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リソースが乏しいほど大きな成果につながる。(アダム・モーガン、 マーク・バーデン)

photo credit: Miguel Angel Prieto Ciudad McLaren MP4/22 via photopin (license)

リソースが減っても成功する方法

私たちは予算や人員削減のリソース不足を言い訳にしますが、この状態が実はチャンスの入り口なのです。アダム・モーガンマーク・バーデンは制約条件が厳しくなり、リソースが少なくなることによって、イノベーションが起こると指摘します。この話は一見信じがたいのですが、マクラーレン・フォーミュラーチームのケーススタディを学ぶことで、この考え方の素晴らしさに気づけます。2005年にEUがタバコ産業によるF1のスポンサー契約を禁止したことを受けて、マクラーレン・フォーミュラーチームは変化することを選択します。それまではタバコ会社からの多大な広告収入がマクラーレンが展開する事業の財源になっていましたが、それが一気になくなってしまったのです。当時のチームのメンバーはこの収入で、プライベートジェット機で移動したり、最高級のホテルに宿泊していたのです。当時のF1では、「成績は金で買える」という意識が渦巻いていたましたが、この常識が突然通じなくなったのです。

タバコ産業によるスポンサー契約禁止という通達は、モータースポーツ業界の人々をどん底に突き落としました。F1は存続できないと言う意見が主流になり、仮にF1が存続できるとしても、チーム数が減らされ、組織を大幅に縮小することになるだろうと誰もが思っていたのです。しかし、マクラーレンのリーダーであるロン・デニスの意見は異なり、ここで勝負に出ます。チーム全員に業務精査を命令し、改善する方法を求めたのです。やがてメンバーは車をより速く走らせ、新たなスポンサーを確保するにあたって、できる限り競争力を高めることにだけに意識を集中するようになりました。勝つことにフォーカスすることで、他のこともうまくいくようになったのです。実はレースチームのメンバーの多くは当初、コストを削減すれば車のスピードが落ちるだけだとネガティブな反応を示していました。

その後、デニスの意識改革がチームに大きな影響をもたらしました。ドライバーがスポンサーを助手席に乗せてガレージ内を案内するという新しい体験を提供することで、スポンサー獲得に努めるようになったのです。ドライバーがスポンサーのロゴや帽子、腕時計を目立つように身に着けて表彰台に上がったり、インタビューを受けたりするなど、自らが広告営業の先頭に立ちました。これが奏功し、チームはボーダフォンと広告の長期契約を結んだのです。

新規のクライアントによって、チームに安定がもたらされました。カメラを設置して20名のピットクルー全員を観察・分析し、テクノロジーを導入することで、各自のタイムの短縮に成功します。この結果、マクラーレンはピットストップ時間を4秒から世界最速の2・5秒にまで縮めることができたのです。さらに意識面での変革として、今ではチーム全員が「成績を向上させるのは金ではなく効率性だ」と考えるようになったのです。広告費削減という大問題がチームを強くしたのです。

細かい分析と継続的な改善がチーム力を強化する!

細かい分析と継続的な改善というプロセスがマクラーレンの企業文化になり、さらなる成長をもたらしました。 FlAは2014年から、レーシング・力ーに超高効率ハイブリッドエンジンを使用するように義務づけたのです。新たな制約条件でもレースに勝てるのか?とそれぞれが問いかけることで、組織はより強くなったのです。

ハイブリッドエンジンをレーシング・力ーに採用することで、乗用車にF1の技術を直接応用できるようになったのです。これが多くの自動車メーカーを動かしました。メルセデス、マクラーレン、フエラーリ、ルノー、そしてレースに復帰したホンダなどのチームが、F1に出場し続けるモチベーションを持ちました。また、燃費面でも大きなイノベーションが生まれました。同じ速度でレース当たりの燃料を35パーセント削減できる新型車がF1から生まれたのです。F1からの技術移転が進んで、これらの企業の主力事業に広く応用され、生活者だけでなく、環境面にも良い影響を与えたのです。

タバコ産業によるスポンサー契約が象徴する金銭的豊かさの喪失は、F1を中心とするエコシステム全体、いうなればモータースポーツ業界のあらゆる分野と様々な利害関係者に利益をもたらす、持続的な変革へとつながったのだ。

タバコという健康に悪いプロダクトをF1の広告から排除したことが、大きなうねりとなり、世の中を変えてしまったのです。
リソース・予算が減ったことをチャンスに変えたマクラーレンの行動を見習えば、やれることはたくさんあるはずです。リソース不足を悩むのではなく、自分ができることから改善をスタートしましょう。

まとめ

予算や人員などのリソースが減ったからと言って、すぐにあきらめるのをやめるべきです。リーダーはチームが置かれた状況を精査し、メンバー全員に解決策を求めるのです。予算や人員が減ったことをチャンスと捉えることで解決策が生まれます。常識を疑うことでイノベーションが起こり、やがて世の中に貢献できるようになります。

参考図書 アダム・モーガンマーク・バーデン逆転の生み出し方
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徳本昌大

徳本昌大ソーシャルおじさん

投稿者プロフィール

複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みを持つ。
ソーシャルメディアを活用したコミュニケーションデザインの実績多数。

現在、ベンチャー企業の取締役 顧問として活躍中
インバウンド、海外進出のEwilジャパンCOO
Iot、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー GYAKUSAN株式会社など
アルコール依存症を克服した独自の習慣術でのベンチャー起業家へのコーチングも行う。

ドラッカー名言学び実践会主催
iPhone記事や、ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新しています。
MacFanの書評連載も評判

著書に、
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。

電子書籍も積極的にリリースしています。
「ミドル世代のための小さな会社の創り方」
「名刺作成のプロが教える ソーシャリアル名刺の作り方」
などが代表作。

参考サイト
http://column.bizright.co.jp/
 

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