涙を流すことは、単に①ストレスを軽減させるだけでなく、②自律神経のバランスを整え、さらに③免疫システムを活性化させるという三つの効果で「身体的ストレス経路」を抑制することになるのです。(有田秀穂)
PDFA習慣術の徳本昌大です。
有田秀穂氏の脳からストレスを消す技術を読んでいたら
泣くことがストレス解消につながる!という話が紹介されてました。
確かに、泣くと気分がすっきりしますから
現代人はもう少し、涙を意識したほうがよさそうです。
私たちの身体は、起きている間は交感神経が優位に働き
リラックス・睡眠の時間は副交感神経が優位になります。
この二つの自律神経のバランスが整ったときに、最も健康な状態が保たれます。
不規則な生活を送ったり、過度のストレスにさらされる現代人は
バランスがくずれ、交感神経が優位になりがちです。
ストレスが溜まっている状態は、交感神経の緊張が高まっていますから
ストレスを感じたときには、意識的に副交感神経を刺激しないといけません。
副交感神経を刺激することで免疫システムも活性化できると
有田氏は本書で指摘しています。
脳からストレスを消す技術 [ 有田秀穂 ] |
免疫を活性化させるというと、最近では「笑い」が注目されています。
笑顔の効能が、様々な本で紹介されていますし
医療や介護の現場でも「笑い」を採用するところが増えています。
ストレスには「笑い」が効果ありという意見が常識になってきました。
しかし、ストレスには笑うことより、泣く方が効果的だと有田氏は言います。
実験によると、涙を流した方が前頭前野の血流を増やすことがわかってきました。
「笑い」と「泣き」は、正反対のことのように思われていますが、大笑いすると涙がこぼれることからもわかるように、実はこの二つは、脳の働きでみると、非常に似ているのです。おもしろいビデオを見て笑っている人の前頭前野の血流を調べると、やはり血流が増えていることがわかります。ただ、泣きの場合と比べると、増加の程度は弱く、時間も短いものに止まり、号泣したときのような大きな変化は見られませんでした。
笑いと泣きを比べた場合の効果も異なっています。
号泣したときには、緊張・不安と混乱が改善していたのに対し
笑いでは、活力の増加が大きく現れていたそうです。
笑いと涙は、同じようにストレス解消力があるといっても
涙を流したときは「スッキリ」し、笑った場合は「元気が出る」という違いがあるのです。
「笑い」にもストレス解消の効果はありますが
それは涙による効果よりははるかに小さなものだったのです。
脳内の変化が小さければ、それだけ副交感神経への刺激も小さくなります。
免疫の活性度合いも、笑いより泣いたときの方が大きいと考えられます。
しかし、毎日泣くのも大変ですから、笑いと涙を上手に使い分けましょう!
笑いは泣くことよりも短時間ででき、負担も少ないので、楽しみながら毎日でもできます。
普段は笑顔を心がけることで、元気になり
いざというときには思いっきり泣いて
溜まったストレスを上手にコントロールすると良さそうです。
大事なことは、ストレスを過度に溜め込まないことです。
普段の生活で、笑いと涙を共有できるような仲間を見つけておくと
つらい時間を過ごさずにすみそうです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
有田秀穂氏の関連記事はきちらから
photo credit: Head in Hands via photopin (license)
コメント