数百人の被験者の脳を最先端の技術によって検査した結果、プラスの特質たとえば「記憶力がすぐれている」「集中力がある」「教育水準が高い」「飲酒や喫煙に対する自制心が強い」などの特質を備えた被験者は、脳の各領域がしっかりと連携していた。いっぽう、「かっとなりやすい」「過剰な喫煙」「アルコールや薬物への依存」など、マイナスの特質を持つ人々には正反対のパターンが見られた。脳内の連携がよくなかったのである。(アンダース・ハンセン)
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脳の可塑性を信じよう!
10年前まで私はお酒に人生を支配されていました。毎晩の飲酒の習慣が私の脳の特質をマイナスにしていたのです。酒が私の心と体を蝕んでいることを医者から指摘され、私は断酒をすることを決めました。酒をやめ、夜型の生活を朝型の生活にシフトして、良い習慣を身につけることで私の脳はよくなったのです。規則正しい生活や歩く習慣によって、私の脳の連携が強化されました。習慣を変えることで10年前の嫌な自分とさよならでき、私は人生は激変したのです。
アンダース・ハンセンが一流の頭脳で指摘するように、よい習慣で脳のつながりを強化すると自分を変えられます。私たち習慣を変えるだけで、脳の機能
脳を操作しているのは私たちであって、脳が私たちを操作しているのではない。だから、脳の各領域の連携を強化するためには、
脳の仕組みを理解したうえで、 定期的に運動することが何より重要なのだ。そして、 それによって身体が健康になることも、 軸のプラス側に属することにつながるのである。
変化という脳の特性(脳の可塑性)は若い時が優れているのは確かですが、80歳になってもその特性は失われません。いくつになっても私たちの脳をよくできるのです。定期的に運動することで私たちの脳のつながりを強化でき、脳を良い状態に保てるのです。
一流の頭脳 [ アンダース・ハンセン ] |
脳の可塑性は運動から!
子供の頃に脳の左半球を失ったミッシェル・マックは左脳が機能せず、言葉を正確に話すことができませんでした。左脳が司る右腕と右脚も上手に動かせなかったのです。しかし、ミッシェルは失った能力を右脳を使って見事に克服していきます。少し問題は残りましたが、言語と右腕・右脚の問題をクリアにしていったのです。また、記憶という点では、ミッシェルは常人よりはるかに優れた能力を発揮しました。過去の日時を無造作に選んだとしても、その日の曜日を完璧に答えることができたのです。ミッシェルの右脳は、本来左脳が扱う領域を一手に引き受けていたのです。ミッシェルの脳は大掛かりに再構築されて、失われた半分の機能を補っていました。
レインマンのモデルになったと言われるキム・ピークは脳梁に損傷を受けた状態で生まれたために、左右の脳が連結していませんでした。彼は歩くこともできず、重い発達障害を抱えていました。しかし、ピークも脳を変化させ、人間グーグルと呼ばれるまでになったのです。5歳ごろに文字が読めるようになったピークは、
ミッシェルとピークの二人は自らの脳を変化させ、脳が変われる(可塑性がある)ことを証明しました。そう、誰もが自分の脳を変える能力を備えているのですから、私たちは二人を見習う必要があるのです。年齢を言い訳にせずに自分の脳の可塑性を信じましょう。最近の研究でこの脳の可塑性に運動が影響していることがわかりました。アンダース・ハンセンは次のように述べています。
脳の可塑性の研究においては、
身体を活発に動かすことほどに脳を変えられる、 つまり神経回路に変化を与えられるものはないことがわかっている 。しかも、その活動を特別に長く続ける必要はないという。 じつをいえば、20分から30分ほどで充分に効果がある。
ランニングなどの運動によって脳を変えるメカニズムには 、 GABA(ギャバ、ガンマアミノ酪酸)と呼ばれるアミノ酸が関係しています。
まとめ
私たちの脳はいくつになっても変化する脳の可塑性という特徴があります。年齢を言い訳にせずに自分の脳の可塑性を信じて、努力を続けるべきです。最近の研究で、この脳の可塑性には運動が影響していることがわかりました。1日20から30分の運動を習慣にすることで、私たちは子供のような脳を維持できるのです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
参考図書 アンダース・ハンセンの一流の頭脳
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