マヌーシュ・ゾモロディの 退屈すれば脳はひらめく―7つのステップでスマホを手放すの書評

じつのところ脳は活発に働いています。心がさまよっているとき、「デフォルトモード・ネットワーク」という脳の部分が活動しています。この部分は、問題の解決やアイディアの創造と深く関わり、「自伝的プランニング」と呼ばれる活動をつかさどっているところ。それによって、自分が住んでいる世界や人生の意味を理解し、未来への目標を立てることができます。(マヌーシュ・ゾモロディ)


photo credit: Leonegraph Welcome to umbrella city… via photopin (license)

創造のために退屈な時間を確保しよう!

現代人は退屈することを悪だと捉えがちです。
以前の私も暇になるのが怖く、いつも自分にタスクを与えていました。
忙しい自分が素晴らしい存在だと信じることで
自己満足の世界に浸っていたのです。

しかし、スマホやパソコンとにらめっこしてばかりでは
脳と体が消耗してしまいます。
ハードワークや情報過多がストレスの原因になり
睡眠や健康に悪影響を与えます。
最近になって、ようやくこの事実に気づいた私は
デジタルギアやソーシャルメディアと距離を置くようにしています。
そんなことを意識したタイミングで一冊の良書と出逢えました。
アメリカのラジオ番組の人気キャスターのマヌーシュ・ゾモロディ
退屈すれば脳はひらめく―7つのステップでスマホを手放すという書籍によって
iPhoneとの付き合い方を問い直せました。

著者のマヌーシュはラジオ番組で「退屈するための」実験を行い
多くのリスナーの共感を得ます。
本書はそのプロジェクトを改良し
7日間のレッスンとして書籍化したものです。
移動中にスマホと距離を置いたり
いつも使うアプリを削除するなどのレッスンを通じて
自分の行動について、じっくり考える時間を持てるようにします。
今の生活を変えるためには、自分との対話が欠かせません。
自分や世の中を観察することで、私たちは気づきを得られます。
ラジオのリスナーたちはスマホとの付き合い方を変えることで
人生を変えるためのきっかけを作れたのです。

クリエイティブであるためには、退屈な時間が必要です。
未来学者のリタ・キングが言う所の「創造のための退屈」を
自ら生み出さなければ、面白いアイデアは浮かんでこないのです。
著者のマヌーシュも退屈の価値を次のようにまとめています。

人は何もしないでぼーっとしているとき、ユニークなアイディアや問題を解決する方法を思いつきます。創造性の定義にはいろいろあるけど、脳内でまったく新しい結びつきが生まれることだとすれば、それにはちょっとした助けが必要で、あなたが退屈することこそが絶好のきっかけになるんです。

スマホと一定の距離を置かない限り
私たちはこの退屈な時間を確保できません。
この1週間のレッスンを取り入れて
自分との対話を始めるのは効果がありそうです。

勇気を持って、退屈を受け入れ、ぼーっとする時間をもつことで
ひらめきの瞬間が訪れるはずです。
「イマジネーション・ネットワーク」と呼ばれるデフォルトモードを
働かせることで、私たちはよりクリエイティブになれるのです。

ひらめくためには意識的に退屈する必要がある!

ユニークな発想をするには絶え間ない刺激に待ったをかける必要がある。

現代は「想像力の時代」とリタ・キングは指摘しますが
この時代を生き抜くためには、クリエイティブであることが求められます。
文化や社会を突き動かす目に見えないものを形にするには
脳がクリエイティブな活動しなければなりません。
そのためにはぼーっとする時間を持たなければならないのです。
退屈な時間を生み出すために、デジタルデバイスと距離をおきましょう。

また、スマホとの関係を見直すことで心と体の健康を取り戻せます。
忙しい自分を解放することで、イライラがなくなります。
寝る前にスマホを触らなければ、睡眠の質を改善できます。
ヨーク大学の認知神経科学教授のジョナサン・スモールウッド博士は
次のように退屈な時間を持つことを評価しています。

独創性や創造力と、ぼーっとしているときにふと浮かぶ発想は、ひじょうに深いところで密接につながっている。

現代人がスマホを全く使わないことは難しいかもしれませんが
上手にコントロールすることを学べば
私たちは今より幸せな時間を過ごせます。
本書を読めば、そのためのステップと効果を学べます。

まとめ

スマホが登場したこの10年で、私たちの生活は激変しました。
スマホには、良い面もあれば、悪い面もありますが
スマホに振り回されないようにしないと
自分の貴重な時間を浪費してしまいます。
情報化社会で活躍するためには、自分の価値を高めなければなりません。
そのためには、退屈な時間を持つことが大切なことがわかってきました。
スマホと距離を置き、退屈な時間を生み出すことを意識しましょう!

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

       

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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