THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す(アダム・グラント)の書評

woman sitting on brown rock during daytime
THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す
アダム・グラント
三笠書房

本書の要約

過去の知識や体験を時に見直すことが重要になっています。現代のような変化の激しい時代には、学び直しをしなければ、時代に取り残されてしまいます。過去の自分をデタッチし、アンラーニング(既存の知識や習慣を捨てること)を行うことで、自分をアップデートできるようになります。

アンラーニングが重要な理由

変化の激しい時代を生きるために、考えること・学ぶこと以上に貴重な認知スキルがある。それは、「考え直す、学びほぐす(知識をリセットし、学び直す)」能力だ。(アダム・グラント)

過去の知識や体験を時に見直すことが重要になっています。現代のような変化の激しい時代には、学び直しをしなければ、時代に取り残されてしまいます。

ペンシルベニア大学ウォートン校教授のアダム・グラントは、再考すること、周囲の人からより多くのことを学ぶことで、後悔のない人生を歩めるようになると述べています。人生には自分のアイデンティティで最も大切な部分を捨てるべき時があり、その時を悟ることが、真の英知だと指摘します。

めまぐるしく変化する社会では、人は考えることと同じくらいの時間を、再考にも費やす必要があります。再考するとは能力や技能であると同時に、ものの見方を変える心構えなのです。

欠点を自覚することで懐疑への道が開かれる。欠けている知識を問うことで、自分が持たない情報に対する好奇心が生まれる。探し求めるうちに新しい何かを発見し、「学ぶべきこと、発見すべきことは、まだたくさんある」と自覚することで、謙虚さを保てる。知識がパワーであるなら、無知に気づくことは英知といえるだろう。

自分の固執を分離(デタッチ)することで、自分を変えられるようになります。現在の自分を過去の自分から分離することは、とても効果があります。私はアルコールをやめることで、過去とのデタッチに成功しました。酒を飲んでいた時間を読書とアウトプットの時間に変えることで、新たな自分を手に入れることに成功します。

また、自分の意見や考えを自分のアイデンティティから分離することで、世の中の見え方が変化します。時代の変化に合わせて、アンラーニング(既存の知識や習慣を捨てること)を行うことで、自分をアップデートできるのです。

動機づけ面接の効果とは?

動機づけ面接を行なうには、謙虚さと相手への関心が必要だ。私たちは、相手が変わってもいいと思う動機が何かについて知らないが、純粋に相手を知りたいと思うことはできる。

動機づけ面接は、人は他者の行動や考え方を変えることはできない、という前提に立っています。無理に人々を変えようとするのではなく、彼らが自力で変われるように、動機を見つける手助けをすることで、変化が起こせるようになるのです。

動機づけ面接によって、相手との関係を改善できます。相手が過信サイクルから抜け出せるよう、そして新しい可能性を見つけられるように手を貸すことで、相手の変化をサポートできます。

動機づけ面接は、以下の3つの技術で成り立ちます。
・開かれた質問を投げかける
・聞き返しを行なう
・変わろうとする意思や能力を是認する

医療・健康分野の専門家たちは動機づけ面接を用いて、喫煙、薬物やアルコールへの依存、ギャンブル、危険な性行為などのさまざまな悪習を断つことをサポートします。彼らは食習慣や生活習慣を向上させ、さらには摂食障害や肥満を克服できるようになるのです。

相手の心を開かせるのに最も効果的なのは、耳を傾けることだ。多くの人は行動や考えを変えたいと思う時、相反する感情を持つ。変わりたい願望はあるのだが、その一方で、現状を維持したい願望もあるのだ。

まず、相手に質問を投げかけて、維持トーク(相手が悪習慣を維持したい理由)に耳を傾け、チェンジトークを引き出します。その後、なぜ、どのように対象者が自分を変えていきたいのかを質問します。

親身に、公平な態度でじっと耳を傾ける人と対話することで、人々の不安は軽減され、自己防衛が緩和されることがわかっています。

人々は思考の矛盾を避けようとするプレッシャーをあまり感じなくなり、自分の意見を熟考し、心の内のニュアンスに気づき、思ったことを率直に述べられるようになるのです。

こちらが耳を傾けることで、相手は誰にも干渉されることなく、変化について考えられるようになります。相手は傾聴によって、思いやりや尊敬の念も伝えられ、良い人間関係を築けるようになります。



この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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