ジャック・マー アリババの経営哲学(張燕)の書評

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ジャック・マー アリババの経営哲学
張燕
ディスカヴァー・トゥエンティワン

ジャック・マー アリババの成功哲学の要約

アリババの成功は、ジャック・マーのビジョンとミッションに支えられています。彼の経営哲学は、単なる利益追求に留まらず、パートナー企業の成長を重視しています。そのため、アリババは出店者のために優れた経営環境を提供し、彼らの成長をサポートし続けました。

アリババの成功要因は壮大なビジョンにあり!

未来を予測するベストな方法は未来を創造することだ。有言実行で約束を守ればいいのさ。(ジャック・マー)

「未来を予測するベストな方法は、未来を創造すること」という名言をアリババグループの創業者のジャック・マー(馬雲)は残しています。彼は有言実行で約束を守ることの重要性を強調しています。

マーはお金がなくタクシーにも乗れなかった若き起業家でしたが、多くの失敗を経験しながら大きな成功を手にしました。 彼のサクセスストーリーを読むことで、私たちはパーパスやビジョンの重要性を学ぶことができます。彼は自身の経験から、目標を持ち、それに向かって努力することが成功への道であると説いています。彼の言葉や経営哲学からは、私たちは行動する勇気をもらうことができます。

マーは、中国の商習慣を変え、出店企業と顧客の両方のWin-Winを実現しました。「世界中のあらゆる商売をやりやすくする」というミッションを実現するために、努力を重ねてきたのです。結果、アリババは数千万社もの出店企業を受け入れ、その結果、ネット上での海外貿易額は数百億元に達し、増加し続けています。

この成功には、マーのビジネスパートナーの成長を支援する姿勢が大きく影響しています。彼は、ビジネスパートナーに対して単に「魚を与える」のではなく、「漁の方法を教える」アプローチを重視しており、アリババは出店者に対して長期的な成長を見込んだ支援を提供しています。

アリババは、出店者に経営環境整備だけでなく、ビジネス戦略や方法を教えることで成長をサポートしており、その結果、出店企業数は数千万社に増加し、ネット上での輸出入も増加し続けています。

マーはアリババを、単なる魚を提供する場ではなく、魚を釣るためのツールと位置づけています。彼のビジョンは、世界中のビジネスパーソンのビジネス方法を変革し、電子商取引時代に導くことです。そのために彼は、アリババの技術とノウハウを積極的に共有し、出店者の成長をサポートしています。

アリババの成功は、マーのビジョンとミッションに支えられています。彼の経営哲学は、単なる利益追求に留まらず、パートナー企業の成長を重視しています。そのため、アリババは出店者のために優れた経営環境を提供し、彼らの成長をサポートし続けました。これが顧客やパートナーの共感を生み、アリババの飛躍的に成長につながります。

マーの人材戦略は普通の人を育てること

人生はあなたが何を勉強したかではありません。また、何を手に入れたかでもありません。あなたが何を経験したかが重要なのです。

勉強や知識は確かに重要ですが、それだけでは十分ではありません。人生を豊かにするためには、様々な経験を積むことが必要です。

ジャック・マーは英語を学ぶために、外国人に話しかけることを厭いませんでした。最初は下手な英語で馬鹿にされることもありましたが、彼は諦めずに努力を続けました。そして、やがてはガイドとして活躍するまでに、英語のレベルをアップしました。行動と継続が未来を変えられることをマーは明らかにしています。

有名な起業家のマスクやベゾスも、読書を通じて未来のビジョンを育んできました。特にSF小説が彼らのお気に入りでした。一方、マーは子供の頃から中国武侠小説の大ファンでした。

武侠小説には、義を尊び、剣を頼みに弱きを助ける侠客たちが登場します。彼らは天下を闊歩し、不公平な事態に立ち向かっていく姿勢を持っています。マーはこの武侠小説の「義侠心」を現実の生活に持ち込んでいました。彼は不公平な状況に立ち向かい、勇気を持って行動する子供で、いじめにも抵抗を繰り返しました。この考えが彼の起業にも影響を及ぼしたのです。

マーは、人材登用において適材適所と能力を重視する方針を持っており、企業が必要とするのは「普通の人間」であると考えています。 自分も普通の人であったマーは、アリババという普通の人々から成る集団が非凡な成果を達成することの重要性を強調しています。組織の作り方もテスラやアマゾンのエリート集団とは異なっている点が、マーらしさなのです。

また、マーは自身が模範を示し、他人を教育しようとは考えていないと述べています。この姿勢は、彼の事業とリーダーシップに関する深い洞察を反映していると言えるでしょう。彼は単に金儲けを目的として事業をしているのではなく、他人がより多くの金を稼げるようになるために事業を展開していたのです。

男の度量は屈辱の量で決まる。味わった屈辱が多いほど度量は大きくなるものだ。 失敗を重ねても、死にさえしなければ再び立ち上がれる。 目の前の苦境などたいした問題ではない。 重要なのは理想を胸におのれの未来を見据え、プラス思考で自分を成長させることなのだ。

成功を収めた人々は、初期の困難や失敗に屈することなく、挑戦を続けた人たちです。もし彼らが初めての困難に退却していたら、後の大成功はなかったはずです。

たとえば、マーがいじめに遭遇するたびに立ち向かい、尊厳を守ったことで彼の性格は強く鍛えられました。また、外国人との交流や厳しい英語の練習を通じて、彼は将来の事業の基盤を築きました。

失敗は決して進歩を阻むものではありません。常に自分自身に挑戦し、果敢に行動することで、新しい可能性の扉を開くことができます。どんな困難な状況に直面しても、勇気を持って取り組むことで、それは成功への貴重な経験となり得ます。人生は予測不可能な出来事で満ちていますが、勇気と決意を持って臨むことで、成功への大きな一歩を踏み出すことができるのです。

中国政府から冷遇され、現在では表舞台から姿を消しているマーですが、逆境を乗り越え、再び活躍する姿を是非見たいものです。


 

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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