リセットの習慣 (小林弘幸)の書評


リセットの習慣

小林弘幸
日経BP

 

本書の要約

リセットの意識を持ち、悪い流れを断ち切る習慣によって、自分の状態を良い状態に保てます。自律神経を整え、常にコンディションをよくするには「細かくリセットする」がとても有効です。小さな行動を積み重ね、何かを達成するたびに、自分を褒めるようにすることで、気持ちを前向きに変えられます。

リセットで悪い流れを断ち切ろう!

心と体をよい状態に保つ上で、もっとも大事な意識が「リセット」だといっても過言ではありません。リセットの基本的な考え方は「悪い流れを断ち切り、いい流れに変える」こと。(小林弘幸)

自律神経のスペシャリストの医師である小林弘幸氏は、気持ちをリセットすることで、心と体の悪い流れが断ち切れると言います。著者は99の行動術を本書で明らかにし、ストレスを軽減する方法を教えてくれます。

私たち現代人の生活にはストレスが付き物で、それを避けることはできません。ストレスを上手にコントロールするしかないと考え、日頃の思考と行動を見直しましょう。大事なことは、日々の悪い流れに引きずり込まれないようにし、いい流れに変えることです。

リセットの意識を持ち、リセットするためのノウハウを知っていれば、自分の状態を良い状態に保てます。今回のコロナ禍で、私たちは知らず知らずのうちにさまざまなストレスを抱えこんでています。自律神経の乱れによって生活習慣病が悪化し、体調を崩す人も増えています。睡眠不足やコミュニケーションが減ることで、イライラを溜め込むなど、メンタルも不調になりがちです。

人の体は「流れに乗る」のは得意ですが、「流れを変えること」がとにかく苦手だと著者は指摘します。2年半以上続いたコロナ禍にために、「悪い流れ」を断ち切れずにいる人も多いと思いますが、 このような状態をリセットしたい人に、本書の著者のアドバイスが効果を発揮するはずです。

今という時期は「なんとなく続けていること」から「思い切って変えてみる」「今までやらなかったことをやってみる」という強めのリセットが必要なのです。 今、私たちが意識すべきは「戻す」ではなく「新たに始める」。「なんとなく変える」ではなく「思い切ってリセットする」です。

アフターコロナの時代には、今から新しい生活を始めると決め、リセットの意識を持つことが重要になります。新たな時代が始まっているのですから、過去の常識を捨て、新たなチャレンジをはじめてみましょう。そして何かを始めるのに年齢は関係ありません。

小さな達成感が気持ちを前向きに変えてくれる!

今、どんな境遇にいる人も、間違いなく今が一番若い。もし「何かを始めるタイミング」があるとしたら、今以上に適した瞬間はありません。 そして、今、何かを始めたら、あなたの人生は変わり始めます。 あなたが望む方向に小さな一歩を踏み出せば、まさに今がリセットの瞬間となり、望む未来に近づいていきます。

未来に向かってワクワクして生きることは、自律神経を整えることにもつながりますし、健康な心と体をつくることにもつながります。 未来を明るくするために、今日から 「リセット」をスタートすれば、「ワクワクする人生」が始まると考え、悪い流れを断ち切りましょう。

そのために朝の習慣を見直し、1日をよい気持ちでスタートします。何か想定外のことが起こり、気持ちが焦るとその瞬間に交感神経が過剰に跳ね上がり、自律神経のバランスが悪くなることがわかっています。 そういったトラブルを避けるために、朝時間を使って、その日の流れを軽くイメージしましょう。自分の行動を確認することで、落ち着いた気分で一日を始めることができますし、やるべきことをイメージすることでミスを減らせます。

私は毎朝、その日に会う人との会話をイメージし、ポジティブな話ができるように簡単なシミュレーションを行います。この準備によって、気持ちが落ち着き、1日を気持ちよくスタートできるようになりました。

著者は木曜日を「リセットデー」にするとよいと言います。自律神経の調査では「木曜日に一番数値が悪くなる」という結果が出ています。多くの人が月~金で仕事をしているため、水曜日くらいまでは何とかがんばれるのですが、木曜日になると肉体的にも精神的にもコンディションが落ちてくるそうです。

金曜日になると「明日から週末だ!」「今日で終わり」という感じで再び気分が盛り上がってきますから、木曜日をリセットデーにするとよいのです。早めにうちに帰り、自分がリセットをできる音楽を聴いたり、好きな本を読むなどして、木曜日を楽しむことで自分のマインドを高められます。

自分が落ち込んでいるとき「こういうふうに向き合って、こんなことをする」と決めておくと悪い流れを断ち切り、リセットすることができます。

自律神経が乱れていると感情のコントロールが利かなくなり、思考力も、判断力も低下します。結果として、より状況を悪化させてしまいます。そんなときこそ「自分との向き合い方」を思い出してほしいのです。自分との向き合い方と、その対処法をあらかじめ持っておくと、とりあえず「これをやろう」「自律神経を整えるために、こう考えよう」と流れを変えるアプローチができるようになってきます。

また、自分との向き合い方を意識すると無駄な時間を減らすこともできます。くよくよ悩んでいる時間を減らし、上手にリセットし、新たなアクションを起こすことで悪い流れを断ち切れます。

自律神経を整え、常にコンディションをよくするには「細かくリセットする」がとても有効です。小さな行動を積み重ね、何かを達成するたびに、自分を褒めるようにすることで、気持ちを前向きに変えられます。日々、小さな達成感を味わう度に自分の幸福度がアップし、やる気が高まります。


 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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