サイコパスに学ぶ成功法則
ケヴィン・ダットン、アンディ・マクナブ
竹書房
サイコパスに学ぶ成功法則 の要約
サイコパスという言葉には一般的にネガティブなイメージがつきまといますが、実はその特性をうまく活用することで、成功への道を切り開くことができるのです。ケヴィン・ダットンが明らかにした「良いサイコパス」の7つの特性を実践することで、運を高められるようになります。
良いサイコパスが成功する理由
サイコパス的な特性は、出世を後押しする。つまりあなたの人生を成功に導くことができる。 ② サイコパス的な特性は、もともと持っている才能を増幅させる。つまりあなたを機能的にする。(ケヴィン・ダットン)
オックスフォード大学実験心理学部の主任研究員ケヴィン・ダットンとカリスマ軍人・小説家のアンディ・マクナブが共著した本書は、通常「悪い」とされるサイコパスの特性が、実は成功者に共通する性質であることに着目しています。私たちが良いサイコパスの特性を理解し、行動することで、運を高められると言うのです。
サイコパスには悪いサイコパスと良いサイコパスがあり、それを分ける重要な要素は知性であり、これは家庭環境、社会環境、教育背景、遺伝などが総合的に関与しています。サイコパスの特性を調整可能なダイアルに例えると、適切にチューニングすることで良い面を活用できるとされています。良いサイコパスは、自分の人格を社会のために活用するという才能を持っているのです。
サイコパスの良い面として、以下の特性が挙げられています。
・ 冷酷
感情に流されず、冷静に物事を判断する力。
・恐怖心の欠如
困難な状況でも恐れずに行動できる。先延ばしをしない。
・衝動性
即座に行動を起こす決断力。
・自信
自分の能力に対する揺るぎない信念。
・高い集中力
集中力を維持し、タスクに取り組む能力。
・重圧下での冷静さ
ストレスがかかる状況でも冷静でいられる。
・精神的な強さ
精神的に強靭で、逆境にも耐える力。
・魅力
人を引きつける魅力。
・カリスマ性
リーダーシップを発揮し、人々を導く力。
・共感度の低さ
他人の感情に左右されずに行動できる。
・良心の欠如
必要なときに冷徹な判断ができる。
外科医として成功するためには、高い技術と専門知識が必要ですが、それに加えて、患者に感情移入せずに冷静に手術を行う能力が求められます。感情的にならず、冷静沈着に手術を行えるサイコパスの特性は、命を救う場面で非常に重要です。これにより、手術の成功率が高まり、外科医としてのキャリアも向上します。
リーマンショックのような市場の大きな変動時には、恐怖心に打ち勝ち、冷静に取引を行うことが求められます。サイコパスの冷静沈着な特性を持つヘッジファンドマネージャーは、パニックに陥ることなく、リラックスしながらトレードを行い、圧倒的なパフォーマンスを実現することができます。このような特性は、金融市場での成功に直結します。
良いサイコパスになるための七大行動原則
著者は良いサイコパスになるための七大行動原則を明らかにしています。
1. 実行あるのみ
先延ばしとは、「重要性の低い活動のために、計画または予定されている行動を延期すること」と定義できる。
アングリーバードや高機能ゲーム機、スマホのゲーム、フェイスブック、ツイッターなどの新しいテクノロジーの出現により、先延ばしする人が増えています。1970年代末には、自分が常習的に先延ばしをするタイプだと考えていた人は人口の約5%でしたが、現在では約25%に達しています。しかし、良いサイコパスは、このような先延ばしをする人物とは明らかに異なります。
良いサイコパスのミキシング・コンソールにある「恐怖心の欠如のダイヤル」は、最大値に固定されているわけではなく、調整が可能です。状況に応じて、このダイヤルを大きくしたり小さくしたりすることができます。リスクが少ない場合には、良いサイコパスはすぐに行動に移せます。しかし、危険が発生し、何らかの対応が必要な場合には、このダイヤルを大きく回すことで、トラブルを回避できるのです。
やるべきことが見つかったら、すぐに行動を起こすことが最も重要です。計画や準備も大切ですが、最終的には実行しなければ何も始まりません。行動を積み重ねることで、成功への道が開けます。
2. ここぞというときにやり遂げる
本当のよいサイコパス式の考え方では、損失の可能性ではなく利益の可能性に意識を集中させる。
普通の人はリスクに敏感で、行動をためらいます。確かに損失回避の行動は安全策ですが、成功への道を閉ざすことがあります。一方、良いサイコパスは損失よりも利益に焦点を当てます。彼らはリスクを冷静に評価し、損失の可能性を最小限に抑えながら、利益の可能性を最大化する方法を模索します。この思考法は、恐怖心をコントロールし、積極的に行動するための鍵となります。
チャンスが訪れたときに、全力でそれを掴み取り、やり遂げることが求められます。決断力と集中力を発揮し、成果を出すために全力を尽くします。
3. 自分に正直になる
他人の視線を気にせずに、自分の気持ちや意見に正直であることが大切です。同調圧力に流されず、自分の価値観を大切にすることで、真の充実感を得ることができます。いつもイエスというのをやめ、自分がやりたくないことにはノーと言うべきです。
4. 説得の黒帯になる
他人を説得するスキルを磨くことが重要です。相手の立場や感情を理解し、効果的にコミュニケーションを取ることで、自分の意見を受け入れてもらいやすくなります。
5. 我慢せずに怒りを抑える
サイコパスは不屈の立ち直り能力を持っていて、人生において〝冷酷な仕打ちを受けてもまったく気にしない〟姿勢を貫いている。そう、こうした態度は自身の利益にあまりにも無頓着であるように見えるが、一方で非常に有益な場合もある。
サイコパスの不屈の立ち直り能力と報酬への集中力は、多くの困難や挑戦を乗り越えるための強力な武器となります。彼らは感情に支配されず、冷静に物事を判断し、最善の行動を取ることができます。このような特性は、成功を追求する上で非常に有益です。
感情をコントロールし、個人的な屈辱を感じずに前進する姿勢を身につけることで、私たちはより多くの目標を達成し、成功を収めることができるでしょう。
6. いまを生きる
過去に囚われず、未来を過度に心配することなく、現在の瞬間に集中します。今この瞬間に全力を尽くすことで、成果を最大化することができます。
7. 感情に流されずに行動する
感情に支配されず、理性的に行動することが重要です。冷静な判断と行動力を持つことで、困難な状況でも効果的に対応することができます。
良いサイコパスになるための七大行動原則は、成功への重要なステップを示しています。これらの原則を実践することで、困難な状況でも冷静に対応し、自分の目標を達成するための力を養うことができます。感情に流されず、理性的に行動し続けることで、成功への道が開けるのです。
良いサイコパスの成功特性
成功するためには、どのような特性が必要なのでしょうか?成功しない人の特性と、良きサイコパスの人格特性を比較することで、その答えを探ってみましょう。
▪️成功しない人の特性
・言い訳をする
問題が起きたときに、自分の責任を回避しようとする。
・他人を責める
自分の失敗を他人のせいにしてしまう。
・八方美人である
全ての人に好かれようとして、自分を見失う。
・意気地なしである
困難に直面するとすぐに諦める。
・屈する
プレッシャーや困難に負けてしまう。
・過去をくよくよ思い悩む
過去の失敗に囚われて前に進めない。
・先延ばしにする
やるべきことを後回しにしてしまう。
・考えすぎる
行動を起こす前に過度に悩んでしまう。
・うまくいかないことは何でも自分のせいだと考える
自己否定的な思考に陥る。
・先のことを心配しすぎる
未来の不確実性に対して過度に不安を感じる。
▪️良いサイコパスの人格特性
・結果を出す
目標を達成するために努力し、成果を上げる。
・責任を取る
自分の行動に対して責任を持つ。
・自分に正直である
自分の気持ちや意見を正直に表現する。
・やるべきことをやる
必要なタスクを確実に実行する。
・屈辱に耐える
困難や失敗に屈せず、耐える強さを持つ。
・すぐ次に切り替える
失敗してもすぐに次のステップに進む。
・すぐ実行する
計画を立てたら、すぐに行動に移す。
・素早く片付ける
タスクを効率的に処理する。
・仕事上と割り切る
感情を抑え、仕事に集中する。
・目の前にある仕事に集中する
現在のタスクに全力を注ぐ。
人生にはいいこともあれば、悪いこともある。嫌なことがあっても、何とかやっていくしかないのだ。
良いサイコパスの特性を参考に、自分自身の行動を見直し、必要な変化を取り入れることで、より効果的に目標を達成し、成功に近づくことができます。自己責任を持ち、迅速に行動し、失敗から学び、次に進む姿勢を持つことで、私たちは困難な状況でも前向きに進む力を得ることができます。このような特性を身につけることで、人生の様々な試練に立ち向かい、成功を収めることができるでしょう。
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