アルコールには、ストレス反応を即座に抑えつける強力な作用がある。じつのところ、ストレスや不安を緩和するという点で、アルコールに匹敵する物質はまずないといっていい。不安を感じているときにワイン、あるいはウイスキーなどを飲んだことがあれば、おわかりだろう。悩みごとは、ものの数分で消え去ってしまう。(アンダース・ハンセン)
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アルコールがストレスを緩和してくれる?
アンダース・ハンセンの一流の頭脳の書評を続けます。 私たちはアルコールを飲んで、ストレスを緩和しようとしますが、これは理にかなっています。以前広告会社に勤めていた時に、私は絶えず締め切りを追われるストレスフルな生活を送っていました。それを和らげるために、私は20代の頃からお酒に頼るようになり、アルコールに依存していました。(今は断酒し、健康を取り戻しました。)
アルコールには抗不安薬と同じ効果があり、多くの人たちがアルコールを飲んで、ストレスをコントロールしようとします。お酒を飲むことであっという間に気持ちが良くなり、ストレスがなくなったような気になれます。北欧のスウェーデンでは抗不安薬の多くが「ドライ・ドランク(“空酔い”)」という別名で呼ばれているそうです。アルコールと抗不安薬には共通点があり、どちらも脳の成長を阻害する「GABA」に影響を及ぼすことがわかっています。GABAは、ストレスがかかっている状況下では脳の活動を鎮め、脳細胞の興奮を抑える「消火器」として働くアミノ酸です。GABAが活動することですばやく効果的にストレスを緩和できるのです。
しかし、アルコールや薬に頼っているといつしか心や体を蝕んでしまいます。私はお酒に自分を支配され、いつしかお酒中心の生活を送るようになり、時間を無駄遣いしました。お酒だけに頼って、ストレスを発散するのは身体への障害やアルコール依存症を引き起こすこともありますから、注意が必要です。では、どうしたらよいのでしょうか?アンダース・ハンセンはGABAを活性化する別のアプローチを本書で紹介しています。
一流の頭脳 [ アンダース・ハンセン ] |
運動がストレスを緩和してくれる!
ありがたいことに、GABAの抗ストレス作用は飲酒や薬の摂取のほか、動くこと、つまり運動によっても活発化する。ウォーキングでも効果はそれなりに見込めるが、最も効果があるのはランニングやサイクリングだ。今では持続的な肉体の鍛練によって、主に大脳皮質下でGABAの働きが促進されることがわかっている。
お酒や薬に頼らなくともGABAが活性化することがわかっています。それはすごく簡単で体を動かすだけでよいのです。歩いたり、走ることを習慣にするだけで大脳皮質下でGABAが活発に働いてくれます。お酒を飲んでお金を浪費したり、体にダメージを与えるのをやめたほうがよさそうです。お酒を飲む時間を運動に費やせば、体にも財布も”健康”になります。
私も毎日1万5000歩のウォーキングを心がけていますが、歩くことで脳が活性化し、不安を緩和できます。運動することでストレスが減り、お酒や薬に頼らなくてもよくなりました。お酒をやめたことで、脳がすっきりし、人生をエンジョイできるようになったのです。
まとめ
アルコールは脳の大脳皮質下のGABAを活性化します。この働きによって、ストレスが緩和されます。しかし、お酒だけに頼って、ストレスを発散するのは、身体への障害やアルコール依存症を引き起こすリスクがあります。心と体の健康を保ちたければ、積極的に運動するとよいでしょう。ウォーキングやランニングによって、GABAが活性化しストレスを減らせますから、運動の時間をしっかりと確保すべきです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
参考図書 アンダース・ハンセンの一流の頭脳
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