意欲、エネルギー、利益、生産性といった結果に直接結びつきます。

方向性を決めるのはリーダーであるあなただ。リーダー=コーチとしての役割に関して言えば、明確な高い基準を設け、その基準は必ず達成されるという強い信念を示し、自ら有言実行に努めたときに、初めて組織の部下たちは成長し、業績をあげるのだ。

ジェームズ・M・クーゼスとバリー・Z・ポズナーは、名著リーダーシップ・チャレンジの中で、以下の5つの指針を提言しています。
・模範になる
・共通のビジョンで鼓舞する
・現状を改革する
・行動できる環境を作る
・心から励ます 

優秀なリーダーは、リレーションシップの重要性に気づいています。彼らは明確な基準を設け、ベストを期待し、自ら模範を示すことで、組織を強くできるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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