三割の打率があれば天才だ。未来は予測できないものなのだから。早いうちに学べば学ぶほど、早く上達することができる。(ランディー・コミサー)
PDFA習慣術の徳本昌大です。
今日はアダム・グラントのORIGINALSの書評ブログを続けます。
Appleの企業弁護士の経験もあるランディ・コミーサーは
100%成功する事業などないと言います。
どんな天才の成功確率も3割以下だと知っていれば
起業や新たなチャレンジに対する恐怖心が減らせます。
逆にやらないことのほうがリスクだと思えます。
そして、コミサーの言葉を借りれば、それは早ければ早いほどよいのです。
私たちは最初から成功するなどとは思わなければ、挑戦が恐くなくなります。
オリジナルなことを実現して成功している人たちの中身は、私たちとさほど変わるものではない。彼らも、みなと同じような恐怖や不安を感じている。しかし、何が違うかといえば、「それでも行動を起こす」ということだ。「失敗することよりも、やってみないことのほうが後悔する」彼らはそのことを、身をもってわかっている人たちなのである。(アダム・グラント)
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 [ アダム・グラント ] |
新しいチャレンジをする際には、提案の仕方も重要になります。
人や組織を動かすためには、コツがあるのです。
アダム・グラントはカーメン・メディアのケーススタディによって
周りを巻き込む方法を紹介しています。
CIAのカーメン・メディナは、情報機関のコミュニケーションに根本的な問題があると考え
CIA向けの情報共有システムを提案します。
情報は常に変化しているにも関わらず、CIAでは閉鎖的な共有を行っていたため
リアルタイムなコミュニケーションを行えなかったのです。
メディナは機密情報を紙ではなくインターネットで
FBIやNSAなどと共有することを提案したのです。
しかし、これはCIAから猛反発をくらい、彼女は組織で孤立していきます。
CIAで干された彼女はその後もあきらめず、3年後に再び発言をはじめます。
ついには、「インテリペディア」というプラットーフォームを実現し
その創設に目覚ましい役割を果たしたのです。
「インテリペディア」は、今では情報機関全体で50万に以上に活用され
多くの情報機関から評価されるようになったのです。
メディナの発言はなぜ一度目は失敗し、二度目には聞き入れてもらえたのでしょうか?
実は一度目の発言と二度目の発言のあいだに、世界は大きく変化していたのです。
インターネットが普及し、アメリカ同時多発テロによって
各情報機関の連携強化の必要性が叫ばれるようになっていたのです。
彼女が最初の発言をした時には、組織内での基盤を持っていませんでした。
ある程度の地位がなければ、いくらよい提案をしても否定されがちです。
それに気づいたメディナは体制の一部となり、体制を内部から変えることで
地位の確立を目指そうとしたのです。
権力を握るには、ただ支配者に楯突くだけではなく、まずは居場所をつくってから楯突いて牙をむけばいい(フランシス・コッポラ)
メディナはただ現状に文句を言うだけでなく
信頼を勝ち得ながら発言の立場を築いていったのです。
私たちは現状に異議をと萎えようとする立場の低い人を黙らせますが
立場の高いスターの逸脱には目をつむったり、賞賛してしまうのです。
心理学ではこの逸脱を許される範囲を特異性信用と言います。
メディナは二回目の発言の前に、CIAのデジタル分野を成長させ
CIAの任務を効率化させるのに成功し、この特異性信用を獲得していったのです。
その後、権力を得たメディナは「インテリペディア」の創設に尽力し、導入に成功させたのです。
失敗した時には、まずはその理由を明確にしましょう。
ダメだったアイデアや行動を書き出し、それを改善するのです。
メディナのように組織を味方にしたり、タイミングを計ることで
成功する確率をアップできると思えたら、再びチャレンジしてみましょう。
それを繰り返すうちに、あなたは良い結果を手に入れられるはずです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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