あなたの潜在能力を引き出す20の原則
ジャック・キャンフィールド, ケント・ヒーリー
ディスカヴァー・トゥエンティワン
あなたの潜在能力を引き出す20の原則(ジャック・キャンフィールド)の要約
『あなたの潜在能力を引き出す20の原則』は、「自己責任」を軸に、人生を主体的に生きるための思考と行動の原則を示しています。出来事にどう反応するかが人生の質を決めるという視点が全編に通底しており、誰と関わり、どう動くかという日々の選択が、偶然や変化を引き寄せる力となることがわかります。
アンカーを選ぶか?モーターを選ぶか?
マイナスになる人たちから自由になる。(ジャック・キャンフィールド、ケント・ヒーリー)
ゴールデンウィークの静かな時間を使って、あなたの潜在能力を引き出す20の原則(ジャック・キャンフィールド、ケント・ヒーリー)を再読しました。以前読んだときとは違う角度から多くの気づきがあり、心の中で眠っていたエネルギーがゆっくりと、しかし確かに動き出すのを感じました。(あなたの潜在能力を引き出す20の法則の関連記事)
読む時期や自分の状態によって、同じ本でも受け取るものが変わる。そのことを改めて実感した体験でした。 自己啓発書の中には、一度読めば十分な内容のものも少なくありません。しかしこの一冊は、何度読み返しても新しい学びがあり、その都度、自分の思考や行動を見直すきっかけを与えてくれます。
とりわけ印象的なのは、20の原則すべてが「自己責任」という概念を土台にしている点です。このマインドセットは、あらゆる状況に応用がきくシンプルで強力な考え方だと感じます。 この再読から、特に私の心に響いた3つの気づきをシェアしたいと思います。
・気づき1 すべては「自己責任」から始まる
人生において起こる出来事そのものを変えることはできなくても、それにどう反応するかは自分次第だと著者たちは述べています。
過去の出来事や他人のせいにするのは、その時は楽かもしれません。しかし、そうするたびに自分の手から人生の主導権を手放してしまっているのだということに気づかされます。 「自己責任」という言葉に、冷たさや厳しさを感じる人もいるかもしれません。でも、本質的には「選択権は常に自分にある」という自由の感覚に近いものだと感じます。
他人や環境に左右されすぎず、自分の価値観や意思で動く。その意識の切り替えが、自分を取り巻く環境すら変えていくきっかけになるのだと思いました。マイナスになる人たちから自由になるということも、この自己責任の考え方につながるのかもしれません。
気づき2 誰と過ごすか、どう行動するか – 人生は小さな選択の積み重ね
この本では、ロバート・ワイランドの言葉として、人間には2種類いるという話が紹介されています。それは、人のやる気を奪い足を止めさせる「アンカー(錨)」のような存在と、人を元気づけ、前に進ませる「モーター(原動機)」のような存在です。
私たちは日々、どちらかの影響を受けながら過ごしており、その選択が自分の行動と成長の方向を大きく左右します。誰と時間を過ごすか、どんな会話に耳を傾けるか、どんな価値観を共有するか。これらの小さな選択が積み重なって、私たちの人生を形づくっているのです。 自己成長を望むなら、ポジティブな影響を与えてくれる人とつながることが何より大切だと、改めて感じました。
人生は、思い描いた通りに進むとは限りません。むしろ、計画通りにいかない場面の方が多いものです。努力を続けていても思うような成果が出ず、先が見えなくなると、人は簡単に自信を失ってしまいます。
しかし、そこでとどまり続けるか、それとも何か一つでも行動を変えるかで、結果は大きく変わっていくのです。予期せぬ出来事に直面したとき、あきらめる口実を探すのではなく、どんな姿勢で向き合えるかが問われています。
自己成長を望むなら、ポジティブな影響を与えてくれる人とつながることが何より大切です。それは単なる人間関係の話ではなく、自分の意志や視野の広がりに直結する本質的な判断軸だと感じます。
あきらめない力と偶然力が成功の鍵
人生は予期せぬ試練の連続です。成功への旅の途中で倒れることもあるでしょうし、思いどおりに物事が進まずに目標がなかなか達成できないこともあるでしょう。しかし、それでいいのです。人生とはそういうものなのですから。たとえうまくいかないときでも粘り強さを発揮し、ベストを尽くさなければなりません。すぐに結果が得られないからといって、永久に結果が出ないわけでは決してないのです。私たちが失敗するのは粘り強さが足りないからです。失敗はあきらめたときにやってきます。
気づき3 行動と継続が偶然を引き寄せる
継続の力は、外から見ると大したことないように見えるかもしれません。しかし、内側では確実にパワーが蓄積されています。その蓄積があるとき、質的な変化をもたらすのです。すぐに結果が出ないからといって、意味がないわけではありません。重要なのは、途中で行動をやめて、投げ出さないということです。
積み重ねてきたものは、一度止まってしまえばゼロに戻ってしまいます。 わずかずつでも続けていけば、その蓄積がやがて大きな力になります。継続とは、常に前進し続けることだけではなく、立ち止まっても、やめないことに意味があるのです。本当の意味での失敗とは、結果が出ないことではなく、挑戦をやめてしまうことです。継続する限り、すべてはプロセスであり、学びであり、次につながる準備だと考えることができます。
同時に、自分から行動することで、偶然の出会いや新しい流れが生まれることがあります。人生を変えるのは、準備が整った瞬間ではなく、動き始めたときです。 偶然とは、行動する人にだけ開かれる必然です。変化や出会いは、何かを始めた人に向かって動き出します。状況を変えたいと思うのであれば、まずは小さな行動から着手することが有効です。
誰かに会ってみる、表紙が気になる本を手に取ってみる、尊敬する人にメッセージを送ってみる…。そうした行動の一つ一つが、自分の内面に静かな変化をもたらし、思いがけない気づきや新たなつながりを生むことがあります。人生の転機は、特別な出来事として突然訪れるというよりも、日々の行動の延長に存在しているのです。
今、必要とされているのは、完璧な準備ではありません。現時点で持っているものを活用し、踏み出す一歩です。その一歩が、新しい流れや出会いを引き寄せます。続けることと、人とのつながりを大切にすること。この2つがそろったとき、人生は静かに、しかし確実に動き始めると感じています。
人生には魔法のような近道は存在しません。しかし、あきらめない姿勢と、偶然を味方につける行動力があれば、どんなに遠くに見える目標であっても、たどり着くことは可能です。 行動が偶然を呼び、継続が変化をもたらす。私自身も、この2つの力を活用することで、より良い人生を送れるようになったと実感しています。
本書「潜在能力を引き出す20の原則」は、これらの原則を通じて、私たちをポジティブな存在に変えてくれる力を持っています。もしあなたが今、何か停滞を感じていたり、一歩踏み出したいと思っているなら、ぜひこの本を手に取ってみるか、ここで紹介した考え方を少しでも実践してみることをお薦めします。
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