長年コンサルタントをしてきてわかったのは、
親身になって話を聞けば、 こちらの熱意は必ず通じるということだ。 こちらが本気だと信じられないかぎり、 相手は心を開いてくれない。(アンドリュー・ソーベル&ジェロルド・パナス)
パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術
(アンドリュー・ソーベル&ジェロルド・パナス著)の中に
経営者の信頼を勝ち得るための素晴らしい言葉が、紹介されていました。
優秀なコンサルは、経営者の話を真剣に聞き
ダメな点を見つけたら、真摯にアドバイスをし、ときには反対意見を提示します
本気でコミュニケーションすることが良い提案につながり
そこから信頼関係が生まれるのです。
企業のコンサルをする時に、相手が迷っているときには
ビジョンやミッションについて、問いかけるとよいと
アンドリュー・ソーベルとジェロルド・パナスの二人は言います。
ミッションはすべてである。それこそが重要な目標だ。
相手が大きな行動をとろうとしている、あるいは、 重要な決定を下そうとしているときには、 本来の理念からはずれていないか見きわめなければならない。
「ミッションに合っているか?」という質問をすることで
私たちは、相手の考えを修正できます。
新規事業に手を出そうとしている経営者に対して
その事業がミッションに合致しているかを確認することで
経営がぶれないように、ブレーキを踏むのも優秀なコンサルには必要なスキルなのです。
ミッションや目標は、私たちがどんな存在か、どんな存在になりたいかを決定する。これは組織にも個人にも当てはまる。だが、軸がぶれてしまうことが少なくない。日々の生活に気をとられて、「木を見て森を見ず」ということになりがちだ。富や成功、権力や名声を望むのは、きわめて人間的なことだからだ。だが、成功や名声は、ほとんどの場合、心の糧とはならない。
もし、軸がぶれているのなら、それをやめさせるべきです。
一瞬利益を得られたとしても、それがミッションと異なっている場合
長期的にはその事業はその企業にとって意味がないものになるはずです。
良いコンサルは経営者の判断を、ビジョンやミッションを問いながら確認します。
相手が基本理念と矛盾することをしようとしたときには
すぐに、相手にミッションを問いかけて、一緒に考えるように仕向けましょう。
多くの時間と資源を投入してからでは、遅いのです。
無駄な投資は極力やめさせるべきなのです!
若い経営者は、ミッションや目標を真剣に考えずに
場当たり的に新規事業を始めてしまいます。
そんな時に「これはミッションや目標の実現に役立ちますか?」と
質問することで失敗を事前に防ぐのも、年長者の務めなのです。
本書には、経営者の信頼を構築するための良い質問が
ケーススタディとともに紹介されています。
本書で質問力を磨くことで、取引先の経営者と良好な関係を築けるはずです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
photo credit: The British Embassy supports autism via photopin (license)
コメント