デイビッド・パールマターとクリスティン・ロバーグの 「腸の力」であなたは変わるの書評

死は大腸から始まる。(イリヤ・メチニコフ)


photo credit: Alex-de-Haas A giant cloud-cutter guarding the fields of daffodils. via photopin (license)

アメリカで脳疾患が激増している理由

デイビッド・パールマタークリスティン・ロバーグの新刊
「腸の力」であなたは変わる: 一生病気にならない、脳と体が強くなる食事法を読むと
自分の食生活を変えたくなります。
腸を大切にすることで、脳や体の健康状態を保てるようになると
著者の二人は主張します。

二人が書いた前作の「いつものパン」があなたを殺すも刺激的な一冊でしたが
今回はそれ以上の力作で、脳と腸の密接な関係を理解できました。
著者のデイビッド・パールマター博士は
神経科の医師として、頭痛や認知症の研究をしていますが
炭水化物によって、脳内に炎症を起こしていることを突き止めます。
パスタやパンの小麦を常食化することで
私たちは脳の中で絶えず炎症を起こしています。

私がグルテンフリーを始めて、2年以上経過しましたが
炭水化物をやめて魚のオイルやココナッツオイルを
積極的に摂る食事を習慣化することで、私は脳と体の健康を取り戻せました。
この食生活のおかげで、頭痛や花粉症などが改善したのです。

「腸の力」であなたは変わるの冒頭で
著者たちはアメリカ人の脳疾患の現状を明らかにします。
2013年の報告書によると、1979年以降、脳疾患による死亡が
アメリカでは男性が66%、女性が92%も増加しているのです。
この研究を行なったコリン・プリチャード教授は以下のように指摘します。

環境や社会の変化が生み出した”流行病”の存在を認識する必要がある。

また、研究者たちは他の死亡原因のリスクが減少しているのとは対照的に
脳疾患の罹患が急速に低年齢化し、かつ増加していることを明らかにしました。

2013年の『ニューイングランド医学誌』によると
アメリカでは認知症患者一人につき年間約5万ドルを費やしているそうです。
これは年間約2千億ドル(約二十兆円)に相当し
心臓疾患患者の治療費の約2倍、がん患者の治療費のほぼ3倍になっています。
アメリカでは成人の約4人に1人、人口の26%を超える人々が
精神疾患と診断される状態にあります。
なんと不安障害を持つアメリ力人は4千万人を数え
アメリカの成人人口の10%近くが、強力な薬を処方されています。

アメリ力人の10人に1人(さらに40代、50代の女性の四分の一)がうつ病にかかり
この数値は年々、急激に悪化しています。
アメリ力国内でもっとも処方されている薬は
プロザックとゾロフトでこれらは抗うつ剤なのです。
しかし、この薬は根本治療には役ただず、症状を緩和するだけです。
多くの医療費が脳疾患に患者に使われていますが
患者たちを救えていないという事実があるのです。

このアメリカの驚くべき脳死感の現状と腸が
密接に関係しているというのが著者たちの考え方なのです。

最新鋭の科学では、脳の健康状態、裏を返せば脳の疾患が、”腸内の状態”によって驚くほど高次元なレベルで左右されていることが解明されつつある。今、腸内で起きていることが、神経症状へのリスクを決めるのだ。(デイビッド・パールマターとクリスティン・ロバーグ)

19世紀から20世紀初頭に活躍したノーベル賞受賞者の
ロシアのイリヤ・メチニコフは体や脳の腐敗は腸内の腐敗が
原因だと考えていましたが、最近の研究でそれが実証されたのです。

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「マイクロバイオーム」の状態が体の炎症を左右する!

「腸内で起こることは腸内の問題だ」この見方は最先端の科学とはまったく通じていない。消化器系は、脳内の状態と深く関係しているといわれている。そして、腸は体全体の健康と精神状態に、あらゆる面でかかわっている。そのもっとも重要なカギをにぎるのは、「腸内細菌」である。(デイビッド・パールマタークリスティン・ロバーグ

多くの神経科医は神経系とくに脳内で起こっていることに
細かく焦点を当てて、診察しています。
しかし、これらの症状が消化管など他の体の系統とは
無関係なものだと見ているために、病気を治せずにいるのです。
うつやアルツハイマーの治療にも
腸の状態を意識すれば、良いのですが
専門知識が邪魔をして腸を意識した治療は
ほとんどなされていない現状があります。

私たちの腸内では無数の細菌が活動しています。
腸内の細菌が、人間の健康のおよそあらゆる面を支配し、支えているのです。
人間の体はこれらの細菌と遺伝物質が相互に作用し、健康を維持しています。
この複雑な体内環境は「マイクロバイオーム」と呼ばれていますが
これが私たちの心と体に影響を及ぼします。

私たちの腸に住む細菌は免疫系機能、解毒、炎症、栄養の吸収、炭水化物や脂肪をどのように利用するかなど、さまざまな生理行動に作用している。これらすべてのプロセスは、アレルギー、ぜん息、ADHD、がん、糖尿病、認知症などにも強く影響する。マイクロバイオームは気分や性欲、代謝、免疫、さらには認知力や意識の明瞭さにまで影響する。また、太っているか、やせているか、精力的か無気力かを決めるのにもひと役買う。簡単にいえば、感情的にも身体的にも、われわれの健康に関することはすべてマイクロバイオームの状態で決まるということだ。そしておそらく、体の他のどの部分よりも、脳ほど腸内細菌の変化に敏感なものはないだろう。

体の炎症や活性酸素などのフリーラジカルによって
脳や体の老化が加速するというのが著者たちの主張です。
実はそれらの原因が、腸内の活動の良し悪しに影響を受けているのです。
腸内細菌叢(腸内フローラ)細菌が実は炎症やフリーラジカルに
深く関わっていることがわかってきたのです。
言い換えれば、マイクロバイオームの状態が
体の中の炎症を左右しているのです。

まとめ

脳の疾患が腸内フローラの影響を受けていることがわかってきました。
うつやアルツハイマーも腸内環境を整えることで
治る可能性が出てきたのです。
そのためには、腸内の細菌が活性化するものを食べるべきです。
腸の栄養を考えることが、私たち現代人に求められています。
本書については何回かに分けて、記事を書きたいと思います。
何を食べれば良いかをこのブログで明らかにしていきます。

     

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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