TQ-心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント(ハイラム・W・スミス)の書評

round black clock on linen

TQ-心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント
ハイラム・W・スミス
SBクリエイティブ

本書の要約

ハイラム・W・スミスは「時間とは出来事のことである」と定義します。私たちは「時間を管理する」という考え方をやめて、「出来事をコントロールする」という考え方を取り入れるべきです。自分にとって最も大切なこと出来事は何かを明確にし、そのために自分の時間を使うようにするのです。

自分の価値観を明らかにしよう!

「心の安らぎ」とは、誰もが求める最高の満足感や幸福感である。時間管理とは、人生の中の出来事を効率的にコントロールするための技術や道具にすぎない。時間管理がどんなに効率的にできても、それだけでは「心の安らぎ」は得られないのだ。ハイラム・W・スミス

人生100年時代に老後の幸福度を高めることに注目が集まっています。しかし、今が幸せでなければ、いくら未来の幸せを望んでも、それを得られる可能性は低くなります。未来ばかりにフォーカスするのではなく、今という時間を見直すべきです。

しかし、私たちは多くのタスクを詰め込むことで、自分を忙しくし、幸福度を下げています。本当にやりたいことに時間を使わずに、「時間がない」という言い訳を繰り返しているのです。自分の人生の目標を考えることなしに、不要なタスクばかりを増やしていると、人生の満足度が下がってしまいます。

多くのタイムマネジメントでは効率性を高めること目指しますが、これでは新たに生まれた時間に別の仕事がなだれ込んでくるだけで、自分をより忙しくするだけです。

「心の安らぎ」を得る秘訣は、私たちの価値観において最も大切なものは何かをまず知ることから始まる。つまり、自分の人生において最も重要なことは何かということを考えてみることである。そのうえで、その価値観を日々の行動に反映させていく。言い換えれば、人生で私たちが大切にしているものを達成できなければ、時間管理をどんなにうまくやっていたとしても意味がないということだ。  

単に時間を管理することをやめ、自分の人生をコントロールすべきです。自分の価値観を明らかにし、日々の行動に反映させていくことで、人生を変えることができます。

人生をこう過ごしたい、こうありたいと思う価値観に基づいて日々の出来事を管理し、優先順位を決めることで、結果が変わります。今を真剣に生きること、それを積み重ねることで幸福度がアップします。

著者のハイラム・W・スミスは「時間とは出来事のことである」と定義します。時間とは、出来事が過去から現在、未来へと続いていく連続体だと考えることで、自分の行動を変えられます。時間をコントロールするということは、人生のなかの出来事をコントロールすることなのです。

その上で「コントロールできる出来事」と「コントロールできない出来事」を分けて、コントロールできることにフォーカスすべきです。私は自分にコントロールできる起床時間や朝時間、家族との時間、読書時間、健康などをコントロールすることにしました。

自分をコントロールする10の法則

毎日達成している仕事の量だけで生産性が測られると思い込んで、大きな損失をこうむる人がいる。たくさんのことを達成しているように見えても実は肝心なことはほとんど達成しておらず、やがてバランスを失ったり、燃え尽きたりして、自分自身はおろか、喜ばそうと思う人をも裏切ってしまうことになる。

効率性をアップするのをやめ、自分の目標と価値観に基づいた日課リストを作成することで、自分の行動を変えられます。私は毎朝、自分のビジョンとその日の日課を確認し、自分にとって重要なことから、優先順位を決めています。この朝の儀式を習慣化し、日々の出来事をコントロールすることで、結果を出せるようになりました。

日々の自分の生活をコントロールできるようになると、自信が生まれ、「心の安らぎ」を得られるようになります。自分にとって大切なものをつまらない仕事に奪われないようにすることで、自分らしく生きられるようになるのです。自分にとって最も大切なことは何なのかを明確にし、それを基準に日々の生活を送ることで、幸福度がアップします。

著者は以下の5つのステップで、自分の行動を振り返り、自分の目標と価値観を明らかにするとよいと指摘します。
1、悪い結果をもたらす「行動パターン」を特定する。
2、その行動を生み出している「想い」を明確にする。
3、その「想い」によって生まれる「将来の行動」を予測する。
4、もっと良い結果を生み出す「新しい想い」を打ち出す。
5、その「新しい想い」によって生まれる「将来の望ましい行動」 を予測する。

人生における真の成功は、あなたが自分の個性と独自性に対して誠実に生きることによってのみもたらされるものである。

著者の「10の自然の法則」を実践することで、他者に貢献できるだけでなく、心の安らぎを得られるようになります。

第1の法則 「時間」をコントロールすることにより「人生」をコントロールする   
第2の法則 価値観が自己実現の土台である   
第3の法則 日々の行動が価値観を反映しているとき、「心の安らぎ」を経験する   
第4の法則 有意義な目標は「安心領域(安楽と怠惰の習慣)」を出ることによって達成される   
第5の法則 毎日の計画は集中力を高め、時間の有効活用を可能にする
第6の法則 行動とは自分の本当の想いを反映したものである   
第7の法則 想いが現実に即しているとき、自分の欲求が満たされる   
第8の法則 誤った想いを改めることにより、否定的な行動は克服できる    
第9の法則 本当の自尊心とは自分の中から生まれてくるものである   
第10の法則 多くを与えれば多くを得られる

私たちは「時間を管理する」という考え方をやめて、「出来事をコントロールする」という考え方を取り入れるべきです。自分にとって最も大切なこと出来事は何かを明確にし、そのために自分の時間を使うようにするのです。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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