THE HERO CODE
ウィリアム・H・マクレイヴン
扶桑社
本書の要約
ヒーローの行動規範とは、人類が探究し、育み、慰め、励ましあう、社会が繁栄するための道徳的規範であり、内なる行動規範です。勇気、謙虚さ、犠牲心、誠実さ、思いやり、忍耐力、任務、希望、ユーモア、許容という10 のヒーローの行動規範を身につけることで、世の中に貢献し、人々を救えるようになるのです。
HIROに必要な行動規範・10箇条
スーパーマンが実在しないのなら、誰が世界を救うのか。スーパーマンやバットマンやスパイダーマンが来てくれないのなら、我々はどうやって暴力や破壊に対抗するのか。どうやってナチスや、ソビエトや、宇宙人から自分たちを守るのか。その答えは明白だった。それは私たち自身がやることだ。この頃から、私はだんだん現実世界のヒーローに目を向けるようになった。(ウィリアム・H・マクレイヴン)
アメリカで最も尊敬される、米海軍特殊部隊SEALs司令官にして元海軍大将・ウィリアム・H・マクレイヴン。その彼が本書の中で、30年に及ぶキャリアの中で出会ったさまざまなヒーローたちから見つけた「HIROに必要な行動規範」の10箇条を今日は紹介します。
イラクにおける「赤い夜明け作戦」で、逃亡中のサダム・フセインを捕獲したり、「ネプチューンの槍作戦」では、ウサマ・ビン・ラディンの殺害に成功するなど実績も素晴らしいだけでなく、マクレイヴンその人柄からもヒーローと呼ばれています。
本書で取り上げられている政治家のジョン・マケインや癌治療のジェームズ・パトリック・アリソンや史上10人目に月面に降り立ったチャールズ・デュークの話から多くの学びを得られます。
人類の誕生以来、私たちの中には生まれながらにしてヒーローとなれる行動規範(コード)が備わっている。この行動規範、すなわちヒーローコードは私たちの全ての遺伝子に刻み込まれていて、それが、人類がアフリカから大きく発展する原動力となった。
ヒーローの行動規範とは、人類が探究し、育み、慰め、励ましあう、社会が繁栄するための道徳的規範であり、内なる行動規範です。 この遺伝子は私たちの体の中にも脈々と受け継がれています。この行動規範、ヒーローコードを実践することで、私たちもヒーローとなり得るのです。
ヒーローコード1・・・勇気
恐怖に直面した時も一歩踏み出す勇気を常に持とう。
勇気が精神を鍛え、決意を強固なものにしてくれます。恐怖や障害、人生の困難に打ち勝つために必要なことは、一歩前に踏み出すことです。その一歩を踏み出せば、探し求めていた恐怖に打ち勝つための勇気を見つけることができます。それを続けるうちに、私たちはヒーローに生まれ変われます。
ヒーローコード2・・・謙虚さ
自分の知性、理解力、強さの限界を知り、謙虚であるよう努めよう。
マタイによる福音書23章12節でイエスは、「だれでも高ぶる者は低くされ、へり くだる者は高められる」と教えていいます。コーランでは、「慈悲深き神のしもべたちとは、謙虚に地上を歩く者である」と教えます。旧約聖書の箴言11章2節には、「高慢には軽蔑が伴い、謙遜には知恵が伴う」と書かれています。孔子は「謙虚さは衆善の基本である」と述べています。
謙虚さは、ヒーローのあらゆる次貝質の中で最も単純なものでありながら、最も表現しにくいものである。謙虚になるということは、自身の持つ知性、強さ、富などは、宇宙の壮大さ、複雑さ、豊かさ、力強さに比べれば、ちっぽけなものだということを知ることである。そして、その宇宙の中で自分の置かれた立場を謙虚に受け止めることができれば、我々人間には大した差がないことに気づくだろう。
自分の無知を自覚し、目に見えないものに対して敬意を持つことで謙虚さは生まれます。そして、このような謙虚な姿勢でいれば、私たちはもっと自のぞ分の周りにある美しさに感謝することができます。
また、謙虚さには人を団結させる力があります。ヒーローの役割は人々を分断させることではなく、人々を繋ぐことなのです。謙虚な存在になることで、自分に良いことがあります起こるようになります。
10のヒーローコードを身につけよう!
ヒーローコード3・・・犠牲心
自分の時間、才能、財産を必要としている人に少しずつ与えることで、犠牲的精神を学ぼう。
犠牲とは”与える”という小さな行為であり、その尽くす、捧げるといった小さな積み重ねが、やがて何か特別な価値のあるものになっていきます。自分の何かを犠牲にして、誰かに何かを与える行動を取ること、見返りを期待せずに行動を続けることで、周りに良い影響を及ぼします。彼らの日々の崇高な行いゆえに、彼らはヒーローと呼ばれているのです。
与えるという行為は全て人への投資であり、他の投資と同様に、毎日少しずつ積み上げることであなたを豊かにしてくれる。それはお金のような富ではなく、感謝の気持ちや充足感を与えてくれ、人として豊かにしてくれるということだ。
誰かのために献身することがあなたの喜び、充実感、やりがいとなり、人のために行動することが苦に感じなくなります。与えることが習慣となり、あなたの人格の一部となります。 1か月後、1年後、10年後、そして人生において、誰かのために尽くした行動が積み重なり特別なものになり、あなたをヒーローに変えてくれます。
ヒーローコード4・・・誠実さ
誠実な人間になろう。全ての決断を道徳的・法的に下し、行動しよう。
正直な人間は、人からの信頼を得ることができ、人は信頼する人に大きな仕事を任せてくれる。人は信頼する人にはお金を預けるし、人望や友情は厚くなり、家族、そして命でさえも託してくれる。たとえ、嫌っていても、意見が合わなくても、まっすぐで信頼できる人間であることはわかってもらえるのだ。
誠実でいることは難しいことですが、正直に生き、誠実な行動を続けることで、やはて世間の評価は変わります。
ヒーローコード5・・・思いやり
毎日、少なくとも一人の人に親切で思いやりのある行動をとり、そしてその行動に対して何も見返りを期待しないこと。
ヒーローコード6・・・忍耐力
自分、家族、国家、信条にとって大切なことは決してあきらめないこと。忍耐強くなろう。
ジョージ・ワシントンは、戦場で勝利した回数よりも敗れた回数のほうが多かったと言います。リンカーンは、大統領になるまでに8回も選挙に負けています。トーマス・エジソンは、電球を発明するまでに1万回も失敗している。ヘンリー・フォードは、成功を収めるまでに2つの会社を倒産させています。J・K・ローリングは『ハリー・ポッター』の第1作目を出版するまでは貧乏でしたし、オプラ・ウィンフリーは全米一の司会者になるまでに苦労の多い子ども時代を過ごしましたた。
個人的なものであれ、 仕事上のことであれ、目の前の壁を克服してきた人たちには、ある共通点がある。それは、決してあきらめないことだ。あなたも同じく、あきらめてはいけない。
諦めないこと、前に進む気持ちがあれば、結果を出せるようになります。忍耐強く行動することで、自分をヒーローに変えられます。
ヒーローコード7・・・任務
どんな仕事でも、任務でも、与えられたことに対して自分の能力を最大限に発揮してやり遂げること。
ヒーローコード8・・・希望
自分なりの個性や才能を活かして、人々を勇気づけ、明日がより良い日になるという希望を与えよう。
ヒーローコード9・・・ユーモア
ユーモアで人を慰め、自分が人から笑われることを決して恐れないこと。
ヒーローコード10・・・許容
恨みがどんなに大きくても小さくても、許す努力をすること。被害者ではなく、勝者になろう。
勇気、謙虚さ、犠牲心、誠実さ、思いやり、忍耐力、任務、希望、ユーモア、許容という10 のヒーローの行動規範を身につけることで、世の中に貢献し、人々を救えるようになるのです。
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