ある研究によれば、平均11分に一回邪魔が入り、私たちは一日のほぼ三分の一を中断した遅れを取り戻すことに費やしているという。こうした中で、それでも私たちは期日内にすべきことができると思っている。しかし、それは思い違いだ。(ゲアリー・ケラー)
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ゲアリー・ケラーのワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果の書評を続けます。
このブログでもなんどもマルチタスクの弊害について書いていますが
ゲアリー・ケラーもマルチタスクのリスクを指摘しています。
本書を読むことで、マルチタスクをやめ、ひとつの重要なことに集中したくなります。
いくつものことを同時に行うことは難しく、たとえやったとしても
生産性が落ちてしまい、余計に時間がかかることがわかってきました。
一度に二つ以上のことをしようとすると、力が分散してしまいます。
著者のゲアリーはマルチタスクの6つの弊害を本書で明らかにしています。
1、脳の能力は膨大であり、好きなだけその能力を分割することができるが、分割すればするほど時間がかかり、効率は落ちる。2、スイッチを切り替え、別の仕事に多くの時間を費やせば費やすほど、 最初の仕事に一戻りにくくなる。こうしてやり残しが山積みされていく。
3、二つの活動を行ったり来たりすると、脳が新しい仕事に順応するための時間がかかる。わずかな時間でも、ちりも積もれば山となる。ある研究によると、平均的な就業時間の28パーセントが、マルチタスクをこなそうとしたための効率の悪さによって失われているという。
4、常習的にマルチタスクをしている人は、仕事に必要な時間について誤った考え方をしている。たいていは、仕事を完了させるのに実際に要する以上の時間がかかると思い込んでいる。
5、マルチタスクをしている人は、そうでない人よりミスが多い。また、誤った決断をすることも多い。
6、マルチタスクをしている人は、命を縮め、幸せを失うようなストレスにさらされている。研究が示すように、マルチタスクをこなすことは非効率であるばかりか、間違いや誤った決断、ストレスすら招くことが明らかなのであれば、それでもそうしようとするのは、もはや正気の沙汰とは思えない。
ワン・シング [ ゲアリー・ケラー ] |
他の仕事をいったりきたりすることで、私たちは余分な時間を使っています。
元の仕事に戻るためには、予想以上の時間がかかるのです。
生産性を高めるはずのマルチタスクが、実は自分のパフォーマンスを落としています。
目の前の重要なタスクに集中し、一つ一つ終わらせる方が時短につながります。
生産性を高めるとは、今ここに集中することなのです。
シングルタスクの方がミスや間違いを減らせます。
私たちはマルチタスクでミスを重ねることで、より自分を忙しくしているのかもしれません。
これがストレスの原因になり、健康に悪影響を与えます。
そうならないためにも優先順位を意識して、ひとつのことに集中しましょう。
今日やるべきことを決めたら、午前中の時間でそれをやり切りるのです。
最も重要なワン・シングを生産性の高い午前の時間帯でやるようにすれば、結果が伴います。
マルチタスクをやめ、最も重要なことを見きわめ、それを優先するようにしましょう!
今日もお読みいただき、ありがとうございました!
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