デジタル依存を抜け出す方法!ベンジャミン・ハーディのFULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略の書評


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FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略
著者:ベンジャミン・ハーディ
出版社:サンマーク出版

本書の要約

iPhoneなどのデジタルギアが普及し、それに依存する人が増えています。自宅での仕事が当たり前になり、ソーシャルメディアから離れられなくなり、心と体の健康を蝕んでいます。依存症は人との健全なつながりの欠如が顕在化したもので、孤立と孤独の産物です。デジタルギアを使わない時間をつくり、家族や友人とのつながりを持ちましょう。

デジタル依存を避ける方法

「いついかなるときでも連絡が取れる」というのが、私たち(とりわけミレニアル世代)の初期設定になっている。これは立派なことでもないし、効果的でもない。(ベンジャミン・ハーディ)

ベンジャミン・ハーディFULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略の書評を続けます。今日はデジタル依存の問題点を整理します。常にデジタルギアを使うことで、私たちは心と体の健康を蝕んでいます。仕事の生産性を高めるためにも、休養をしっかりととらねばなりません。産業心理学の研究によると「集中して効果的に仕事をこなすには、心理的に仕事と自分を切り離す方法を学ぶ必要がある」ことがわかっています。

仕事をしていない間は、仕事に関連した活動や考えを一切しない方が、よいアイデアが浮かびます。ぼーっとする時間を持つことで、私たちは「ひらめき」を得てます。しかし、iPhoneがこれを邪魔します。オフィスだけでなく、寝室でも、リビングでも仕事をする羽目になった私たちは、いつも何かにつながり、脳と体にストレスを与えています。

研究によると、心理的に仕事から離れることで、私たちは以下の効果を得られます。
■「仕事からの疲れ」が減る。
■物事を「後回し」にしなくなる
■仕事でもっと「集中」できるようになる。活力、献身、熱中(すなわち「フロー」)といえる状態になる
■生活の質に直接関係する「ワーク・ライフ・バランス」が向上する
■「結婚生活への満足度」が向上する
■「精神的な健康度」が高まる

仕事からきちんと離れないと、うつになる可能性がずっと高くなり、人間関係は損なわれ、健康も害してしまう。あなたは、すべてがつながった「システム」なのだ。

人はテクノロジーなどで常時つながっているために、ストレスを常に受け続けます。このストレスは無意識で受けているものですが、それが影響し、心と体を老けさせます。休息が足りず、回復していない中で、人はコーヒーや刺激物に依存し、ますます心と体を蝕みます。

仕事を心理的に切り離す唯一の方法は、「初期設定」を変えることだと著者は指摘します。仕事やテクノロジーに健全な制限を設けるようにすべきです。同僚や上司に対しても、「今後は1日のうちに特定の時間は返事ができないようになる」と伝え、自分の時間を大切にするようにしましょう!

依存症から逃れるためにつながりを意識しよう!

仕事を心理的に自分から切り離すためのルーティンが必要となる。せなら、「儀式化」してしまうことだ。 オンモードだった心のスイッチを、パチンとオフモードに切り替える。こうすることで、家に帰り、大切な家族のために心も体もそこにいてあげられるようになる。

仕事を終えて帰宅する前に、翌日または翌週の最優先事項を書き出すようにします。自分の考えを書き出したら、いつまでもそのことを考えたり、覚えておくよう努力したりする必要がなくなります。書き出して自分の頭の外にある環境に任せることで、プライベートな時間を取り戻せます。

著者は自宅では、携帯電話を「機内モード」にし、自分の時間を取り戻しています。携帯電話に関しては、機内モードにするだけでなく、職場に置いていくか、かばんにしまっておくとよいと言います。プライベートもしっかりと充実できるように、仕事から自分を切り離そことで、家族との時間を楽しめるようになるのです。

依存症の反対は「つながり」だ。依存症とは実のところ、人との健全なつながりの欠如が顕在化したもので、孤立と孤独の産物であり、さらなる孤独を生む悪循環を作り出す。

依存症のセラピストであるクレイグ・ナッケンは、「依存症を抱えている人の人生には、常に依存症に関連したものが溢れている。その人は、人との親密な関係を恐れるようになってしまい、そこにつながりそうなものを避けるようになる」と述べています。依存症患者はしばしば、自分の問題を人のせいにします。人は自分をわかってくれないと思い込み、人を避けるようになるのです。

ジョナサン・ハリも依存症から脱出するには人間と深くつながることが大事だと言います。

みなさんがTEDに来るチケットを買うお金があるということは、今後半年間、ウォッカを買って飲み続けるお金もあるということです。でもそんなこと、しませんよね。そしてそれをしない理由は、誰かに止められているからではありません。あなたが一緒にいたいと思う人との、絆やつながりがあるからです。あなたには大好きな仕事や愛する人、そして健全な人間関係があります。依存症の核の部分にあるものはつまり、『(一般的に思われるような)人生に耐えられない』という思いではないのです。(ジョナサン・ハリ)

人は意義深い人間関係がないとき、その空洞を他の何かで埋めようと必死に探し求めます。スマートフォンがその心の隙間を埋め、デジタルギアに依存し、人とのコミュニケーションを減らしています。ソーシャルメディアで友人と密接につながっているにもかかわらず、人はこれまでにないほど孤独になっています。

私たちは、隣人がいない生活スタイルを発達させてきた。アメリ力人は50年前と比べ、家族や友達と一緒に食事をする機会が平均で半減している。親しい友人の数も平均で半減している。(ビル・マッキンベン)

自分を助けてくれるであろう家族や仲間とはずっと離れたまま、依存症から抜け出そうと意志力を使ってがんばろうとしても、孤独からは抜け出せません。 人生において、他の人たち以上に大切なものなどありません。

配偶者、子ども、近しい家族、親しい友達が、もっとも深い喜びを運んできてくれます。よい人間関係こそが、「最高の自分になって人生で最善を尽くそう」と思わせる推進力になり、自分をよりよくしてくれるのです。デジタルギアから離れる時間をつくり、家族や友人との絆を深めるようにしましょう!

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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