それでもなお、人を愛しなさい。人生の意味を見つけるための逆説の10カ条(ケント・M・キース)の書評

three men and one woman laughing during daytime
それでもなお、人を愛しなさい。人生の意味を見つけるための逆説の10カ条
ケント・M・キース
早川書房

本書の要約

ケント・M・キースの「逆説の10カ条」を実践することで、生きる意味に満ちた人生を送れるようになります。自分の人生に意味を見つけると、自分の行動が変わります。自分のパーパスに目覚めると嫌な人の存在も許せるようになり、他者に貢献できるようになるのです。

逆説の10カ条とは何か?

世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。 (ケント・M・キース)

ケント・M・キースそれでもなお、人を愛しなさい。人生の意味を見つけるための逆説の10カ条を再読しています。キースは「逆説の10カ条」で有名ですが、世界がどんなに狂っていても、人として善行を尽くすことが重要だと述べています。ケント・M・キースのこの教えは、「マザー・テレサ語る」に掲載されたことによって有名になり、多くの人に影響を及ぼしています。

■逆説の10カ条
1、人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。 それでもなお、人を愛しなさい。

2、何かよいことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。 それでもなお、良いことをしなさい。

3、成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。 それでもなお、成功しなさい。

4、今日の善行は、明日になれば忘れられてしまうだろう。 それでもなお、良いことをしなさい。

5、正直で率直なあり方はあなたを無防備にするだろう。 それでもなお、正直で率直なあなたでいなさい。

6、もっと大きな考えをもったもっとも大きな男女は、もっとも小さな心を持ったもっとも小さな男女によって、撃ち落とされるかもしれない。 それでもなお、大きな考えをもちなさい。

7、人は弱者をひいきにするが、勝者の後にしかついていかない。 それでもなお、弱者のために戦いなさい。

8、何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。 それでもなお、築きあげなさい。

9、 人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。それでもなお、人を助けなさい。

10、世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。

最善を尽くすことの代償は高くつく可能性があります。しかし、それよりも高くつく唯一の代償は、最善を尽くさないことです。最善を尽くさなければ、あなたは本来のあなたではないのですから。

自分にしかできない価値を発見し、他者に貢献することで、人生がワクワクなものに変わります。自分のパーパスに目覚めると嫌な人の存在も許せるようになり、他者への貢献を実践できるようになるのです。

まずは、自分自身を変えることからスタートしよう!

確かに、この世界は狂っています。あなたにとってこの世界が意味をなさないと言うのなら、それはあなたの言うとおりです。この世界はまったく意味をなしていません。大切なことは、それについて不平を言うことではありません。希望をすてることでもありません。それはこういうことです。世界は意味をなしていません。しかし、あなた自身は意味をなすことが可能なのです。あなた自身は一人の人間としての意味を発見できるのです。

この世界では狂っていることが、たくさん起きますが、自分を狂人に変えずに正しい存在として、人生を送ることも可能です。

「逆説」とは皆が信じている意見とは対照的な考えであり、常識と矛盾しているようでありながら、実はその中に真実が隠されています。キースはこの逆説の10力条を実践することで、生きる意味を見つけられるようになると指摘します。

逆説的な人生を送るということは、あるタイプの人間になるということです。つまり、あなたが属する社会や会社がプレッシャーをかけてこうなりなさいといっているような自分になるのではなく、本当の自分、あるべき自分になるということかもしれません。自分にとって一番大切なものとは何だろうと問いかけ、その価値観を生きることです。それは人間としてのあなたの誠実さ、完全さ、信憑性の問題です。

自分を自立させ、主体的に生きられるようになれば、他の人を愛し助ける能力はさらに助長されます。そのためには、規則的に運動して、正しい食事を摂り、充分な睡眠をとることが大切になります。心と体の健康を取り戻すこと、自分を再生させるための時間をしっかりと確保するようにしましょう。

自分が価値を提供できることを明確にし、選択することが大切です。社会の常識とは異なる人生を送ることは勇気のいることですが、いきなり多くを求めるのではなく、自分の得意分野から始めるようにしましょう。最初から完璧を目指したり、全てをやり切ろうとするのではなく、バランスをとることで、燃え尽き症候群になることを防げます。

この狂った世界に流されるのではなく、逆説的な10カ条を実践することで、幸せな時間を増やせるのです。



この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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