突き詰めると、大富豪になる一番いい方法は10億人の抱える問題を解決することなのだ。(ピーター・H・ディアマンディス&スティーブン・コトラー)
今日のわれわれはグローバルでエクスポネンシャルな世界に生きている。問題はわれわれの脳、そして認知能力がこれほどのスケールやスピードを処理できるようにはなっていないことだ。われわれのリニアな脳はエクスポネンシャルな進歩を受け入れることはできない。
ピーター・H・ディアマンディス&スティーブン・コトラーの
ボールド 突き抜ける力のサブタイトルは、
「HOW TO GO BIG, CREATE WEALTH, AND IMPACT THE WORLD!」
という刺激的なメッセージになっています。
どうビッグになって、富を生み出し
世の中にインパクトを与ればよいかがこの一冊でわかります。
世界は、エクスポネンシャル・テクノロジー
(指数関数的な成長曲線を描くすべての技術)の時代に進化しているのですが
人間の脳は、このエクスポネンシャルな進歩に追いつけません。
しかし、成功する経営者たちは、エクスポネンシャル・テクノロジーを使いこなし
世の中の課題を解決しようとしています。
■エクスポネンシャルな6つのD
デジタル化(digitalization)
潜行(Deception)エクスポネンシャルな成長は、ほとんど誰も気づかないところで進行する
破壊(Disruption) 既存の市場を破壊するイノベーション
非収益化(demonetization)無料化 お金という因子が消える
非物質化(dematerialization)モノやサービスそのものが消えること
大衆化(democratization)誰でも手に入れられる
エクスポネンシャルな変化の時代には、小さくて機敏な者が勝者になっていきます。
この小さく機敏な存在であるためには、エクスポネンシャルな6つのDだけではなく
変化を促す技術やツールも理解する必要があるのです。
クラウドファンディング、クラウドソーシング、組織されたコミュニティーなど
さまざまなエクスポネンシャルなツールを使いこなすのです。
280億ドルの時価総額を誇ったコダックは2012年に破綻しますが
そのタイミングでわずか18ヶ月でブレークしたInstagramがFacebookと手を組みます。
Instagramというエクスポネンシャルな組織が
コダックというリニアな巨大組織を破綻に追い込むのです。
ウーバーやエアビーアンドビーのホスティングプラットフォームの破壊力は凄まじく
数年後には、物流や宿泊というビジネスを様変わりさせているはずです。
ウーバーやエアビーアンドビーは、物流や宿泊業界を一気に大衆化させてしまったのです。
彼らはちょっと良いアイデアを持っていれば、10億ドル企業の経営者になれることを実証したのです。
アイデア、6つのD、クラウドファンディング、クラウドソーシングを
大胆に活用したエクスポネンシャルな起業家が
リニア企業をあっという間に駆逐してしまうのです。
イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、ラリー・ペイジなどの偉大な経営者になりたければ
大胆に考え、6つのDと変化を促すツールを活用すればよいのです。
10億人が抱える問題を解決できる気概を持たないと成功できないというのが本書の主張です。
特に重要なのは三つの要素、すなわち自律性、専門性、目的意識である。自律性とは自分の船の舵取りを自分でしたいという欲求、専門性とは上手に舵をとりたいという欲求、そして目的意識はその旅路に何か意義があると感じたいという欲求である。この三つの内在的報酬こそ、われわれに最大の動機づけを与えるモチベーターとなる。
自律性、専門性、目的意識を持てば、勝者になれる可能性が高まります。
この3つをコアバリューにした会社をつくれば
ザッポスやGoogleのように急速に成長できるのです。
イノベーションチームを他のメンバーから隔離し、野心を持たせるのです。
企業文化に最初から自律性、専門性、目的意識を埋め込めば
スタートダッシュを切れるはずです。
また、エクスポネンシャルな起業家には、素早い反応も求められます。
「素早い反復」を簡潔かつざっくばらんに定義したのが、シリコンバレーの非公式なスローガン「早く、たくさん、前のめりに失敗する」だ。突き抜けた成功を狙うベンチャー企業 、特に本書が説くような世界を変えるタイプのベンチャー企業には 、このような実験的アプローチが求められる。ただほとんどの実験は失敗に終わるので、真の進歩を遂げるには山ほどのアイデアを試し、実験の間隔を縮め、結果から導き出された知識を蓄積していかなければならない。これが素早い反復だ。
BOLD(大胆)な目標をもって、素早く行動する企業をつくりましょう!
本書には成功するためのヒントがたくさん書かれています。
Googleのスカンクワークスの考え方、リスクの取り方が勉強になりました。
ぜひ、本書でご確認ください。
photo credit: Shary Reeves im Radio-Studio via photopin (license)
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