実際に拾った「よくわからないもの」が、後でコミュニティの危機を救うことになったりすることがあるため、この「後で役に立つかもしれない」という予測の能力がコミュニティの存続に非常に重要な影響を与える。(レヴィ・ストロース)
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ブリコラージュ読書法を身につけよう!
山口周氏の知的戦闘力を高める 独学の技法を読んでいたら
レヴィ・ストロースの悲しき熱帯のブリコラージュの記述がありました。
フランスの社会人類学者のレヴィ・ストロースは
南米のマト・グロッソのインディオたちを研究し
彼らがジャングルの中を歩いている中で
その時には何の役に立つかわからないものを見つけると
「これはいつか何かの役に立つかもしれない」と考え
持ち帰る事例を紹介しています。
インディオたちが目的がよくわからないものを
非予定調和的に収集しておいて、いざというときに役立てる能力のことを
レヴィ・ストロースはブリコラージュと名付けたのです。
ブリコラージュはフランス語の「日曜大工」のことですが
これを知的な技術に置き換えるとよいと山口周氏は
知的戦闘力を高める 独学の技法の中で指摘します。
独学にこのブリコラージュのメソッドを取り入れると
知識を掛け合わせて、課題解決ができるようになります。
未来の課題解決に備えて、何の役に立つかわからない知識を
あとあとのためにストックしておくだけで、脳が未来の自分を助けてくれます。
いますぐ何の役に立つかはわからないけれども、この本には何かある、この本はなんだか知らないけどスゴイ、という感覚が大事だということです。今日とか明日に役に立つのかと聞かれれば、それはなんともわからない。だけれども、自分の中の何かと反応している、なんとも説明できないのだけど、この本を読まずにいられない、(山口周)
今すぐ役にたつ本ばかりを探していては
課題解決のためのビジネス書ばかりを読むことになり
読書の幅を狭めてしまいます。
いつ役立つかわからないが、自分を成長させそうだと思える書籍を読んで
著者の脳のかけらを自分の脳にストックしましょう。
この知識や体験のかけらが、未来の自分を助けてくれます。
短期的な付け焼き刃のインプットだけでは、難しい課題は解決できません。
ブリコラージュ読書法を身につけ
複雑な課題を解決できるように準備をしておきましょう。
知的戦闘力を高める 独学の技法 [ 山口 周 ] |
読書の幅を狭めないように新たな書籍との出会いをデザインする!
極論すれば、読書をどれだけその人のユニークな知的生産につなげられるかどうかは、この「この本には、なにかがある」という感度の強弱によって大きく左右されてしまいます。この感覚は、ハンターが茂みの向こう側に獲物の存在を感じ取る感性と言い換えられるかもしれません。知的な営みである読書においても、こういった野性的な感性は必要だと思います。
アマゾンが私の読書の幅を狭めていることに気づきました。
これを避けるために私は2つのことを定期的に行なっています。
ひとつが大型書店を歩き回って、自分の直感を信じて、本を選ぶことです。
小説、歴史、経済、脳科学、食事、健康、睡眠、リベラルアーツなど
あらゆる売り場を散策し、本との偶然の出会いを楽しみます。
時には絵本売り場もチェックします。
表紙を眺めるツアーを定期的に繰り返すことで
偏りをなくせ、読書の幅を広げられます。
2つ目は翻訳本の編集者とのミーティングです。
翻訳本を読むと最新の知識を吸収できます。
そのプロである編集者と話すことで、
彼らが注目している著者や新しい書籍の存在に気づけます。
ここから良書に出会え、自分の知識のストックを増やせます。
また翻訳書には他の著者の引用が数多く書かれているので
ここから新たな本との出会いをデザインできます。
まとめ
今役に立つという書籍ばかりを読んでいると
自分の可能性を狭めてしまいます。
ブリコラージュ読書法を身につけ
様々な知識をインプットし、未来の課題を解決できるようにしておきましょう。
読書のカテゴリーを広げることで、新たな発見を得られます。
それをストックし、未来の課題解決につなげるのです。
参考図書 山口周氏の知的戦闘力を高める 独学の技法
ソーシャルメディアを武器にするための10カ条 [ 徳本昌大 ] |
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