朝がくるのが待ちきれないほどワクワクする、そんな毎日を70歳過ぎても送れるなんて。人生って本当にどうなるかわかりませんね。(谷川洋)
奔走老人: あなたの村に学校をつくらせてください(谷川洋著)を読むと
老後がつまらないものではなく、楽しいものだと思えてくるので、不思議です。
バリバリの商社マンだった著者の谷川氏は、奥さんを癌で亡くしたことで
老後の人生設計を世のため、人のために変えてしまいます。
ふとしたきっかけから日本財団の学校建設プロジェクトに関わることになり
アジアの奥地に次々学校を建設していきます。
定年後の2004年にアジア教育友好協会(AEFA)を立ち上げ
いきなりタイ、ラオスなど5が国の現地調査に出かけてしまうのです。
「失敗したっていいじゃないか」と思いながら
谷川氏はアジアでの学校建設にのめり込んでいくのです。
「金のためより、人のためをモットー」に
失敗しても構わないと考え、どんどん行動を起こしていきます。
失敗を恐れて何もしない人間よりは行動する人間の方が重宝される。チャンスが増えるのです。
そして、「少数民族」をキーワードにすることにして
日本から行きずらいタイやラオスの山岳地域に次々と学校を建設していきます
少数民族が住む山岳地帯では公用語や計算を覚えることができない
だから、貧困が続くのだと見抜いた谷川氏は学校を山岳地帯中心に建設していきます。
奔走老人 [ 谷川洋 ] |
しかし、思わぬことに地元の住民から学校建設を反対されるのです。
そこで谷川氏は3つの檄を飛ばしました。
■プロテクトの手段になる。
公用語を学ぶことで、交渉力を得られ、人から騙されなくなります。
■子供が育ち、村が反映する。
教育水準があがることで、健康、衛生知識を学ぶことで
子供の早死に減り、村が反映します。
■仕事につながる。
教育を受けることで、よりレベルの高い仕事に就けます。
最初は試行錯誤が続きますが、「パッション、アクション、ドネーション」をキーワードにし
情熱、行動を示した村人たちに支援するようにすることで
現地の人たちを巻き込むことに成功したのです。
子供達のために公用語を習得させたいという親や教師のパッションと
敷地を整地したり、先生たちを助けるアクションがあれば
そこにドネーション(支援)するというルールを確立したのです。
村人を本気にさせ、求心力と推進力を作れなければ
学校は維持できないことに気づいた谷川氏は
村人たちを本気にさせるために、大人のための成人学級を開いたり
学校に畑を作って、農業指導を行うなど活動を広げていきます。
こういった地道な活動が功を奏し、谷川氏の学校は評判になり
今では220以上の学校を建設し、優秀な人材を地域に送り込んでいるのです。
また、AEFAでは、日本の学校(フレンドシップ校)との交流も行っています。
「アジアの子供達にできることはないか?」と日本の子供達が考えるようになり
文房具やピアニカを送るようになったのです。
2006年には日本のトイレ掃除文化をアジアに普及するため
トイレ掃除のポスターをAEFAが作成して、現地に送ったそうです。
当初、多くの学校関係者から「後進国から学ぶことはない」と言われたそうですが
実際、この交流によって、後進国の子供たち(友達)から
子供達だけでなく、多くの日本人が気づきをもらっているのです。
2009年には子供達がワンコインを集めて
学校を建設するワンコイン・スクールも始まっています。
2010年2月にはラオス・ポンタン小学校
2012年5月にはラオス・チャンヌア小学校が、このプロジェクトから生まれています。
このコインも子供達が家のお手伝いをして集めたお金で
自分の貢献を寄付に使うという思いやりの心でデザインされているのです。
勉強したくてもできないアジアの仲間に学校をプレゼントしたいという思いが集まって
アジアの学校教育を日本の子供達が応援しているのです。
AEFAの国際交流が、アジアと日本の教育を進化させているのです
1、AEFAが現地に年一回行くことで、学校がさびれない。(ハコモノではない教育)
2、日本の学校とつながっていることで、アジアの先生や子供達のはげみになる。
3、日本の子供達が気づき、学習の受益者になる。
アジアの山岳地帯の学校建設が、双方にメリットを与えていることを本書で学べました。
ぜひ、多くの方にこの奔走老人を読んでいただきたいと思い、今日はこの記事を書きました!
また、AEFAでは寄付なども受けています。詳細はこちらをごらんください。
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