日本は強運だ。国家としては人口減少と高齢化と負担増で衰退が予想されるものの、すぐ近くに巨大な経済成長センターを抱えている。そしてそこで、日本は他のどの国より敬愛され尊敬されている。個人も企業も国も、これを活かさない手はないだろう。(田村耕太郎)
アジア・シフトのすすめの中で、田村耕太郎氏は、日本は強運だと言い切っています。
日本は地理的条件とASEANからの熱烈な支持によって、まだまだ成長できるのです。
私は、再度ASEANとのビジネスを考え始めていますが、来年早々から動き始めます。
何気なく読む始めた一冊でしたが、日本は強運なのだという言葉に出会えたおかげで
ASEANでのビジネスが楽しくなってきました。
10か国合計で6億人という巨大市場である。これはアメリカ、メキシコ、カナダを足した北米や欧州連合を超える人口規模であり、しかも加盟国の平均年齢はなんと20代と大変若く、消費者としても労働力としても大きな期待ができることが容易に見てとれる。
実際、ASEANのマーケットは巨大で、今後の成長が期待されています。
20代の若年人口の比率が高く、彼らが消費を牽引していくはずです。
特に、ASEANには、日本ファンがたくさんいるというアドバンテッジがあるのですから
彼らを活用しない手はありません。
積極的に進出・交流することで、良い流れを作り出すべきです。
今世紀の世界経済の半分以上はアジアが作り出す。世界最大のフロンティアにして最も温かく我々を迎えてくれる東南アジアという地域をしっかり認識し、感謝しながら開拓すべきであると思う。
しかし、油断は禁物です。
日本とASEANには大変洋戦争という負の遺産があることを、決して忘れていません。
日本のイメージは世代によって異なり、特に上の世代にはマイナスの感情があります。
若い世代にそれが影を落とさないように、言動には細心の注意が必要かもしれません。
中国の悪口を東南アジアで言うべきではないと著者は言います。
現地で経済を動かしているのは華人で、巨大なチャイナマネーがASEANを席巻してます。
彼らは日本、中国の片方に偏るという考え方をそもそも持っていないのですから
敵味方という二元論での思考はやめたほうがよいのです。
中国人が嫌われていると考え、彼らを批判するのではなく
どう彼らを取り込むかを考えたほうがよさそうです。
また、著者は日本の中国に関する情報は恣意的だと指摘しています。
シンガポールに来てから 「中国経済崩壊論 」を支持する人になど出会わないどころか、そんな論すら聞いたことがない 。むしろ、「今後20年以上は中国経済は順調に成長する 」という論が圧倒的に多い。
日本の書店では、中国経済が崩壊するという本が数多く売られていますが
シンガポールではそのような論調は見られないと言います。
中国が崩壊するという日本人の願望を鵜呑みにして
偏った情報を信じてしまうのは、確かに危険かもしれません。
海外ビジネスにおいては視点を多様化したり
情報を幅広くとることが重要だとここから再認識できました。
2050年には、中国経済が日本よりはるかに巨大になっているであろうという予測が世界の有力各機関によってなされている─日本人は 、もう少しこの事実を直視した方がいいかもしれない。
衰退が予想される日本は、今後隣国中国と敵対せずに
ASEANでの成長を考えるべきだという著者のアドバイスは参考になります。
どこかで読んだことのある情報でしたが、著者の現地からの視点が組み合わさることで
いろいろな気づきをもらえました。
インドのいちご農家の岩佐大輝氏やフィリピンの英会話スクールの藤岡頼光氏など
アジアで活躍する人たちの話を読んで、朝からパワーをチャージできました。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
photo credit: Marina Bay Sands via photopin (license)
コメント