松山選手の成長振りには目を瞠るものがある。それはひとえに彼がアメリカに渡ってからの三年間、他のどのプロより練習をしたからである。人の何倍も練習することは、正直、他のプロも実行している。それがプロの世界というものであり、それができない人間は、当初、才能や、幸運で勝つこともあるが、長続きはしない。その点は、私たちの仕事と共通している。(伊集院静)
photo credit: Alpstedt The 17th hole via photopin (license)
ゴルフの松山選手はなぜ強いのか?
SIGNATUREという雑誌の伊集院静氏の連載を毎月楽しみにしています。
今月はゴルフの松山選手の話が書かれていましたが
彼の現在の実績は類稀な努力としなやかなマインドにあることがわかりました。
アメリカに渡って3年経った今、松山選手は世界ランキング4位につけ
まさにアメリカでもっとも注目されるゴルファーになっています。
全米プロで負けた時に松山選手は
「敗因はどこにあったと思いますか?
何が足らなかったと思いますか?」という質問を記者からされます。
ここで「考えてみます」と答えたのですが
この言葉に彼の成長の秘訣が隠されています。
松山選手は日頃から考えて、考え抜いて練習をしています。
自分との対話を続け、限界を越えようとしています。
そんな松山選手に対して、伊集院氏は次のような感想を持ちます。
練習をやり抜いて、ようやく何かが出るのが、私たちの人生であり、たとえ結果が出ずとも、それをやり続けることにしか、生きる尊厳はないのだと思う。
自分には無理だと思うことで、人は成長をやめてしまいます。
彼は考え、練習し、やり抜くことで自分の夢を実現しようとしています。
このエッセーを読みながら、私はキャロル・S・ドゥエックの
マインドセット「やればできる! 」の研究を思い出しました。
しなやかなマインドセットを持とう!
キャロル・S・ドゥエックはマインドセットが硬いと
すぐにあきらめて、成長でなくなると指摘しています。
人はちょっとしたネガティブ情報に左右され
影響を受けることがわかっています。
クロード・スティールとジョシュア・アロンソンの研究によると
人種や性別のチエック欄に印をつけただけでも
嫌な体験やステレオタイプを思い出し、結果に悪影響を及ぼすそうです。
事前に自分が黒人(あるいは女性)であることを意識させると
黒人(あるいは女性)が苦手とされる科目の成績を大幅に下げてしまいます。
しかし、ステレオタイプを思い浮かべなければ
黒人と白人、女性と男性の試験成績に差は生じないのです。
このようにマイナスなステレオタイプが喚起されると
人は不安を感じ、心が動揺してしまいます。
マインドセットが硬い人たちはネガティブな感情に支配され
結果を追い求めることをやめてしまうのです。
「おまえは一生、能力の劣った集団の一員だ」というメッセージに、硬直したマインドセットの人だけが共鳴してしまうのである。つまり、マインドセットがこちこちだと、どんなレッテルを貼られても平静ではいられないわけだ。
硬直したマインドセットの人たちは、事前情報を鵜呑みにして
自分の力を出しきれずにテストを終えてしまうのです。
中にはこの影響を受けない人たちがいます。
マインドセットがしなやかな人たちは
そうしたレッテルに振りまわされることはありません。
しなやかマインドセットの人は、自分は一生ダメだなんてけっして考えない。たとえ今はダメでも、努力すればきっと苦手や欠点を克服できると信じている。しかも、マインドセットがしなやかならば、不利な立場におかれても、そこから吸収できること、吸収すべきことを吸収して成長の糧にすることができる。
松山選手は全米プロ制覇というビジョンがあるので
失敗にはへこたれずに、そこから学ぼうとします。
彼は失敗体験から必ず、フィードバックを得ています。
このビジョンのおかげで、日本人は勝てないだとか
経験が少ないなどという考えを頭の中から追い出し
練習を続けることができるのです。
しなやかなマインドや行動力によって
松山選手は必ず目標を達成するはずです。
私も彼のしなやかなマインドセットを見習いたいと思います。
まとめ
マインドセットの持ち方次第で、人は未来を変えられます!
自分の資質を努力しだいで伸ばせると考える人は
失敗を気にせずチャレンジを続けることができます。
しなやかなマインドセットを身につけることで
自分の人生を豊かにできるのです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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