スタンフォードのストレスを力に変える教科書(ケリー・マクゴニカル著)の書評

ストレスとは、自分にとって大切なものが脅かされるときに生じるものである。(ケリー・マクゴニカル)

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ケリー・マクゴニカルの新刊スタンフォードのストレスを力に変える教科書によると
ネガティブに捉えがちなストレスが、実は人生を豊かにすることがわかってきました。
ストレスを避けるのではなく、受け入れてうまくつきあっていくことで
レジリエンスが身につき、人生をよりよいものにできるというのです。
ストレスにはいろいろな種類があり、その対処法もそれぞれ異なります。
ですから、自分の抱えている問題に対して、最も適切な方法を選ぶ必要があります。

ストレスを受け入れると、自分自身のことを以前とはちがう目で見られるようになり、それまでは無理だと思い込んでいたことも、できるかもしれないど思えるようになるからです。しかもそれは、頭のなかだけで起こる変化ではありません。ストレスのよい面に注目すると、ストレスを感じたときに体や心に表れる反応も変わってきます。さらには、問題への対処のしかたも変わります。

ストレスのよい面を見つけるという考え方を取り入れることで
私たちは感情や体のコントロールができるようになります。
大変なときでも、あえて困難な問題に立ち向かっていけるようになれば
自分の可能性を広げられ、人生をハッピーにできるのです。
そのためには、ストレスを受け入れることが最も役に立つと言うのが
最近の科学的実験でわかってきています。
本書は、多くの研究結果から困難を乗り越えて強くなる方法を解き明かしています。

アリア・クラムの客室乗務員の実験結果によると、考え方次第でやせられるのです。
客室乗務員の業務が運動になると伝えられたグループは
自分は運動していると思うようになり、ダイエットに成功しました。
一方、伝えられなかったグループの健康結果は改善されませんでした。
その人がどう思っているかによって、結果が変わるのです。

また、アリア・クラムのストレスに関する実験でも同様な効果が得られました。
ストレスをポジティブに捉えたビデオを見せた被験者には、プラセボ効果(偽薬)が現れ
体の生理的反応がよくなったというのです。

ストレスに関しては人それぞれの先入観があります。
ストレスを感じるたびに、私たちの頭には先入観が頭をよぎります。
「すごいストレス」「ああストレスがたまる」と口にすることが
あなたの体の整理状態に影響を与えます。
あなたの考えた通りに、ストレスの原因に対する対処法も変わるのです。
このような思い込みの効果をマインドセット効果と呼んでいますが
このマインドセット効果は、プラセボ効果より強力なのです。

プラセボ効果は短期ですが、このマインドセット効果の及ぶ範囲は雪だるま式に増大し
ますます威力を増しながら、長期的な影響を与えていくのです。
通常、マインドセットは世の中に対する見方に基づいています。
「人間は変われない」「お金があれば幸せになれる」などの
思い込み(マインドセット)が強化されると
考え方も、感情も、人生に対する向き合い方もことごとく変わってしまうのです。
やがてそれが、健康や寿命といった長期的な結果にも影響してくるのです。

ポジティブに考えることで、寿命が長くなることが
ボルティモア老化縦断研究所の調査でわかりました。
ポジティブに考えることで、その人の目標や選択が変わることが
長生きに繋がっているのです。
マインドセットを変えることで、私たちは現在だけでなく未来にも影響を及ぼし
長生きすらできるようになるのです。

このマインドセットをストレスに応用することで、私たちは人生を楽しめるようになります。
ストレスが役にたつと思うと実際にそうなるということがわかってきました。
困難な問題を避けたり否定したりせずに、正面から向き合えば
ストレスの多い経験に対処する能力を培うことができるのです。
「ストレスが役にたつ」というマインドセットを手に入れれば
現実を変えていくことができるのです。

クラムの2008年以降の実験によるとストレスについて、ポジティブに考えられるようになると
ストレスのせいで起こりがちな症状を減らせるというのです。
ストレスを感じたら、まずそのストレスを受け入れてみましょう。
ストレスを感じるということは、自分がやりたいことことがあるはずです。
それにより何が脅かされているのか?自分にとって何が大切か?を明確にし
それを達成するためにはどうすればよいかを考えてみるのです。
ストレスを利用するという考え方を持つ亜ことで
エネルギーを向ける対象を変えるのことで、行動が変わるのです。
目標達成のために何をすべきかを考えることで、私たちの行動は変えられるのです。

自分を変えるためのマインドセット介入には、3つのステップがあります。

1、新しい考え方を学ぶ。
2、新しい考え方を取り入れ、実践するためのエクササイズを行う。
3、自分が学んで実践したことを、他の人たちと分かち合う機会を持つ。

実は、私は日々これを実践しているのですが、これにより私は変化できました。

読書で、新しいことを学び、良いと思ったことを実践するようにしています。
そのレポートをこのブログで共有して、他の人たちと分かち合っているのです。
このブログを始めて4年以上経ちますが、このマインドセット介入
私は確実に変化しています。
この手法を取り入れたことで、つらいことに向き合えるようになったのです。
ストレスを乗り越えるためにも、このマインドセット介入が使えます。

本書で紹介されているストレスを力に変えるためのエクササイズ
私はマインドセット介入で試してみようと思います。

■生きがいとともにストレスを感じているのなら、それを整理してみる。
■自分にとっての重要な価値観を決め、なりたい自分を決める。
■ストレスを感じて心臓がドキドキしたら、体があなたにエネルギーを与えると考えてみる。
■「目標にふさわしい行動をとるために、今この瞬間。私はなにをすればいいだろう?
どんな選択ができるだろうか?」と自問してみる。
■一日にひとつ誰かの役に立つことを行い、習慣にする。
その際、脳の報酬系を刺激するために、新しいことを行う。
それは、小さなことでも構わない。
■逆境の面でも良い面を見つける。
■自分の回復のストーリーを書いてみる。

最新のストレスの科学を学ぶことで、私たちは人生をより良くできます。
スタンフォードのストレスを力に変える教科書は、それを教えてくれます。
本書は人生をハッピーにしてくれる良書で、今年のベストかもしれません。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

  

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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