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「幸せをお金で買う」5つの授業
エリザベス・ダン, マイケル・ノートン
KADOKAWA
本書の要約
幸せになるためのお金の使い方は以下の5つになります。①経験を買う ②ご褒美にする ③時間を買う ④先に支払って、あとで消費する ⑤他人に投資する 特に他人に投資することは、多くの恩恵をもたらし、幸福だけではなく、健康や裕福な気分にまで影響することがわかっています。
幸せになるためのお金の使い方
他人に投資することは、多くの恩恵をもたらし、幸福だけではなく、健康や裕福な気分にまで影響します。(エリザベス・ダン, マイケル・ノートン)
ハーバード大ビジネススクールのマーケティング専門家マイケル・ノートン博士とカナダ・ブリティッシュコロンビア大学の心理学者エリザベス・ダン博士の「幸せをお金で買う」5つの授業を再読しました。コロナ禍の中、幸せになる方法が改めて問われていますが、その答えを本書で探そうと思ったのが、再読の理由です。(本書の関連記事はこちらから)
著者たちは幸せになるためにお金をどう使えばよいかを明らかにし、それを5つの法則にまとめています。
①経験を買う
②ご褒美にする
③時間を買う
④先に支払って、あとで消費する
⑤他人に投資する
①経験を買う
さまざまな研究が、「経験」にお金を使うほうが幸福度は高くなると示しています。旅行やごちそうのほうがモノを買うよりも幸せを感じさせるというのです。理由は「記憶に残り」「自分だけの個性を感じ」「他人と社会的価値を共有する」ことにあります。
②ご褒美にする
新しい見方だったり、中断を挟んだり、消費を控えたりすることで、好きなものを「ご褒美化」できます。セールで大量にチョコを買うのではなく、自分のご褒美のためにチョコを一つ買った方が幸福度をアップできるのです。
③時間を買う
自分の時間を増やすことで、強力な幸せを感じることができます。 「これを買ったら、私の時間の使い方はどんなふうに変わるんだろうか?」と自問することで、よりよい時間を過ごせるようになります。
④先に支払って、あとで消費する
経験でも物でも、「支払いを先にする」ことで幸福度がアップすることがわかっています。
他人への投資で幸福度がアップする?
⑤他人に投資する
いくつかの研究では「強制されていると感じずに他者のためにお金を使ったとき」こそ、最も大きな幸福感が得られる、という結果が出ています。長い時間軸で見れば、人間はお互いに助け合って生きてきました。今回のコロナ禍で、私は人とのつながりを感じることで、幸せを実感できました。実際、他者のために自発的にお金を使うことで、幸福な気持ちを味わえました。
著者たちは他者への投資の価値を以下のように整理しています。
1、他人への善行は自分を幸せにする
たとえ少ない金額でも他人のために使うと幸福感は増していきます。
2、寄付をすると脳が敏感に反応する
寄付が義務であっても、チャリティーに寄付をすると報酬に関連する脳領域が活発に反応します。自発的な寄付であれば、さらに満足感は高くなることがわかっています。
3、幸福感を得るには人との「つながり」が必要
人が投資をする際に最も大きな幸福感を得られるのは、他人とのつながりを深めるような方法で投資ができた場合なのです。
4、他人への投資は、精神的にも肉体的にもプラス
他人に投資すると幸せな気分になれるだけでなく、肉体的にもより健康になり、金銭面でも裕福な気分になれます。
5、向社会的支出は、労働意欲を高める効果がある
チャリティーや同僚に対する向社会的な行動のために使用できるボーナスを出すことで、従業員のモチベーションが高まります。
6、「つながり」を提供すると顧客の満足を得られる
売り上げの一部をチャリティーに寄付するなどの方法で、顧客は自分の行動によって世界のどこかでだれかが恩恵を受けていると感じることができます。こうした「つながり」を顧客に提供することが新しいマーケティングの方法を生み出すヒントになります。
稼いだお金の一部を他人のために使うことで、幸福度がアップします。私は本書を読んで以來、いくつかの団体に毎月寄付を行なうようになりましたが、確かに幸福度がアップしています。コロナ禍で先を見通せない時代が続きますが、他者にお金を使うことで、人の役に立てるだけでなく、自分の幸福度をアップできることを再確認できました。
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