ジェーン・バーキンの言葉(山口路子)の書評

A large pink bag sitting on the side of a road

書籍:ジェーン・バーキンの言葉
著者:山口路子
出版社:大和書房
ASIN ‏ : ‎ B07CNQKB6R

30秒でわかる本書のポイント

【結論】:本書は、3年前に亡くなったジェーン・バーキンという永遠のファッションアイコンが残した言葉を通じて、年齢や困難に抗うのではなく、しなやかに受け入れる「変容の美学」を学ぶ一冊です。
【理由】:結婚や離婚、そして愛娘の死という人生の大きな波乱を経験しながらも、彼女は変化を恐れず、常にありのままの自分を更新し続けました。その姿勢が、読む者に深い勇気を与えます。
【対策】:彼女の飾らない哲学に触れることで、日常の小さな好奇心を大切にし、他人の評価や固定観念から自由になる生き方のヒントを得ることができます。好奇心をこち続けることで、年齢の呪縛からも解放されます。

本書の要約

山口路子氏による『ジェーン・バーキンの言葉』は、永遠のファッションアイコンとして知られる彼女の言葉を通じて、そのしなやかな生き方と美学を紐解く一冊です。本書は、結婚や離婚、そして愛娘の死といった波乱に満ちた人生を歩みながら、変化を恐れずに自らを更新し続けた彼女の強さを描き出しています。単なる名言集にとどまらず、彼女がどのように世界と向き合い、自分自身を受け入れてきたかを探求する人間ドラマでもあります。

こんな人におすすめ

・年齢を重ねることに漠然とした不安を感じている人
・完璧を求めすぎて、自分らしさを見失いがちな人
・ファッションやライフスタイルにおいて、自然体な美しさを模索している人
・人生の困難や転機に直面し、しなやかに乗り越えるヒントが欲しい人

本書から得られるメリット

・固定観念から解放され、ありのままの自分を肯定する力が湧いてくる
・加齢をネガティブなものではなく、豊かな「変容」として捉え直すことができる
・自分らしい価値基準で、人生をエンジョイできるようになる
・仕事でも私生活でも、好奇心を失わずに学び続ける姿勢を取り戻せる

ジェーン・バーキンに学ぶ、年齢に束縛されない生き方とは?

若いころは、 六十歳なんて 人生の終わりと思っていたけれど、 そんなことはないわ。(ジェーン・バーキン)

先日、エルメスの時価総額について調べていた際、ふと、三年前に亡くなったジェーン・バーキンの言葉を読みたくなり、本書を購入しました。

世界中の女性が憧れるエルメスの名作バッグ「バーキン」。その由来をご存じの方も多いでしょう。1984年、パリからロンドンへ向かう飛行機の中で、ジェーン・バーキンは偶然にも当時のエルメス社長、ジャン=ルイ・デュマと隣り合わせになりました。彼女が愛用していた籐のかごバッグから中身がこぼれ落ちたのを見たデュマに対し、彼女は「若い母親の荷物が全部入るような、実用的なバッグがない」と語りました。

この機内でのささいな会話と彼女の飾らないニーズこそが、後に世界を魅了するバーキンバッグ誕生のきっかけとなったのです。 好奇心をもち続けること。これはよく言われることではありますが、実際、人を真の意味で生かし続けるためのエネルギーの源になるのです。 好奇心という「生のエネルギー」 好奇心を持ち続けることは、使い古された精神論のように聞こえるかもしれません。

しかし、実際には人を真の意味で生かし続けるための、最も純度の高いエネルギー源になります。 ジェーンのエピソードが教えてくれるのは、好奇心とは単に「新しいものを知る」ことだけではなく、目の前の現実に「なぜ?」と問いかけ、より良い形を模索する「生への能動的な姿勢」だということです。

もし、彼女が「エルメスの社長」という肩書きに気後れし、自分の不便さを表現しなければ、あのバッグはこの世に生まれていません。彼女の好奇心は、権威や常識に向かうのではなく、常に「自分の生活をどう豊かにするか」という切実な実感に向かっていました。

年齢を重ねるほど、私たちは経験というフィルターを通して物事を見るようになります。それは効率的ですが、同時に「これはこういうものだ」という決めつけを生み、好奇心の芽を摘んでしまう危うさも孕んでいます。

しかし、日常の些細な違和感をスルーせず、それを言葉にし、アクションへと繋げる力があれば、幾つになっても人生をエンジョイできます。

美しく年を重ねる秘訣は、よく眠ることとよく笑うこと。そして自分のしたいことをすること。

年齢を重ねる。それは、身体的な変化という避けられない現実を受け入れていくプロセスです。多くの人はこれを「衰え」と捉え、若さを維持することに執着しますが、ジェーン・バーキンは最後まで自分の欲求に対して忠実でした。

振り返れば、若い頃の私はあまりにも多くの「外的な要因」に振り回されていました。常に意識のどこかにあったのは、他人の評価という無言の圧力です。「周囲からどう見られているか」「自分の選択は正解なのか」といった不安から、他者の期待に応えることばかりに心血を注いでいました。

そこには、年収や役職といった数字で測られる「社会的な成功」への執着もありました。少しでも上の立場へ、少しでも価値のある人間だと思われたいという欲求から、等身大の自分を誇張し、無理な背伸びを繰り返していたのです。当時はそれが社会で生き抜くための合理的な戦略だと信じていましたが、今思えば、そうした過剰な自己演出のせいで、自分自身の心の声を見失っていました。

しかし、63歳という年齢を迎え、自分のキャリアや働き方を見直す中で、こうした付随的な要素は自然と削ぎ落とされていきました。60代を過ぎてからの人生では、かつての虚栄心は消え去っています。

人生の時間は限られており、残されたリソースは無限ではありません。だからこそ、今この瞬間を充実させるためには、「やらないこと」を明確に決める勇気が不可欠です。 自分のやりたいことに正直でいることは、決して自分勝手な「わがまま」ではありません。

むしろ、自分自身の核にある「これが好きだ」「これだけは譲れない」という内面的な価値観を優先することで、結果としてより有意義な時間を過ごせるようになるのです。

バーキンの言葉をビジネスに活用する!

いつ来るかわからない仕事を じっと待っているなんてうんざり。 そう思ったら、自分から アクションを起こすべきよ。

本書の中で、私の心に最も深く突き刺さったのは、「いつ来るかわからない仕事をじっと待っているなんてうんざり。そう思ったら、自分からアクションを起こすべきよ」という一節です。

バーキンは絶えず変化を続けました。彼女の人生、変容の歴史を読むと勇気をもらえます。特に定年退職やキャリアの大きな転換期を迎える世代にとって、最大の敵は「待ち」の姿勢に他なりません。

「誰かが自分の経験を見つけてくれるのを待つ」 「新しいチャンスが向こうから扉を叩くのを待つ」 「社会がいつか自分の真価を認めてくれるのを待つ」 ……しかし、残酷なことに、待っているだけでは何も起こりません。

バーキンが私たちに示してくれたのは、人生を真に活性化させる唯一のエネルギー源は、好奇心に根ざした「自分からのアクション」だけだという真実です。彼女は、それがどんなに小さな叫びであっても、自分が正しいと信じること、興味があることには声を上げ、当事者として参加し続けました。

私自身、63歳になった今も、毎日を十分に楽しめている自負があります。その理由は、一貫して「アクション」を止めなかった、その一点に尽きます。

たとえば、進化の速い生成AIなどの新しいテクノロジーを遠ざけるのではなく、子供のような好奇心でまず触れてみること。

あるいは、あらかじめ決められた予定調和を捨て、見知らぬ土地へ一人で足を運んでみること。さらには、年齢の壁を自ら取り払い、20代や30代の世代と積極的に交流すること。 これらはすべて、私が自ら仕掛けたアクションです。こうした一歩を踏み出すのに、大仰な準備も巨額の資金も必要ありません。

ジェーン・バーキンが機内で、たまたま隣り合わせた男性に自分の不便さを率直に打ち明けたように、日常の些細な瞬間にふと湧き上がった違和感や好奇心に、ただ素直に従ってみる。その軽やかな一歩こそが、昨日までは想像もしていなかった全く新しい方向へと、人生の道を切り拓いていくのです。

コンサルタント徳本昌大のView

人生の後半戦に入るほど、私たちを支えるのはスキルや肩書きだけではなくなります。むしろ問われるのは、日々をどう整え、何を喜び、どんな感性を守るかという「生き方の設計思想」です。ここが定まっている人は、環境が変わっても折れにくい。逆にここが曖昧だと、外部評価の波にそのまま連れていかれます。

ジェーン・バーキンの言葉が鋭いのは、その思想が観念ではなく習慣にまで落ちているからでしょう。よく眠ること、よく笑うこと、そして自分のしたいことをすること。これは「気分よく生きよう」という甘い励ましではありません。

情報過多と他者評価で消耗しがちな現代に対して、コンディションを自分でマネジメントし、欲望に自分で責任を持つべきだと告げる、実務的で本質的なメッセージです。

彼女にとって年齢を重ねることは、決して「衰え」ではありません。それは、周囲の雑音(ノイズ)を削ぎ落とし、自分にとって本当に大切なものだけを選び抜く、洗練のプロセスでもありました。 何より彼女を象徴するのは、「行動すること」への強い意志です。

何より彼女を象徴するのは、「行動すること」への強い意志です。東日本大震災直後にすぐに来日し、ボランティア活動を行うなど、バーキンは絶えずアクションを続けました。どんなに小さなことでも、自分にできることがあれば迷わず参加し、声を上げ続ける。その飾り気のない勇気こそが、彼女の言葉に時代を超えた重みを与えています。

「自分らしく、今この瞬間を生きる」というジェーン・バーキンの信条は、変化の多い時代を生きる私たちに、一歩踏み出すための勇気を与えてくれます。

最強Appleフレームワーク

 

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

Ewilジャパン取締役COO
Quants株式会社社外取締役
Mamasan&Company 株式会社社外取締役
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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